goo blog サービス終了のお知らせ 

歴タビ日記~風に吹かれて~

歴タビ、歴史をめぐる旅。旅先で知った、気になる歴史のエピソードを備忘録も兼ね、まとめています。

今だから

2025-03-12 15:57:42 | 歴史 本と映画
3月11日、東日本大震災から14年・・・

全国的には話題になっているかどうかわからないが、
関東圏では、10日が東京大空襲の日として
ニュースや特集が組まれている。
3月は鎮魂の日が続く。


(表紙には、戦後まもなく、父が名古屋で撮影した
ダーチャの写真が使われている)


今、イタリアのダーチャ・マライーニ『わたしの人生』
(新潮クレスト・ブックス)を読んでいる。

昭和の初め、ダーチャは文化人類学者の父と来日、
家族とともに自身も、2歳から京都で過ごす。
ところが1943(昭和18)年、当時の同盟国であるムッソリーニ政権に対し
両親が反抗的とみなされ、名古屋の収容所へ送られる。

ダーチャは9歳、
人生のなかで、もっとも死に近付いた日々の始まりだった。


本人の回想と母の日記などを元にしたノンフィクションである。
ホロコーストや日本の軍国主義など、
人々の自由を奪う「歴史」も織り込まれており、
読みながら、心がしんとしてしまう・・・
苦しい。

それでも前編にわたり、詩情豊かで美しいのは
父譲りの作者の詩心だろうか。


さて、ダーチャの収容所生活、さらにそれを悪化させたのが
地震だ。

太平洋戦争の末期の日本は、
「戦中戦後四大地震」と言われる、次の地震に相次いで見舞われている。

1943(昭和18)年・鳥取地震、1944(昭和19)年・昭和東南海地震、
1945(昭和20)年・三河地震、1946(昭和21)年・昭和南海地震、
いずれも死者は1000人以上が発生している。

ダーチャ一家が震え上がったのは
1944(昭和19)年の昭和東南海地震だろう。

戦争で疲れ果てた人々が大地震に見舞われる・・・
おそらくその復興もままならないまま、
1945(昭和20)年が明け、地方都市への空襲も始まっていく・・・


悪いことは重なる・・・

「地震と津波の後は火事か・・・」と天を仰ぐ人を
つい最近も、メディアを通し、目の当たりにしてきたばかりではないか・・・


ましてやダーチャらは捕虜だ、
政治犯として収容されており、見張りの県警は捕虜を虐待するだけでなく、
収容者用の食糧をも略奪していたという。
劣悪な境遇は、さらにひどくなる・・・

幼い姉妹三人も含め、全員が、
無事、戦争の時代を生き抜けたことは、
収容者の連帯感と強い自由への意思の力にほかなならない

それでも、地震の頃は、長引く苦闘の日々に絶望し
その力すらも揺るぎ、人々は、もっとも死に近付いていたのである。


マグニチュード5以上に限れば、
世界で起こる地震の1/10 は日本とその周辺で起こっているという。
地震国・日本なのだ。


ダーチャを苦しめた、地震と戦争

地震は防げるものではない。
ただ、防災対策を心がけ、そのときに備えるだけだ。


でも、戦争は?
戦争は避けられはずだと、信じたい。


先日、旧い友人と久しぶりにおしゃべりをした。

ーーわたしたちは、きっと、事がおこったときに、
香港の民主活動家・周庭氏のように、
声を上げることはできないだろう。

大きな権力に屈服し、恐怖に身をすくませているに違いない。

だから、その事態を招いてはいけない。

何事もない平和なときにこそ、
戦争の恐ろしさを伝える努力をしていかねばーーと。


声高に戦争反対を叫ぶことは苦手だ。
そして、暢気に過ごしている私なぞ、
他人様からみたら「オマエ如きが何を言う」と嗤われるだろう。


それでも、戦争についての知識を深め、考えていきたい。

「戦争はしてはいけない」ことは
もはや当たり前であり、ただ鸚鵡返しに答えれば良い時代ではあるまい。

その「当たりまえ」の先にあることを考え、
問い続けていきたい。



日本人は遺伝的に不安感を強く抱くというのも、いたしかたなし。
それだけの災害大国ゆえだろう。

地震だけではなく、近年は台風、豪雨、大雪など
ありとあらゆる災害が日本を襲ってくるようだ。


だかだこそ、
災害に苦しめられる国だからこそ、
戦争は絶対に避けねばならない。

自然災害は避けらなくても、
戦争はきっと避けられる・・・

わたしたちは自らの力で
穏やかな日常を守っていくことはできるはずだ。


と書きつつも・・・
ウクライナを見ていると、ご近所の国々が、我が国に対し、
ある日突然、理不尽を仕掛けてきそうで怖い・・・

今、ウクライナの30日間停戦が話題になっている・・・
彼の国の行く末がどうなるのか、しっかり見つめていきたい。

***********************
おつきあいいただき、どうもありがとうございます。
支離滅裂の文章で申し訳ございません。
個人のブログと言うことで、勘違いや不備も有るかと存じますが、
どうぞお許し下さいませ。








































最新の画像もっと見る