稲敷資料館日々抄

稲敷市立歴史民俗資料館の活動を広く周知し、文化財保護や資料館活動への理解を深めてもらうことを目的にしています。

新収蔵庫が完成いたしました!

2014年03月28日 | 日記
2014年3月。

稲敷市立歴史民俗資料館では、
この度、新設収蔵庫が完成いたしました!

そこで、このブログにて少しご紹介いたしますね。


南西からのアングルです。
今回の収蔵庫は、鉄骨造り、屋根は折版ガルバリウム鋼板
の30分耐火構造、外壁はガルバリウム断熱サイディング張り
の防火構造で…


延べ床面積は298.89㎡です。


メインとなる収蔵庫の面積は、200.29㎡。
照明は、LEDで空調もあります。
床材は桜の無垢板で、腰壁は杉材を縦貼りとし、
埃が溜まりにくくしています。
また、天井は二重天井で、その間にはファンがあり、
一定以上の温度になると自動的にファンが廻ります。
棚は鉄骨の中量棚で、棚板には40mmの日本杉の板材が
使用されています。


内壁の天井・壁面には、「ニューヒューミライト」という、
湿度を調節する素材をふんだんに使用致しました。
この調湿建材、博物館等の展示ケース等によく使用される
素材ですが、今回は収蔵庫の壁の大部分をこれで
覆いました。腰壁は、調湿建材の保護の意味もあります。

この調湿性能のある建材を出来るだけ多く使用し、
限られた予算と関係法令の許容範囲内で、出来る限り
床面積、容積を大きく確保する、ということが、
この収蔵庫の設計時の主たるコンセプトでした。



収蔵庫には、その整理作業の為に「前室」が設けられますが、
新収蔵庫の前室は、95.64㎡あります。
資料館の本館には、作業に使えるスペースが僅かしかありません。
そのため作業スペース確保、というのも、今回の
収蔵庫の設計においては、とても重要なものでした。

こちらは、収蔵庫より天井が高く最大で約5.58mありますので
開放感と共にとても明るい室内になっています。
照明はもちろんLEDで、風通し用の高窓や金属網戸などを
設置してありますので、空調に頼らなくても、有る程度は
快適に過ごせるようエコに配慮しています。


前室から収蔵庫に通じる扉方向の写真です。
扉はエアロックまでは設置できませんでしたが、
頑丈重厚な鉄扉を設けています。


前室の給湯施設です。


作業用の流し台もあります。


今ではパソコンのネットワーク環境は仕事に欠かせません。
もちろんLAN回線も電話回線も通っています。
警備システムもバッチリなのですが、それはここでは
ナイショです。

稲敷市の4町村合併で、それぞれの旧町村の貴重な資料の
受け入れが困難な状況でしたが、新設1号収蔵庫の増設により
失われゆく故郷の資料を未来へ受け継いでゆくために、
一縷の望みが生まれました。

これからは、本館の機能と合わせて、資料館の果たすべき
役割のために役立ってくれることでしょう。
















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