稲敷資料館日々抄

稲敷市立歴史民俗資料館の活動を広く周知し、文化財保護や資料館活動への理解を深めてもらうことを目的にしています。

逢善寺の写真展開催に向けて…

2012年06月14日 | 日記
『広報稲敷』の6月号でも、お知らせとお願いを掲載したのですが、
当館では今年度の展示としまして「逢善寺」と「小野・寺内界隈」の
写真展を計画しています。

そのため、目下、逢善寺に関係する地域の皆さんの撮られた写真を
探し集めているところです!


すでに何軒かのお宅からアルバムごとまとめてお借りして、その中から
逢善寺に関するお写真を徹底的に探し出しています。
まだまだ、お借りしているお写真が少ないこともあり、逢善寺に関する
お写真はあまり見つかっていません。

その中でも、明治・大正期の写真が特に少ないように思います。

お家に古い写真やアルバムがあるよ!ですとか、或いはご近所に
古い写真を持っている、または持っていそうな方をご存じでしたら、
ぜひぜひ、資料館までご一報願います!


では、皆さんからお借りしました写真やアルバムをどのように
整理しているかといいますと…



まずは、刷毛や筆などを使ってゴミやホコリ等を落とすクリーニング作業をします。
これは古文書でもなんでも、基本中の基本です。

写真資料の場合、汚れや水分を吸って写真同士がくっついてしまってる場合が
ありますが、こういったものを無理にはがすとフィルム表面のゼラチンの層が
はがれてしまいますよね。

そのような場合、水道水などに浸けて、長い時間をかけて、そっと汚れを
落としながらくっついた写真同士を離してあげるとよいのですが…

中々、大量にお借りした写真資料で、そこまでのことはできない場合が
多いのが現実です…。

お預かりした古写真の中には、既にゼラチン層が崩れてしまっている
ものもありますし…。

そのようなこともあり、当館での写真のクリーニングは刷毛や筆での
お掃除にとどめています。



キレイにお掃除をした資料は、仮収納のために中性紙の文書箱に一旦入れておきます。
中性紙って何?という方もいるかと思いますが、下の写真が中性紙の箱です。



貴重な古文書や美術資料などを入れるための専用の特別な紙箱ですね。
なぜ、中性紙を使うのか?
みなさんは、段ボールやワラ半紙などの古い紙が、ボロボロに
崩れてしまっているのを見たことがありますよね?

アレが世に言う「酸性紙問題」なのです。

それらの紙の中には、空気中の水分と化学反応を起こして
なんと「硫酸」を発生させてしまう物質が含まれているそうなんです!

それで紙がボロボロになってしまうんですねぇ…。

そこで、長い間保存する必要のあるものについては「中性紙」が
使われるんです!

「和紙」は中性紙なので、日本の古文書がよく残っている理由の
一つかもしれませんね。

本来ならば、お預かりした写真を1点1点、「薄葉紙」と呼ばれる
中性紙に包んでしまうのですが、今回はお預かりしたものの
次の作業までの仮収納なので中性紙の箱にそのまま入れました。

このように整理して、お預かりした写真は次のパソコンでのスキャンニング
作業を待つのです。




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