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REHA planning(リハビリ訪問看護ステーション東大阪)での日々の業務や、勉強会等の様子をお伝えしていきます。

腰痛について 〜5〜

2016-02-25 | 自主練習、姿勢調整

こんにちは、作業療法士の加藤です

今回は、ものすごく久しぶりになりましたが、腰痛についてです。

前回の腰痛記事の際に予告しましたので、予防につながる話しにさせてもらおうと思います。

日常生活において、腰痛を生じやすい人は、身体の前方で重い荷物を持ち運ぶことに対して、ある程度の制限をする方が良いことは、よく聞く話かと思います。

例えば、出来る限り身体に荷物を密着させた方が良いとか、そもそもあまり重い荷物を持たず、なるべく軽量化してから運ぶとか、そういった配慮が腰痛を持っていない人でも、予防の意味で大事になってくるかと思います。

では、身体の前方で荷物を持ち運ぶ際に、腰を伸ばす筋肉には、数値的にどれくらいの負荷がかかるのでしょうか?

手元にあります資料の例を紹介させてもらいますと…

腕の長さが70㎝ほどとした場合、腕をまっすぐに胸の前に伸ばして、荷物を持った場合、腰部の伸筋には荷物の重量の14倍の負荷がかかるということです。これは、例えば、1ガロン(約3.6㎏)の水を胸の前70㎝で保持すると、腰部伸筋にはその14倍の50.4㎏の負荷がかかるということになります。実際には、それに加えて両腕の重みもありますので、さらに2倍以上の負荷が腰部伸筋には必要になるということです。そこまで、重い荷物でなくても、腰椎や腰部伸筋の損傷が起こりやすい理由が分かりやすい例かなと思います。

さらに、以下のようなデータもあるようです。

 身体の側方や、前方、後方で荷物を持った際の、腰部の筋肉(片側)に起こる筋活動量を計測しています。ちなみに、太い横線(4の少し上)は、荷物無しで歩行をした際の腰部の筋活動量が示されています。

このグラフからは、前方のみでなく、側方で荷物を持った際にも、荷物を持った反対側の腰部にはかなりの負荷がかかっていることが分かります。

一方で、後方で荷物を持つ際には、荷物無しで歩くのとほぼ同じ(少ない)くらいの負荷しかかかっていないことも読み取れます。

なので、腰痛の予防のためにはリュックなどを使用して、後方で対称的に荷物を持ち歩くことが良いようです。斜め掛けカバンなど、側方で持つものを多用する場合には、同じ方向ばかりではなく、カバンをかける向きを小まめに変える事を意識した方が良いかと思います。

 リュックは、非常に腰に優しいという話になりましたが、街中で使うのはどうしても抵抗があるという年配の方もおられるかと思います。最近、土屋鞄で「大人のランドセル」というのも発売されたようです。興味のある方は、検索してみても良いかと思います

 

 こんな感じです。

ちなみに、

このように、荷物を頭上に持ち上げる方法でも、体幹の全筋への負担は減るようです。しかし、一般的に首の構造としては、大きなものを支持するようなデザインになっていないということで、頚椎症などの恐れがあります。要注意です

 


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