(有)妄想心霊屋敷

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欲たすご縁は女の子46 好き=ライクorラブ

2007-01-20 23:27:48 | 欲たすご縁は女の子   三日目
我が家に到着し、自転車を止める。
「あーやれやれ、やっと着いた」
「お疲れ様でした」
全くだ。

ドアの鍵を開け、玄関へ。
「ただいま~」
「ただいま」
「おかえりなさい」
「おかえり」
二人揃って靴を脱ぐ。俺の靴は整えて隅へ。センの靴は消える。
そういえば、今まで靴履くときに金を渡した覚えがないな。
いつも俺が知らないうちに貯金箱からでも食ってたんだろうか?
想像すると、地味に面倒臭そうだった。
サイズが合うなら俺の靴を貸してもいいんだが、
それはちょっと清潔感に掛けると言うかなんと言うか。
……今日、靴ぐらい買ってやればよかったかな。

部屋に入って時計を見てみると、そろそろ七時というところだった。
「晩飯食べよ……」
そのまま部屋を出て台所に向かう。
「あ、じゃあお風呂の準備しておきますね」
「ん。ああ、頼む。……あ、風呂掃除はしなくてもいいからな。
 昨日したばっかだし、入る人数も知れてるしな。二日に一回くらいでいいぞ」
たった二人……いや、老廃物が出ないとか言ってたから汚すってこと考えたら俺一人か。
「そうですか? では、湯張りだけしておきますです」
そう言って、風呂場へ向かうセン。
と言っても、風呂場は部屋から台所へ行く途中にあるので俺も一緒だが。

さて、今日のインスタント食品は――誰もがご存知、カァップヌードゥ!
たった三分、ウルトラマンの活動時間ぴったりの時間でできあがってしまう優れものだ。
……ホントに毎回三分しか戦ってないのか? あの赤白超人は。
なんてことは置いといて、さっさと湯を沸かそう。

ヤカンで湯を沸かし始めて少し経った頃、風呂場のドアのが閉まる音と、僅かな足音。
どうやら風呂の準備が終わり、部屋に向かったようだ。
俺の部屋かあいつの部屋かまでは解らんが。
それからさらに少し後、湯が沸いたのでカップヌードルに注ぎ、ふたをする。
『ここからはがす』のシールでふたを留め、あとは三分待つだけ。

ぼけ~っと待つこと三分。
できあがったカップヌードルのふたをシールごとはがし、いただきます。
さっと作って、さっと食べる、これぞカップヌードル。これぞ元祖インスタント。
湯を沸かし始めてから食べ終わるまで、十数分。
あとは空いたカップをゆすいでゴミ箱に捨て、箸を洗って食事終了。

自分の部屋に戻ると、センがベッドに腰掛けてテレビを見ていた。
「あ、今日もお邪魔してます」
「いや全然構わんが」
テレビこの部屋にしかないしな。
ベッドが占領されているので、床に座った。
暫らく一緒にテレビを眺める。
眺めながら今日一日のことを思い返していると、ある疑問を思い出した。
「なあ」
「はい?」
「今日、どっちの映画観るか決める時にやけにあっさり選んでたけど、
 ああいう話が好きなのか?」
「好きって言うか、見てみたかったんです。
 恋愛って、同じ生き物どうしでするものでしょ?」
「そうだな」
「センには相手が居ないので、よく解らないんですそういうこと。
 欲食いって生き物は今のところセンしか居ませんからねぇ」
それはそうかもしれんが……
「……お前、岩白のこと好きか?」
「春菜さんですか? 好きですよ。でもこれって、恋愛とは違いますよね?」
「違うけど、似たようなものなんじゃないか」
「うーん……明さんも好きですよ? ……あれ、どうかしましたか?」
……正面きって好きとか言わんでくれ。
『も』ってことは岩白と同じ意味でってことだろうけど。
「まあ、そのうち解るだろ。男の知り合いが増えたりすれば」

……違う生き物、か。


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