体振その３

町内会長宅を後にし、町内副会長宅へ行き、さらに話を聞く。
話を聞いていると新興地域で常任を引き受けてもらいたいという話は来ているが、完全に了解したわけではなく、既成事実とはなっていないようだ。
そうするとなおさらなぜこちらで引き受けなければならないのか？・・という疑問が増大していく。
基本的に常任は旧地域と新興地域で２年交代で出していくことになっており、１６年度、１７年度は新興地域から出しているので、この１８年度と来年１９年度は旧地域の順のはずである。
今回旧地域からはなり手がないとのことでこちらに振られているが、２年後もまたなり手がなければまたこちらで・・ということが続き、今後ずっと新興地域から常任を出し続けることになりかねない。
今回がどうこうというより、ここできちんとしたルールを作っておかなければ後々悪しき慣習を残してしまうことになり、新興地域の後継者に迷惑をかけることになりかねない。
・・ということで翌日もう一度町内会長宅へ乗り込む。

ど　「常任はこちらと旧地域で２年交代のはずですから今年と来年はそちらで出して頂く順番のはずですが」
会　「そんなこと言うてもらっちゃ困る。副会長に話してあるとおりこの２年はそっちで面倒みてもらうことになってるんや」
ど　「副会長は単なる取次ぎ役で実際に体振するのはボクらです。勝手に決められてハイそうですかとは言えませんわ」
会　「こういうもんは若いもんでちゃっちゃとやってもらわな困るわ」
ど　「若いからお前やれってのはちょっと乱暴すぎやしませんか？各家庭にそれぞれ事情があるでしょう」
会　「こっちはみんな常任になれないって言うんやからしょうがないやないか」
ど　「常任になるならないはそちらの事情でしょう。そちらの事情はそちらで解決して頂かないと困ります」
会　「みんな忙しいんやからそっちでやってくれたらいいやないか」
ど　「は？忙しい？こっちは２人とも夜１１時１２時まで仕事してるんです。昨日の総会もＮさんは奥さんが代わりに出ましたし、ボクは仕事抜け出して出ました。そっちは３人もいて誰一人出てないじゃないですか。そんな無責任な人らの面倒なんか見れませんわ」
会　「え？誰も出てないのか？それはあかんなあ。言うとくわ」
ど　「いずれにせよ順番から言えばそちらの番ですからルール通りそちらでやってもらわないと困ります」
会　「今回はなり手がないから副会長にそっちで面倒見てくれって言ってるんやからやってくれたらいいがな」
ど　「今回はなり手がないとおっしゃいますけど、２年後もなり手がなければまたこちらにお願いされるんですか？例外は前例になり、前例は慣習になりますので今後のためにも例外は引き受けられません」
会　「どうしても引き受けられないのか？」
ど　「それがルールですから。こちらはルールどおりに対応するまでです」
会　「そしたらこの町内は常任なしでよろしい。代表にそう言ってくれたらいいわ」
ど　「常任なし？」
会　「そうや。なり手がないんやからしょうがないがな」
ど　「代表にそう言うのは簡単ですけど、実際総会があってもそちらは無責任に誰も出ないんじゃあ、あれやって、これやってと言われるのは結局ボクらですから、名前がないだけで実態は常任となんら変わらないじゃないですか」
会　「そうやな。でもそれしかないがな」
ど　「それじゃあ結局責任感を持ってやってる方がバカみたいじゃないですか」
会　「だからもしあと２年面倒見てくれたら次の４年はこっちで面倒見るがな」
ど　「それは本当ですか？」
会　「ああ。副会長にも言ってなかったけど、そのつもりやった」
ど　「それを絶対に約束してもらえるなら考える余地はありますね」
会　「この２年でちゃんと探して目星をつけておくつもりや。だからこの２年はなんとかそっちで面倒見て欲しいんや」
ど　「ホンマですね。ほなＮさんと相談してお返事します」

だいぶ事情がつかめてきた。
あとはこちらがどう対応するかだ。
さて・・どうする？