予約制ではないので、
ものすごく待たされた。
待合室の椅子は三人がけで、
僕は座っているのが辛くて、ほとんど横になっていた。
精神科医はわるくはなかった。
初診なので、
僕の生い立ちから現在の状況まで、
僕の話をじっと聞いていてくれた。
僕は話している途中から、ぽろぽろと涙をながしていた。
自分がかわいそうだなんて思わない。
ただ、ずっと苦しかった。
今も、苦しい。
医師は「わかる」とも「わからない」とも言わなかった。
「いろんなことがあったんですね‥‥」
でも最後は、
「いまのお薬でいいと思いますよ。
また調子がわるくなったら来てください」
入院どころか、定期的にも診てくれないようだ。
生活保護者だから、他の医者への押し付けあい?
医療だって、ビジネスだもんな‥‥
被害妄想かな。
診察室をでるとき、
医師といっしょにずっと話を聞いていたナースが、
診察室のドアを開けながら、
優しくささやいてくれた。
「‥‥がんばって、生きてくださいね」
うん、生きるよ。