2011年7月23日 02時08分
自民党の政治資金団体「国民政治協会」本部の2009年分政治資金収支報告書で、個人献金額の72・5%が東京電力など電力9社の当時の役員・OBらによることが22日、共同通信の調べで分かった。当時の役員の92・2%が献金していた実態も判明した。電力業界は1974年に政財界癒着の批判を受け、企業献金の廃止を表明。役員個人の献金は政治資金規正法上、問題ないが、個人献金として会社ぐるみの「組織献金」との指摘が出ている。福島第1原発事故を受け、原子力政策を推進してきた独占の公益企業と政治の関係が厳しく問われそうだ。(共同)
自民党は1955年の結党以来、原発推進をエネルギー政策の柱に据えてきました。1974年には「電源3法」を制定し、原発の立地自治体を巨額の交付金や税収で優遇する仕組みを構築し、電力業界は資金と選挙を通じて自民党長期政権を支える図式でした。
2009年の野党転落後も自民党の方針は変わらず、10年参院選の選挙公約では、原発増設を含む原子力政策の推進や、「原子力発電施設等立地地域振興特別措置法」の拡充・延長を打ち出しました。上の記事は、その頃の自民党もまた電力業界と癒着していた一つの証拠です。
原発は、1基つくるのに5千億円もかかるといわれる巨大ビジネスです。
その利益を享受しているのは誰か。
それは、東電などの全電力会社、原発メーカーである東芝・日立などの重電会社、原発を作る大手ゼネコンや鉄鋼・セメントメーカー、それらに金を貸す大銀行など一部の大企業と、原発推進の自民党出身の政治家、経産省などの官僚、東大などの御用学者、そして読売新聞を中心とするマスメディアです。
この利権集団は、「原子力村」とよばれる閉鎖集団を形成しています。これが「安全神話」の製造元となり、国民をウソで欺いて原発を推進し、巨額の利益をむさぼってきました。
原発の立地自治体も儲かるように出来ています。
悪名高い電源3法(電源開発促進税法、特別会計法、発電用施設周辺地域整備法)に基づく交付金のほか、施設にかかる固定資産税など、巨額の交付金、税収が落ちます。
この仕組みを作り上げたのが田中角栄元首相です。彼は第1次石油危機後の74年6月、立地自治体に巨額の交付金を落とす電源3法を成立させ、政官財一体の推進体制を完成させました。
交付金は、電力消費地が電力生産地に支払う「迷惑料」として、家庭の電気料金とともに徴収される電源開発促進税収(2011年度予算での見込み額3460億円)が財源です。
2011年度の国の予算は、公共施設の整備などに使われる電源立地対策費約1660億円!を計上しています。原子力を中心に火力、水力などの発電所立地、周辺自治体に配分されます。
政府試算では、出力135万キロワットの原発を新設する場合、交付金総額は運転開始までの10年間で約450億円、その後35年間で約800億円に達するのです。
これらの金が地方自治体の保守政権を安定化させ、地方から自民党長期政権を支えました。
大手メディアも、この利権の仕組みに積極的に組み込まれています。
原発事故が起こった当日、東電の勝俣会長は、マスコミ幹部を引き連れて中国旅行をしていました。記者会見で彼はこう問われました。「旅行の費用は東電持ちだったのか」。彼は、こう答えました。「マスコミ幹部への旅費は一部東電が出した」。要するにこの旅行は、マスコミへの「接待旅行」だったのです。記者会見でこうした重要なやりとりが交わされながら、大手メディアでこの事実を伝えたものは一つもありませんでした。
1970年代から、電力業界は、巨額の広告料を払って、大手メディアを次々に買収していきました。大手紙は総なめにされ、広告料のひもがつけられ、原発「安全神話」の媒体となったのです。
今回の原発事故以降脚光を浴びている小出さんたちが、マスコミに登場することなどついぞ無かったのはこのようなマスコミの腐敗が原因です。
だから国民は原発の恐ろしさを知ることもなく、福島原発事故でその恐怖にいきなり直面することになりました。
ところで、国会で審議中の「再生可能エネルギー特別措置法案」を経団連の米倉弘昌会長が批判しています。同法による太陽光や風力などの再生可能エネルギーの買い取り制度で、電気料金が上がると主張し、「地域経済の弱体化や国民生活への影響は計り知れない」と言うのです。
新制度で、電気料金が上がるがそれでもいいのか、と脅しているわけです。
確かに、再生可能エネルギーはまだ高いといえます。経済産業省の想定では、標準家庭で10年目に月150~200円の値上げになるといいます。この負担は、電気料金の明細に記されることになります。
しかし、原発関連のコストの場合はすべて原価に組み込まれ、原発固有の追加負担も私たちは払ってきました。実は、その額は後述する地域への交付金などにより月300円に上ります。
考えて見ると、今回の東京電力福島第一原発事故の賠償費用が全国の電力会社の負担にされそうな今度の賠償スキームでは、料金明細に書かれないまま、電気料金が全国で数百円、いやもっと上乗せされそうです。
このように自然エネルギーの負担ばかりが重く見えるように仕掛けができているのです。
これまでの電気料金の実態は、国民の知らない間に「世界一高い電気料金」に原発コストが見えないよう組み込まれ、経団連傘下の重電メーカーやゼネコンが、発電所建設などを通じて潤ってきたのです。
その金が、政治献金として、国民を裏切り続ける自民党を政権与党の座に押しとどめたのは冒頭の記事でも明らかです。
電力会社役員の個人献金が記載された「国民政治協会」の政治資金収支報告書
いま、原子力安全・保安院の、原発推進やらせ問題が発覚しました。
日本の原子力規制体制は当初、1956年に発足した旧総理府の原子力委員会が、推進と安全確保の両方を監督し、原発などへの直接の監視を、旧通産省と旧科学技術庁が担う仕組みだでした。
しかし、原子力船「むつ」の放射線漏れ事故(74年)で原子力行政への不信が高まったため、78年、原子力委員会から安全確保の機能を分離し、原子力安全委員会を新設しました。
1999年のJCO臨界事故後は、規制体制を強化する必要があるとして、2000年4月に安全委事務局を科技庁から総理府に移し、事務局員を20人から約100人に増強。さらに、2001年の中央省庁再編時には、通産省と科技庁に分かれていた直接監視する機能を、新設の原子力安全・保安院に一元化しました。
ですが、原発を推進する経済産業省内に保安院を置いたことから、発足時から「厳正に規制できるのか」との疑問の声が上がっていました。今回のやらせ問題は起こるべくして起こったと言えます。
今回発覚したやらせは、最も危険で、しかし自民党・経産省が力を入れてきたプルサーマルでした。危険性を押し隠し、プルサーマルをごり押しするためのシンポジウムだからこそ、やらせまで必要だったのです。それを原発を規制するべき組織がやるのですから世も末です。
プルサーマル 原発で使ったウラン燃料に含まれるプルトニウムを回収し、ウランと混ぜた「MOX(混合酸化物)燃料」に加工して原発で再び使うこと。プルトニウムと、原発を指す「サーマルリアクター」を合わせた造語。使用済み核燃料を再利用し、放射性廃棄物を減らす「核燃料サイクル計画」の柱で、09年に九州電力玄海原発3号機(佐賀県)で初導入された。その後、四国電力伊方原発3号機(愛媛県)、東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発3号機(福島県)にも導入された。
民主党政権は確かに出来は悪い。
しかし、反省なき自民党が政権に復帰する資格はないと、私は思います。
自民党はいまだ原発推進 「反省だけしても仕方ない」 野田毅、甘利明、細田博之ほか懲りない面々
自民党 原発推進派議員の暴走開始! エネルギー政策合同会議のお笑い
与謝野馨「原発事故は神様の仕業」 中曽根・小泉・安倍自民党原発推進議員人脈 地下式原発議連のお笑い
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自民党の「総合エネルギー政策特命委員会」は11日、党本部で過去のエネルギー政策を検証するための意見聴取を開始した。
初日は党のエネルギー政策を主導してきたとされる野田毅党税制調査会長、甘利明元経済産業相、細田博之元官房長官らが出席し、原発に批判的な議員と激しく応酬する場面もあった。
野田氏らは「資源小国の日本で、電力を確保し、コストを削減するには原発を進めるしかなかった」と述べるなど、原発推進という従来の政策への理解を求めた。これに対し、「核燃料サイクルが破綻しているのに、なぜ方向性を変えなかったのか」(柴山昌彦衆院議員)、「100%の安全はないのに神話を作ってきた」(石井みどり参院議員)などの批判が相次いだ。
細田氏は「甘かったこともたくさんあるが、反省しても仕方ない。今の政権にも追及すべきことばかりある」と反論したが、河野太郎衆院議員は「まず自民党がやってきたことを明らかにするのが先決だ」と述べ、党の従来のエネルギー政策の非を認めるべきだと指摘した。
原発の地下建設推進、議連発足へ 与野党党首ら超党派
2011年5月21日0時59分 朝日新聞
4人の首相経験者や与野党党首が顧問に名を連ねる「地下式原子力発電所政策推進議員連盟」が31日に発足する。表向きは勉強会だが、名前を連ねるベテランの顔ぶれから、大連立や政界再編に向けた布石との臆測も呼びそうだ。
議連の顧問には民主党の鳩山由紀夫氏、羽田孜氏、自民党の森喜朗氏、安倍晋三氏の首相経験者のほか、谷垣禎一総裁、国民新党の亀井静香代表らが名を連ねた。たちあがれ日本の平沼赳夫代表が会長に就いた。
地下式原発は地下に建設される原発。事故の際に容易に地下に封じ込められる利点があるという。三木内閣当時に検討が始まり、1991年に自民党内に勉強会が発足していた。
自民 原発推進派はや始動 「原子力守る」政策会議発足
2011年5月5日 朝日新聞 朝刊4面
東京電力福島第一原発の事故に収束のメドが立たない中、国策として原発を推進してきた自民党内で早くも「原発維持」に向けた動きが始まった。原発推進派の議員が集まり、新しい政策会議を発足。「反原発」の世論に対抗する狙いだ。
この会議は「エネルギー政策合同会議」。自民党内の経済産業部会、電源立地及び原子力等調査会、石油等資源・エネルギー調査会の三つを合体させた。電力需要対策とエネルギー戦略の再構築の検討を目的に掲げるが、党幹部は「原発を守るためにつくった」と明かす。
幹部には原発推進派が名を連ねる。委員長は元経済産業相の甘利明氏。旧通産省(現経産省)出身の細田博之元官房長官が委員長代理、西村康稔衆院議員が副委員長に就いた。先月12日の会合では、幹部陣の隣に東電の元副社長で現在は東電顧問の加納時男・元参院議員が「参与」として座った。
甘利氏は「安易に東電国有化に言及する閣僚がいる」と指摘する資料を配布。会議後に河野太郎衆院議員が「原発推進派が並ぶ人事はおかしい」と抗議したが、認められなかった。
自民党は中曽根康弘元首相らを中心に「国策・原子力」の旗を振ってきた。1955年、研究と開発を進める原子力基本法を制定。74年に「電源三法」を制定し、立地自治体に手厚く補助金を出してきた。電力業界は資金と選挙で自民党を支援。電力各社でつくる電気事業連合会(電事連)は80年代前半から11年間で約65億円を党機関紙の広告費として自民党に支払った。
谷垣禎一総裁は震災後の3月17日の記者会見で「現状では、原発を推進していくことは難しい状況」と述べたが、1週間後には「安定的な電力供給ができないと製造業など維持できるのかという問題もある」と軌道修正した。党内では「推進派から反発されたため」と受け止められた。
会議は大型連休後、中長期のエネルギー戦略の議論を始める。甘利氏は「我々は市民活動家ではない。膨大なコストや不安定を覆い隠し『自然エネルギーで何とかなる』と言うのは無責任だ。現実問題として原子力を無くすわけにはいかない」と言っている。(渡辺哲哉、土佐茂生)
原子力の選択肢を放棄するな
東電顧問・元参院議員 加納時男氏
2011年5月5日 朝日新聞 朝刊4面
地元が要望 雇用に貢献
──福島の現状をどう感じていますか。
「東電出身、元国会議員として二重の責任を感じている。インターネット上で『お前は絞首刑だ』『A級戦犯だ』と書かれてつらいが、原子力を選択したことは間違っていなかった。地元の強い要望で原発ができ、地域の雇用や所得が上がったのも事実だ」
──原発推進のため国会議員になったのですか。
「そうではない。当時財界と自民党との間に溝があり、経団連は財界の声を反映させたかった。特定の業界のために仕事をしてきたわけではない」
──電力会社役員から個人献金を受け、自民党が原子力政策に甘くなったことは。
「お金をもらったから規制を緩くしたとか、そんなことはない」
──河野太郎氏は「核燃料サイクル」政策は破綻していると主張しています。
「反原発の集会に出ている人の意見だ。自民党の意見になったことはない。反原発の政党で活躍すればいい。社民党に推薦しますよ。福島瑞穂党首は私の大学の後輩だから」
──今後も原発を新設すべきでしょうか。
「太陽光や風力というお言葉はとってもロマンがある。しかし、新増設なしでエネルギーの安定的確保ができるのか。二酸化炭素排出抑制の対策ができるのか。天然ガスや石油を海外から購入する際も、原発があることで有利に交渉できる。原子力の選択肢を放棄すべきではない。福島第一原発第5、6号機も捨てずに生かす選択肢はある」
低線量放射線、体にいい
──東電の責任をどう考えますか。
「東電をつぶせと言う意見があるが、株主の資産が減ってしまう。金融市場や株式市場に大混乱をもたらすような乱暴な議論があるのは残念だ。原子力損害賠償法には『損害が異常に巨大な天災地変によって生じたときはこの限りではない』という免責条項もある。今回の災害があたらないとすると、一体何があたるのか。全部免責しろとは言わないが、具体的な負担を考えて欲しい」
「低線量放射線は『むしろ健康にいい』と主張する研究者もいる。説得力があると思う。私の同僚も低線量の放射線治療で病気が治った。過剰反応になっているのでは。むしろ低線量は体にいい、ということすら世の中では言えない。これだけでも申し上げたくて取材に応じた」
◇
1935年生まれ。元東京電力副社長。98年参院選比例区で日本経団連が支援する「財界候補」として当選、2010年まで2期務めた。現在は東電顧問。
保安院解体求める声=自民は歯切れ悪く-電力やらせ問題
経済産業省原子力安全・保安院が、原発推進に肯定的な発言をシンポジウム参加者にしてもらうよう中部電力などに指示していた問題は29日、政界に波紋を広げた。自民党は政権与党当時の不祥事発覚に困惑しており、幹部らは記者会見などで歯切れの悪い受け答えに終始。与野党で原子力行政の見直し論議が勢いづくのは確実で、国会での攻防にも影響を与えそうだ。
自民党の逢沢一郎国対委員長は同日の会見で、「やらせ」指示について「今初めて耳にする。事実であるとすれば大変遺憾なことだ」と述べるにとどめた。小池百合子総務会長は会見で記者団から質問を受けたものの、「確認してからということで答えとさせていただく」と、コメントを避けた。
自民党と連立を組んでいた公明党の斉藤鉄夫幹事長代行は、取材に対し「政府は堂々とシンポジウムで議論を戦わせるべきだった。原子力行政に対する不信感がさらに高まってしまう」と懸念を示した。
一方、民主党の安住淳国対委員長は会見で「政官業の癒着と野党時代に言っていたが、まさにその証明だ」と指摘。「厳しく処断しないといけない。そんな保安院なら解体しろと言いたい」と語気を強めた。政府高官も「本当にあほだ」と吐き捨てるように語った。
「脱原発」を党是とする社民党の福島瑞穂党首は会見で「保安院は規制する立場であるにもかかわらず、実は推進官庁だった。存在そのものが問題で、(経産省から)分離すべきだ」と強調。共産党の市田忠義書記局長も取材に「規制機関がやらせまで依頼して、推進していたことには怒り心頭だ。国会に責任者を招致して真相を明らかにすべきだ」と、国会で徹底追及する考えを示した。
みんなの党の渡辺喜美代表は「原発を維持存続させるため、非合法とも言える『上から目線』の統制が行われてきた典型例だ」と指弾した。(時事通信 2011/07/29-19:35)
新興国の政治状況がインターネット情報の動きで、エジプトのムバラク大統領を追放できたように、一国の政局に重大な変更を働きかけた結果として把握するのも、成る程と改めてIT情報革命の時代に、想いを馳せました。
それでは、この原子力規制の制度改革が、スムースに行くかとなると、之はまた全く次元の異なる課題なので、簡単には行かないのでしょう。
ここで思い出したのですが、現在、ベストセラーの経産省大臣官房付きとなっている、古賀氏に対し、事務次官が退任を示唆したと報道されています。
本人も同様に、テレビ番組、その他の紙面でこの事実を認めているようです。
その著書を読む限りでは、原子力・核エネルギー資源などの問題と、密接な関連性を持っているとのことでした。
この度の次官辞任に伴って、その「解職を求める者が居なくなれば、また人事の動きも変わる可能性がある」のではと、他人事ですが気になります。骨のある働き盛りの上級職公務員に、このような世紀的な国難の場面で、是非とも全力を発揮してもらいたいですからね。
日本社会は、肝っ玉が小さいというか、異なった意見、ないし考え方の人を、直ぐに排斥してタブー視する非常に強い傾向がある。島国、山国の特性でしょうか。
特に、原子力村の部局へ利権と権限を集め、ご指摘のように国策の強力な推進策を、強行し来たのでしょう。
その意味から、これは、他人事で済まない
という、コダワリの感想を否めない。
しかし、gooブログだけで160万を超えるブログがあり、日本全体では2000万は超えるのではないでしょうか。
その総体は大きな力があると思います。圧倒的にウヨクブログが多いので、右も左も一致できる問題については。。。ですが。
本件ブログの「やらせ利権癒着の構造」指摘で、遂に海江田経産省大臣が自ら辞任を表明し、併せて同省の事務次官と外局の資源エネルギー庁長官を、解任すると表明した。
ところで、その総括権限を有する責任者が、もう一人いて、菅直人内閣総理大臣ですが、同様に責任を取って、お辞めにならなけれならないのでは?これは、未だでしょうか、、、
この事案では、ray様のブログ情報記事が、何たって秀抜で、的確に事実関係を抑え、もう繰り返さないが、本件原発・核燃料施設の廃止、利権構造の癒着問題に係る、右の辞任劇に、相当のインパクトを齎したので、その的確な着眼点に改めて敬服した!(ウーン、さすが)
そして、原発の「安全性を国民の立場でチェックしなければならない保安院が、逆に推進する側のお手伝いを超えた形を取っている。これは根本的な問題だ」と述べ、首相が経産省から保安院を分離する政府方針の意義を、聴衆へ強調した。
しかし、民主党も07-09年の3年間に、電力総連、電力各社の労働組合で作った政治団体などは、献金、パーティ券購入、会費で、少なくとも1億1108万円の政治献金提供事実を、31日付け共同通信が調査して発表した。
その民主党へ寄付した提供先には、岡田克冶幹事長、川端達夫前文部科学相らを含む、合計33名の国会議員の名簿が並ぶ。これは、シーザーが「ブルータスお前もか?」と言ったように、「民主党よお前もか?」と言わざるを得ない。 すなわち、原発を推進する構図が、自民党側に対しては、電力会社役員の個人献金による資金提供として、また民主党へは労組側が寄付資金を集中する形で、自民と民主両党を通じ、政界に影響力を強めた実態を、浮き彫りにした経緯である。
その詳細を、共同通信の記載記事によって、以下で一覧すると;
先ず、電力総連の政治団体「電力総連政治活動委員会」や、電力各社労組の関連団体による07-0、9年分政治資金収支報告書の閲覧結果は、07年の総額が5195万円と最高であり、09年3774万円、08年2139万円であった。
その政治資金提供先は、最も金額の多いのが、小林正男夫厚生労働政務官の計4013万円。 その次には、藤原正治前参院経済産業委員長の計1000面円で、これら両氏は電力総連の出身議員である。
なお、原子力行政を担う文科省や電力会社所管の経産省に関係の深い議員らも、当然ながら政治資金提供を受けた上位を、占めている。
すなわち、電力総連の政治団体などは、文科相を務めた川端氏が代表の民主党滋賀県第1区総支部や政治資金管理団体から、07-09の3年間に188万円のパーティ券を、購入している。
また、中山義活経産省政務官を務める民主党東京都第2区総支部や選挙管理団体から、計510万円の政治献金を受け取っていた。
さらに、民主党が野党時代に「次の内閣」で副経産相であった吉田治衆院議員の関連団体も、3年間に510万円を受領した。
そして、現幹事長の岡田氏は、66万円。大畠章宏国土交通相に36万円。江田五月法相へ、野田佳彦財政相・松本剛明外相へ各5万円。高木義彦文科相に3万円。
なお、民主党本部、府県連に対し、計1073万円を拠出している。
四国電力によると、2006年4月の保安院からの要請後、伊方発電所総務グループなどの課長級社員らが動員方法などを決めた。
また、作成した例文を提示して、同発電所の課長級2人と関連会社の8人、地域団体の住民19人に質問を頼んだ。当日は社員2人を含む10人が発言。社員の1人の質問にはオブザーバー参加したこの元副社長が答え、安全性を強調していた。
(2011年8月1日08時44分 読売新聞)
朝日新聞
経済産業省が主催した佐賀県民向けの説明=6月26日、佐賀市、資源エネルギー庁提供
九州電力の「やらせメール」問題で、佐賀県の古川康知事は30日、記者会見を開き、玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)2、3号機の運転再開を巡る国の説明番組放送前に、九電副社長らに「この機会に再開容認の声を出すべきだ」と促していたことを明らかにした。この問題を調査している九電の第三者委員会は同日、知事の発言が結果的にやらせメールを引き起こしたとの見解を発表した。
古川知事によると、番組放送5日前の6月21日朝、段上守副社長(当時)が退任あいさつのため知事公舎を訪問し、諸岡雅俊・原子力発電本部長(同)と大坪潔晴・佐賀支社長も同席した。その場で知事は「運転再開の議論を深めるには賛成、反対双方の幅広い意見を寄せてもらうことが必要。自分の所に来るのは反対意見ばかりだが、電力の安定供給の面から再開を容認する意見を出すことも必要だ」と話したという。
ただ、会見では「やらせメールを依頼したことは全くない」「九電として何かをやってほしいという意味ではなかった」などと述べ、具体的に番組への賛成メールを増やすようなことは求めていないとした。
九電の調査報告書によると、(知事と会談した)幹部3人は直後に番組について協議し、賛成の投稿を増やす必要があるとの認識を共有。大坪支社長から対応を指示された佐賀支社の3部長が賛成メールを投稿するよう支社の取引先26社に働きかけることを決めた。
30日夜に福岡市で記者会見した第三者委の郷原信郎委員長(名城大教授、弁護士)によると、大坪支社長が作成した古川知事との会談メモには、知事の発言として「インターネットを通じて、賛成意見も集まるようにしてほしい」と記録されていた。メモの内容は社内の複数の関係者にメールで配信されたという。
郷原委員長は「知事の発言は結果的に、やらせメールの引き金になった」と述べた。ただ、メモの発言内容は古川知事自身の説明と食い違い、番組へのメール投稿を、より明確に求めた表現になっている。この点について第三者委は今後、事実確認を進める方針。
古川知事は会見で「当事者である九電に『声を出すべきだ』と発言したのは軽率で、反省している。私が言ったから(やらせメールが)行われたとは考えていない。第三者委による事実関係の解明を待ちたい」と述べた。
7月6日に、やらせメールが発覚した際には、古川知事は「原発の運転再開に理解を、という思いからだと思うが、行き過ぎだ」などと話していた。
この問題は至極単純でして、先進工業国でも日本の電力会社だけが、第二次世界大戦の戦後、60年間にわたって、相変わらず地域独占の企業体となって来た。
之の点を変えない限りは、絶対に抜本的な被爆事故の原発施設爆発再発を、防ぐことはできません。
その上に、福島原発事故が齎した、最低でも4兆円、最大では10兆円とも予測されている、この国際的に誰知らぬ者のないFUKUSHIMA原発被爆事故損害賠償費用を、次回の同様な原発事故被爆によって、払い続けなくてはならない。
これは、全く愚かなことで、耐えられない!
要するに、自民党を始めとする保守政権の中央集権により、政府と地方公共団体の都道府県、市町村らを、中央政府の官僚組織である各省庁が統制して、全国を約十電力の会社に分けた地域の独占体制となって、その上に発電と送電の一体化で電気料金を高く供給し、その結果として”全体を総括した電力経費の原価主義”を採用してきた。
さて、この経営方法によれば、企業会計経費の原価である、労働力の人件費、エネルギー資源の燃料費、電力発電施設の建設と修理など維持経費などに、一定の利益率を上乗せする利潤の加算によって、最終的に供給する電力料金を計算する会計方式だ。
この方式は、利益を上げるためには原価のコストを増やすという、一般的な資本主義経済の原則に全く反しt、民間企業ビジネスの経理会計方式と逆転するところの、市場経済のやり方に全く倒錯する独占形態の経営体質であった。
お分かりですか?
すなわち、市場価格に沿って、初期の経営にかかる経費の原価を下げ、その結果として利潤を生み出すという、一般の市場経済における経営の経費算定方式に、逆転したことが平然として行われて来たのです。
ほとほと、60年間にもわたり、これを耐えてきた国民、市民、企業経営者らは、「なでしこ女子サッカー優勝」と似て、我慢強いけれども、あんまり賢くはなかったね、、、
その経営体の経費算定の中で一番に、典型的な総括原価モデルとなっていたのが、他ならぬ原子力部門の原発部局だったのでした。
こうして、日本電力会社の電気料金は、何時まで経っても先進工業国の二倍という、世界最高の料金体系だったのです。
ところで、これを是正して行くためには、どうしたら良いのだろうか?
その答えは、大変に簡単でして、”電力の自由化”以外には、絶対あり得ないのです
では、「電力の自由化路線」とは何か?
従来の今次大戦下で統制経済の対象となってきた、「経済産業省、資源エネルギー庁、そして全国電力業界の統制政策」を、即時に止めること。色々な電力規制を止めれば、行政の規制撤廃Deregurationによって、その経済政策の結果を直ちに一般の消費者、そして生産業など産業にも、存分に還元できるのです。
全国の電力料金が、一律に現在の半分に値下げできるのです。したがって、社会コストの基幹部門で半額となれば、各産業部門で電気料金の低下が齎す低価格化の恩恵を、商業、一般消費にも還元して、もっと豊かで文化的な生活を楽しむことができることが、請け合いです。
これは、”一人びとりが良く考えれば、直ぐにでも実現できる”問題点だから、良く考えてね、、、よそしく。
さて、できるかな?
原発、核燃料などの関係する補助金、交付税、固定資産税、その他税金も、あくまで公共性、公益性を大前提として、地方公共団体が徴収、その他の関係経費を収入とすることができるのが、道理であろう。
こうして、地方公共団体予算に収益として地方財政法第8条に基づく、良好、適正、効率の高い財産管理が可能となる。
しかし、今回の福島原発被爆事故のように、社会的に生命財産、人格権の人権保障を侵害する、放射能被爆の甚大な罹災を齎す場合、到底、公共、公益のための文明の利器として、電力供給業務を社会的に遂行していると、言くことはできない。
国、政府、東京電力などの電力会社などに、原発被爆の責任を全て負わせるのではなく、地方公共団体の都道府県、市町村らも、同様に公共、公益の法人として、自ら責任を負担しなければならない。
こうした視点も、今後、被災を検証する過程のなかで、再検討すべき重要な課題である。合理的説明を要する、新しい視点のテーマとして、いずれ問題提起を要するのでこの際、指摘した次第である。
この点を、従来、原発訴訟の中で第一号法定受託事務の財産管理監査を、やって来なかった。
この問題は、今回の「やらせメール問題」、安全・保安院による公聴会関連指示などと、密接な関連性を持っているに、違いないと考えられます。