一部にはあからさまな検閲をすり抜けた報道も

 
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パナマ市にある法律事務所モサック・フォンセカの本社 PHOTO: ZUMA PRESS

 世界中の著名人に関連するオフショア口座の詳細が記された文書が暴露された問題で政治的影響が拡大するなか、中国は共産党幹部に対する調査が国内に波及しないことを確実にしようと努めている。

 いわゆる「パナマ文書」に関する報道が3日に出て以来、中国メディアは習近平国家主席を含む共産党幹部の親類が管理するオフショア資産の発覚について、ほとんど無視している。中国はこの文書に関する報道やソーシャルメディアでの言及を検閲で抑制しているものの、その取り組みは不完全のようだ。

 報道によると、中国共産党の最高意思決定機関である中央政治局常務委員会の複数の現旧メンバーの親類がこの文書で言及されている。この文書にはパナマの法律事務所モサック・フォンセカから流出した電子メールのほか、財務諸表や企業記録が含まれている。

 また、「国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)」を含む100以上の報道機関の検証よると、文書に記されていた中国当局者には習国家主席のほか、李鵬元首相、賈慶林・元政治局常務委員などが含まれていた。検証に加わった英BBCは現在の中央政治局常務委員である張高麗氏と劉雲山氏の親類が同文書で言及されていると指摘している。

 共産党中央委員会の機関紙、人民日報も国営の中国中央テレビ(CCTV)もパナマ文書について報じていない。国営新華社は暴露された文書に関連し、これまでのところ法的根拠のない金銭授受を理由に活動停止処分を受けている欧州サッカー連盟(UEFA)のミシェル・プラティニ会長のコメントを詳細に伝えているだけだ。

 中国の民営ニュースポータルサイトのいくつかは、中国人以外に対する疑惑に焦点を絞ってパナマ文書を報じた。そうした人物にはロシアのプーチン大統領やキャメロン英首相などが含まれているが、中国の政治家に関連する詳細には触れていない。

 こうした記事の多くはその後、アクセスできなくなっているが、あからさまな検閲をすり抜けた報道もいくつかある。例えば、サッカーのアルゼンチン代表リオネル・メッシ選手による脱税の疑いについて大まかに書かれた記事などだ。同選手は疑惑について否定している。

 百度(バイドゥ)をはじめとする中国のインターネット検索エンジンは「パナマ文書」という語の検索をブロックしている。ただ、「パナマ・リークス」といった関連用語を使えば検索結果が表示された。

 ミニブログ「微博(ウェイボ)」に対する検閲も不完全のようだ。政府による検閲を監視できるウェブサイト「FreeWeibo(自由微博)」によると、パナマ文書に関連する投稿の多くが削除されているが、ウォール・ストリート・ジャーナルが調べたところ、4日午前の時点では、パナマ文書に直接言及する微博への書き込みの多くが見つかった。

 

 

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