心のふるさと「伊勢の神宮」と神道のあれこれ@れーじん

日本人の心のふるさとといわれる伊勢の神宮。
伊勢国のれーじんが伊勢の神宮や神道、それに関連することをお伝えします。

豊受大神宮32 ~風宮<かぜのみや>1~

2016-05-01 23:50:52 | 神宮
土宮<つちのみや>の次は、風宮<かぜのみや>にお詣りしましょう。


風宮も土宮同様、豊受大神宮の別宮です。
ご祭神<さいじん>(=お祀りされている神様)は、風の神である級長津彦命<しなつひこのみこと>と級長戸辺命<しなとべのみこと>です。
農作物の生育に重要な風雨(天候)をつかさどる神様です。
なお、この2柱の神様は、皇大神宮(内宮)域内にある別宮、風日祈宮<かざひのみのみや>でもお祀りされています。
 ※ 「柱<はしら>」は神様を数えるときの単位。
   1柱<ひとはしら>、2柱<ふたはしら>……と数えます。

風宮は、昔は「風社<かぜやしろ>」とよばれた小さなお社で、社格は末社でした。
鎌倉時代の弘安<こうあん>4年(西暦1281年)、蒙古襲来(元寇)のときに祈祷を行ったところ、暴風雨が起こり元軍は撤退しました。
このことから、神風を起こし国難を救った神様として、正応<しょうおう>6年(西暦1293年)、別宮に昇格しました。
内宮の風日祈宮も同様に、「風神社」とよばれる摂社から別宮に昇格しています。
黒船来航など再び国難に襲われた幕末の文久<ぶんきゅう>3年(西暦1863年)には、朝廷の主導で英国軍艦を追い払うための攘夷祈願が15日間行われました。
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