朝、お部屋のドアを開けると、お姫様がイライラしているのを、ジルがなだめていました。
「そう、ご友人のことを悪口言ってはいけませんよ」
「だってだって、夢で……」
ぐすんと涙ぐむお姫様に、ジルは
「そうそう会えないのですから」
と言っていました。
「おはようございます」
ケイトはお部屋に入って、いつもの位置に立ちました。
「ケイト、お姫様をお庭に連れていってあげてくれないかしら?」
「は、はい。わかりました」
「お姫様、気分転換いたしましょう。わたしはベッドをきちんと直しておきます」
「ん……ケイトとお庭に行くの? ま、まあそうしてあげてもよくてよ」
お姫様はぷいと横を向きましたが、その顔はどこか嬉しがっているような顔でした。
朝日が雫を照らして、眩しいです。昨夜、雨が降ったようです。
「おひい様、秋咲きの薔薇が綺麗でしょうから、行きましょう」
お姫様はこくんとうなずきました。
クリスが薔薇園の手入れをしていました。どうやら、春咲きの薔薇の大苗を植えているようです。
「お姫様、どうぞごゆっくりご覧なさってください」
「――これ。これ、綺麗だわ」
お姫様が指差したところには、橙黄色の薔薇がありました。クリスが
「ああそれは、ブラス・バンドという種類の薔薇です。真夜というあそこの濃赤の薔薇と組み合わせると美しいです」
と説明します。
「本当に綺麗ですね」
ケイトが言います。
「ケイトが好きなのは?」
お姫様が上目使いに訊いてきます。
「そうですね……。この、薄紫色の薔薇が、好きです」
それは真実でこそあれ、いささか嘘でした。
(ショーンならこれが好きそう)
そう突如思った結果でした。
「これはヨハネパウロ2世という真白な薔薇と組み合わせて楽しめます。こちらですね」
「クリス、詳しいのね」
ケイトが褒めると、クリスはこっそりウインクをしました。
「気分転換になったわ。ありがとう」
お姫様が珍しくクリスにお礼を言いました。
「どういたしまして。また、いらっしゃってください」
そして、クリスはお姫様が余所を向いたとき、
「今夜ローザの部屋に行ってもいいか訊いてきて」
と囁きました。ケイトはよく分からずにうなずきました。
あとでローザにそのことを伝えたとき、ローザが真っ赤になって怒ったことはいうまでもありません。
――――
☆万梨羅さんへ☆
いつも感想ありがとうございます!
読者さんがいてくれて本当に嬉しいです。
あの……(,,Ծ‸Ծ,,)
どのキャラがお好きでしょうか?
「そう、ご友人のことを悪口言ってはいけませんよ」
「だってだって、夢で……」
ぐすんと涙ぐむお姫様に、ジルは
「そうそう会えないのですから」
と言っていました。
「おはようございます」
ケイトはお部屋に入って、いつもの位置に立ちました。
「ケイト、お姫様をお庭に連れていってあげてくれないかしら?」
「は、はい。わかりました」
「お姫様、気分転換いたしましょう。わたしはベッドをきちんと直しておきます」
「ん……ケイトとお庭に行くの? ま、まあそうしてあげてもよくてよ」
お姫様はぷいと横を向きましたが、その顔はどこか嬉しがっているような顔でした。
朝日が雫を照らして、眩しいです。昨夜、雨が降ったようです。
「おひい様、秋咲きの薔薇が綺麗でしょうから、行きましょう」
お姫様はこくんとうなずきました。
クリスが薔薇園の手入れをしていました。どうやら、春咲きの薔薇の大苗を植えているようです。
「お姫様、どうぞごゆっくりご覧なさってください」
「――これ。これ、綺麗だわ」
お姫様が指差したところには、橙黄色の薔薇がありました。クリスが
「ああそれは、ブラス・バンドという種類の薔薇です。真夜というあそこの濃赤の薔薇と組み合わせると美しいです」
と説明します。
「本当に綺麗ですね」
ケイトが言います。
「ケイトが好きなのは?」
お姫様が上目使いに訊いてきます。
「そうですね……。この、薄紫色の薔薇が、好きです」
それは真実でこそあれ、いささか嘘でした。
(ショーンならこれが好きそう)
そう突如思った結果でした。
「これはヨハネパウロ2世という真白な薔薇と組み合わせて楽しめます。こちらですね」
「クリス、詳しいのね」
ケイトが褒めると、クリスはこっそりウインクをしました。
「気分転換になったわ。ありがとう」
お姫様が珍しくクリスにお礼を言いました。
「どういたしまして。また、いらっしゃってください」
そして、クリスはお姫様が余所を向いたとき、
「今夜ローザの部屋に行ってもいいか訊いてきて」
と囁きました。ケイトはよく分からずにうなずきました。
あとでローザにそのことを伝えたとき、ローザが真っ赤になって怒ったことはいうまでもありません。
――――
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あの……(,,Ծ‸Ծ,,)
どのキャラがお好きでしょうか?