鳩山由紀夫さんが原発反対のデモに参加

イラン訪問も相当にびっくりしましたが、さすがにこれにはぶったまげました。
なんでも、デモ隊の方と「思いは同じ」だそうで。

大飯原発再稼働は野田首相が決めたこと、それを同じ民主党の元首相が、反対デモにまで参加する。
でも、問題は、そんな簡単な話ではありません。
鳩山さんといえば、０９年の首相当時、国連で「２０２０年までに温室効果ガスを１９９０年比で２５％削減する」と公約し、世界の喝さいを浴びるとともに、日本を唖然とさせたその人です。
これを達成するために、原発９基を新設し、原発比率を４０％にまで持っていく、そういう行程表になっていました。

これが民主党のマニフェストであればどうってことありません。
単にマニフェストが不慮の事態により実行できなくなったと、今はエコより原発廃止だと説明し、それを国民が納得すれば良い話です。
でもこれはそうではない。
首相が選挙で落選しようが、自民党が与党に復帰しようが、日本として守らなければならない国際公約です。

国際公約を撤回できるのか、原発抜きでこの目標を達成することは可能なのか、もし可能なのであれば、どれ程の税金をつぎ込まなければならないのか、いずれにしても、後の政権に重すぎる外交課題を残してしまった軽挙であったことは間違いありません。

その本人が、言うに事欠いて原発反対デモ！？
野田首相は、二重の意味ではらわたが煮えくりかえっているのではないでしょうか。
ここまで来ると、政治家として、とか、人としてどうこうという以前に、現実を現実として連続的に捉えられないというか、空想と現実の区別がつかないというか、そういう類の疾患なのかなと思ってしまいます。
ご病気なのであれば、とりあえず一線を退いて、療養に専念されるべきです。

民主党、小沢さんは離党されました。
企業に例えれば、辣腕の元社長が権力抗争に敗れ、腹心とともに退社して会社を設立した、そんなところでしょうか。
でも、鳩山さんはどう例えればいいのでしょうか。
退社した元社長と刎頚の友の元会長が顧問として会社に残っていて、ことごとく新社長の方針に反対しては放埒の限りを尽くし、会社に多大な迷惑をかけている、そんなところでしょうか。
ま、民主党設立時の資金は、お金持ちの鳩山家のポケットマネーから出ているのでしょうから、元会長というよりも、オーナー、スポンサーに近いのかもしれません。
だから辞めさせられないのでしょう。

江戸時代でも、殿がご乱心した時は、家老がこれを押し込めて、新しい殿を立てることが許されていました。殿その人よりもお家の方がが大事ですから。
まして鳩山さんはもう殿ではない、ご隠居です。
もしかしたら、「黄門様」のつもりになっているのかもしれませんけど、もう、良いかげんに印籠をを取り上げないと。