アベノミクス第4の矢「ロボット革命」 アトム、ASIMO…生活・仕事に普及「元年」
政府が今年1月、閣僚や企業経営者らによる会議で策定した「ロボット新戦略」。医療・介護や農業などの現場でロボット活用を促すことを柱とする国家戦略だ。国内ロボット市場を5年後に2兆4千億円と現状の約4倍に引き上げる目標を掲げた。
また、医療・介護の現場で、介助者の負担を軽減するロボットの承認審査の短期化などの必要性を指摘したほか、民間企業の研究・開発を後押しする国の役割も提示。政府がロボットだけを対象に長期戦略を策定したのは初めてで、市場が拡大する「ロボット革命元年」の期待がかかっている。
東洋初のロボット「学天則」…今も大阪に鎮座
昭和3(1928)年に大阪で作られた東洋初のロボットが「「学天則」だ。動力には圧縮空気を活用し、腕を自動的に動かせたほか、まぶたを閉じたり、ほおを膨らませたりして表情を変えることもできた。
チェコの作家が「ロボット」という概念を提唱した後に、生物学者の故・西村真琴氏が製作。国内外の博覧会に出品され話題を集めたが、製作後しばらくして行方が分からなくなった。
近年、大阪市の予算で、市立科学館(同市北区)の学芸員らが1年がかりで当時の学天則を再現したレプリカを製作。平成20(2008)年7月から同館で一般公開されている。
ホンダの夢が飛んだ…ASIMO
ホンダが平成12年11月に発表した人間型二足歩行ロボット「ASIMO(アシモ)」。サイズは、身長130センチメートル、重さ48キログラム。歩行、走行、片足でのジャンプを連続で行えるなど高い運動能力を誇り、手話もできる。
歩行制御技術をはじめ、次の動作を予測して重心をあらかじめ移動させながら動くシステムも導入。また、複数のセンサーで周囲の状況を把握でき、人や物にぶつからないように前進する。
原子炉建屋内の調査を担うロボットにもASIMOの技術が生かされている。国内外で知名度が高く、訪日したオバマ米大統領らを出迎え、喜ばせた。
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さまざまなニュースの中でも、読者の関心が高い注目ニュースを“産経新聞記者”の「難波太郎」「花園美樹」を主人公キャラクターとしたマンガ仕立てで解説します。 (漫画・清水浩二)
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