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世界最小クラスの恐竜卵 丹波で発掘の化石 

2015年06月30日 | ニュース

世界最小クラスの恐竜卵 丹波で発掘の化石 

新種の恐竜卵殻化石の親とみられる獣脚類恐竜の復元想像図(?服部雅人


 兵庫県立人と自然の博物館(同県三田市)は29日、同県丹波市の白亜紀前期(約1億1千万年前)の地層で発見された卵の殻の化石約90枚について、5種類に分類され、うち1種が新種の恐竜のものと判明した、と発表した。同日出版の国際学術雑誌「クレタシアス リサーチ」電子版に掲載され、学名は卵の殻の模様にちなんで「ニッポノウーリサス・ラモーサス」と認められた。国内で発掘された恐竜の卵の化石で学名が付くのは初めてという。

 同じ地層では平成18年8月に、大型の草食恐竜「丹波竜」の化石が発掘されている。同博物館は平成19年から同地層の発掘調査を行っており、これまで数ミリ~1センチの卵の殻の化石約90枚を発掘。昨年1月から、恐竜の卵を研究するカナダ・カルガリー大大学院の田中康平さん(29)と共同で研究を進めていた。

 今回の研究で、約70枚の化石が、いずれも日本では未発見の5種類の小型恐竜か鳥類とされる卵の化石に分類された。同地層からは6種の恐竜の化石が見つかっているが、いずれも親ではなく、別の恐竜が住んでいたことが明らかになったという。

 また、うち1種について、表面や断面の構造から、新属新種の恐竜の卵と判明。表面の筋状の模様から、「日本の枝分かれした卵の石」を意味する「ニッポノウーリサス・ラモーサス」と学名がつけられた。

 新種の卵は殻の厚さが約0・4ミリで、鶏卵よりもやや大きく、重さは約100グラムと推定される。明確に恐竜とわかる卵としては世界最小級という。親の恐竜は二足歩行で、体重約15キロ、中型犬程度の大きさと推定されるとしている。

 田中さんは「恐竜の生態や進化の研究につながる。数ミリの小さな化石だが、非常に大きな発見」。北海道大総合博物館の小林快(よし)次(つぐ)准教授(古生物学)は「(発見された場所に)多様な恐竜が生きていた証拠。小型恐竜がどのように子孫を残していたか考える上で、世界的にも重要な発見だ」と評価している。

 化石は7月21日~8月31日、人と自然の博物館で展示される。

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