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お父さんは人間だけど?動物園で生まれた鳥

2015年03月10日 | ニュース

お父さんは人間だけど?動物園 で生まれた鳥、レアのザズさんはこんなに大きくなっても人間のお父さんにどこまでもついてくる(イギリス)

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 イギリスのデヴォン州スパークウェルにあるダートムーア動物園で、1匹の鳥が飼育員さんの手の中で孵化した。その鳥は、ダチョウ に似た大型の走鳥類「レア 」である。


 すっかりインプリンティングされてしまったレアのザズ。この飼育員、コリン・ノースコットさんを完全に親だと思い込み、体長1.5メートルとなった今でも、ちょこちょこ後をついてくる。構内を見回っている時も、スタッフミーティングの時も、食堂にまでついてくる。

 ザズはノースコットさんの脇腹をくちばしでつついたり、小鳥の頃に自分が包まれていた洋服を引っ張ったりして、気をひこうとする。

 そんなザズのしぐさは、ダートムーア動物園でスターの座を獲得しつつあり、そのおどけた仕草でいつも来園者達を楽しませている。

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 ノースコットさんの方も、モコモコ小さかったザズがすくすくと、どでかく成長していくのを、優しく見守っている。

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 ザズの誕生から成長にはそれなりの困難もあったという。「私達はほとんどザズの事を諦めていたんだ」。とノースコットさんは語る。「これまで、何度も孵化に失敗していたし。レアという鳥は、養殖が難しい種でね。沢山ある卵の中から、ダメそうなものを選別して、捨て始めていたんだ。」、そんな最中、「ザズの卵を持っている時、ちょうど殻が割れ始めて、内側からかすかな鳴き声が聞こえてきたんだ。」

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 ディズニーのライオンキングに出てくるキャラクターにちなんで名づけられたザズは、直感的にノースコットさんから何かを感じ取り、完璧な父親像として彼を認めたようだ。

 野生でも、小鳥たちの面倒を見るのは父鳥である。ノースコットさんは何日間か、生まれたばかりのザズを家へ連れて帰って、食べ方を教える為に、自分の手をくちばしに見立て、成鳥が食べ物をつつく動作を真似てみた。1日で食べ方は覚えたというが、動物園にいる他の7匹のレア達と一緒に囲いの中へ入れてしまうには、すこしひ弱すぎた。

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 その代わりに、この雛鳥は期間限定でトナカイ達と一緒に暮らすことに。トナカイは新しい同居者がいてもさほど気にしないからだ。何週間かのうちに、ザズはレアの檻へ移動させられるまでに成長した。その際、ノースコット氏は白いタオルを羽に見立てて、ザズをレアの檻まで誘導したそうだ。

 「まるで初めて保育園に子供を預ける時のような心境だった。」とノースコットさんは言う。「彼を1人にするのは辛かった。歩き去ろうとする度に、彼が走ってついて来るような気がして。早く親離れさせてやらないといけないのは分かっていたのだが。彼は彼の仲間と共に生きるべきなんだと。」

 ザズは今では生後18ヶ月になり、レアの群れの中では一人前の成鳥となっているのだが、いまだに父親との園内散歩を楽しんでおり、動物園中の注目を集めている。

 「私はザズが大好きだ。彼はとっても特別なのだ、けれども他の思春期の若者のように、たまにとても手が焼けることだってある。特におしりを突かれたりしたら痛いのなんの。」

 ザズがまだヒナの頃、ノースコットさんはザズを胸のポケットに入れていたのだが、彼は今でもポケットの中に入りたそうにしているという。「でもザズはしっかりと私の言う事を聞いてくれるんだ。檻の外にいる時はいつもより利口にふるまうし、来園者に対してはとても行儀よく振る舞ってくれる。皆も彼のことが大好きなんだ。皆、彼を見るとびっくりして歓声を上げる。彼は動物園の花形役者だよ。」

 

 

 

 

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