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九州交響楽団の「復活」コンサート

2022年10月08日 | 音楽

2022年10月7~8日に掛けて、アクロスシンフォニーホールで、九州交響楽団の「マーラーの交響曲第2番『復活』」コンサートがありました。

このコンサートは、リニューアルされたアクロスシンフォニーホールに、九州交響楽団が帰って来るという意味での「復活」でもあり、コロナ禍で活動が制限されていた合唱団の本格復帰という意味での「復活」でもありました。

この、伝説になるであろうコンサート、行かなかったら後悔するだろうな。と思いつつも「マーラーの曲は長い」という話もあり、その曲を知らない私が楽しめるのだろうか、眠くならないだろうか、という心配もありました。ですが、やはり行ってきました!

 

会場に着くと、いつもの通り「月間九響」という小冊子を頂きました。予習替わりにそれを読むと、マーラーの交響曲第2番は、

  • 偉大な人の死をもって始まる「第1楽章」
  • 在りし日の思い出に耽る「第2楽章」

と書かれてあり、今のご時世にピッタリだなと思いました。

 

そして、苦しみが表現されている「第3楽章」を経て、合唱団が徐々に台頭してくるのですが、合唱団の方々は、第1楽章から舞台上に控えておられ、出番が来るまで、姿勢を正していらっしゃいました。この合唱団の長い休符が、自由が制限された世界を表現しているようにも思えました。休符も音楽であり、芸術なのだと思いました。

そして「第4楽章」を経て「最終楽章」に向けて合唱団が台頭し、全てを持っていく感じになるのですが、命の輝きや生命力を表現するのに合唱に勝るものはないな、と思いました。

亡くなられた方が「復活する」といえば「生き返る」とか「神様になる」とか「新しい命が生まれる」といったイメージがありますが、大人数になって復活してくるとは、まさかまさかの展開でした。安倍昭恵夫人が「(夫は生前に)沢山の種を蒔いた。それが芽吹く事でしょう」と仰っていたのを思い出しました。

合唱団は、応援多数を含めた大人数の編成でノーマスク。これを実現出来る日が「復活」したのだなぁ… と思うと、感慨深かったです。

 

その一方で、楽器隊はひたすら神々しかった。トランペット首席の松居さんが4段目中央にいて、2段目中央にフルート首席&オーボエ首席コンビ。1段目の最前列にコンサートマスター西本さん。座席の関係上、低音楽器はあまり見えなかったのですが、基本的にフルメンバーでの出演でしょう。そして、長い間空席となっていたクラリネットの首席が決定し、本日がデビュー公演となっていました。

さらに指揮者として、待ってましたの小泉監督(続投ありがとうございます)! そして九響合唱団&オフィシャルパートナー! これぞ九州交響楽団の完成形! 

そこに、なんと50人ものゲスト奏者、ソプラノ歌手の安井陽子さん、アルト歌手の福原寿美枝さんが加わって下さいました。ソプラノは期待通りの素晴らしさ。特筆すべきはアルトでした。テレビでソプラノ歌手はよく見かけても、アルト歌手って、あまり見たことがなかった。これがとても新鮮で、慈愛に満ちた神々しさがありました。

 

マーラーの曲は長い、という声をよく耳にします。ですが、聴き終わった感想としては「第九交響曲」を第1楽章から第4楽章まで通しで聴くのと同じくらい、な感じがしました。ただ、途中でトイレ休憩を挟まず、一気に演奏するのです… そこが「長い」と感じさせる所以なのか、それとも「長いから休憩タイムを作れない」というのが真実なのか。

今回の演奏会、とても素晴らしかったのですが、年末に開催される「第九交響曲」も、同じくらいに素晴らしい。こちらは「第九は毎年聴きに行ってる」とか「もう何度も聴いている」って感じの通なファン向けで、一般的には聴きなじみのある「第九」の方が盛り上がれるでしょう。この感動、今年もう1回来るな、って思いました。

 

 

 


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