来たる2月23日(祝)、福岡サンパレスで開催された、九州交響楽団のコンサート「ジョン・ウィリアムズ特集」に行ってきました。
ジョン・ウィリアムズさんは、存命中の作曲家で「ジョーズ」「スーパーマン」「E.T.」「シンドラーのリスト」「インディ・ジョーンズ」などの映画音楽を手掛けて来られた方です。誰もが耳にした事のある名曲ばかりですが、全て同じ方が作曲されていたという事実は、この企画で初めて知りました。
途中、バーンスタインの「ウエストサイドストーリー」を挟んだほかは、ウィリアムズ尽くしのプログラム構成でした。本来は、原田慶太楼氏が指揮を務められる予定でしたが、コロナ禍での自主隔離の影響で難しくなったらしく、代わりにキンボー・イシイさんが指揮台に立たれました。
以下、個人的な感想です。
ジョーズ:コントラバス軍団がイントロを担当。音階のない打楽器が、無彩色的な効果を醸し出す。来るぞ来るぞ~という雰囲気のまま、余韻を残して終わりました。サメは背ビレしか登場しなかったような。
ジュラシックパーク:サメの話から恐竜の話へ… ですが、おどろおどろしい感じではなく、美しい音楽でした。映画の原作を知らない私には「のび太の恐竜」のラストに出て来る、ピー助が幸せに暮らす楽園の情景が浮かんできました。
インディジョーンズより「レイダース・マーチ」:トランペットの長いソロが聴けて大満足。 本日は金管祭り。
シンドラーのリスト:弦楽器と一部楽器のみの演目。コンサートマスターの西本さんが、ヴァイオリンソロを担当。九響の管打楽器は少数精鋭、弦楽器には(特定1人が目立つというより)全員野球的な魅力を感じていますが、エースはやはり上手かった。魂の込もった演奏でした。
ホルン協奏曲:日本初演との事。福川伸陽さんがソリストを務められました。感想を漢字1文字で表すならば「難」というところでしょうか。余す所なく超絶技巧を披露して下さいました。ホルンって色々な音が出せるんだなぁ。
ウエストサイドストーリー:浅野さんをはじめとするコントラバス軍団の、躍動感あふれるステージングがいい感じ。
スーパーマン:金管楽器の力強さと、高らかに響き渡るトランペットの音色が印象的でした。木管楽器と弦楽器は、澄んだ青空のイメージ
E.T.より「フライング・テーマ」:弦楽器の奏でる美しいメロディが印象的でした。
ハリーポッター:冒頭部分、チェレスタの長いソロが堪能出来、大満足。ファンタジーな世界にいざなわれました。
スターウォーズより「ダースベイダーのテーマ」:鬼気迫るトランペットの音色、威圧感を感じさせる金管楽器の重低音が印象的でした。どよーんとなって終わるかと思いきや…
スーパーマン(アンコール):この展開は、予めプログラムに組み込まれていたようでした。その後も聴衆は指揮者を帰そうとしませんでしたが、楽譜がないらしく、ゴメンね~ というポーズをして舞台から降りられました。何かを手話で伝えようとされており、原田さんファンの方へ向けて、交代になってしまってゴメンね~ と言っているようにもみえました。が、素敵な企画を考えて下さった原田さんにも、原田さんの企画を実現して下さったイシイさんにも、感謝の気持ちしかないです。
また、ソリストの福川さんが後半、オーケストラに混じっていた事が判明。グランドピアノの蓋の裏に隠れていて見えなかった… しかし、2段目センターにフルート首席&オーボエ首席、4段目センターにトランペット首席が配置されていたのは良かった。