Take Ari's Time

to show you what's been going on

Allegiance / FIREWIND

2006-08-30 | HM/HR
1 Allegiance 2 Insanity 3 Falling To Pieces 4 Ready To Strike
5 Breaking The Silence - Firewind & Tara 6 Deliverance
7 Till The End Of Time 8 Dreamchaser 9 Before The Storm
10 Essence 11 Where Do We Go From Here


ギリシャの若手有望ギタリスト、ガス・G率いるFIREWINDの4thアルバム。DREAM EVILも脱退しこちらが勝負バンドである意気込みが見える。Voのアポロ・パパサナシオ、前作からのKeyボブ・カティオニスと布陣も充実した今作は、結構カッコいい作品になっている。

DREAM EVIL等を除きガスの弱点とされているのがサビメロの充実度や単調さといった点になるが、この作品ではその辺も気を遣っている気はする。静的なメロディや⑤での女性Voの導入などバリエーションを増やす努力が感じられる。また全体的な作風としては80年代正統派メタル+様式美という、ストロングな中に効果的に装飾をしようという方針であり、実際カッコいいと思える場面も結構あった。

幕開けの①と続く②、そして⑩あたりはサビの印象度も高く好感触。①はサビに来てスローになるのがどうかとも思うが、その分メロディが充実していて良い。⑩はイントロのメロディックなGで耳を引き、力強いサビを聴かせるナンバー。そして②は速弾きをおりまぜつつメロディックに曲が展開し、ウリやシェンカーといった叙情派の先人達の旨みを引き継ぐ泣きのソロをかましてくれるGoodな曲であり、かなり気に入った。

他にも当然ながらガス君のギター自体は素晴らしい。④のムーディな展開から始まるソロも、⑤のSolidなソロ、⑥のアコースティックのメロディなども良いし、何よりインスト⑨での彼は技術よりひたすら泣き・哀愁を大事にしたメロディの魅力を追求していてかなり良い。この点はやはり有望株といったところ。

しかし、気に入った曲はあれど、あともう一歩突き抜けない曲が多いのも確か。典型的なのは⑦で、イントロからGが全面に活躍する疾走感が素晴らしいのにサビでスローダウンし有耶無耶になっている。他にも上述の④⑤なんかは、メロディの興隆があと少しあれば文句ないのにな、と感じさせる。非常に惜しい。

アポロのVoは様式美的な世界観に非常にマッチしているし、Keyも⑥などをはじめ効果的に挟み込まれている。正統派HMが好きならば聴いて損はない1枚かな。あくまで個人的にはあとほんの少しのメロディが欲しかったかな。

Ⅲ:In the Eyes of Fire / UNEARTH

2006-08-28 | HM/HR
1 This Glorious Nightmare 2 Giles 3 March of the Mutes
4 Sanctity of Brothers 5 Devil Has Risen 6 This Time Was Mine
7 Unstoppable 8 So It Goes 9 Impostors Kingdom 10 Bled Dry
11 Big Bear and the Hour of Chaos 12 This Lying World(Live)
13 Only the People(Live)


米国マサチューセッツ発、ちょっと前まではMAメタルなんて呼ばれたUNEARTH待望の3rdアルバム。要するにMAメタルは北欧のメロディックデスメタル/デスラッシュに感化された米国の若手がやる音楽なわけだが、このUNEARTHは前作"Oncoming Storm"においてあくまで伝統を重視したかなりメタル寄りの音楽をやっていて素晴らしかった。今回もその素晴らしさは継承されていると思う。

微妙な音楽の変化というと…前作では初期IN FLAMESを思わせるツインリードを全面に出した、 かなり哀愁メロディの多い音楽をやっていた。今回は基本線は変わらないがより攻撃性、重さを強調し、そこにリフもしくはVoのバックのギターメロディとしてその叙情性やメロディアスさを主張していると感じた。それは近年のSOILWORKあたりの雰囲気に似ていると思う。ライブ⑫あたりと比較すると納得できるのではないかな。

だからといって魅力が減ったわけではなく、単純に「カッコいい」と感じる場面は増えた気がする。それはアグレッシブさによるのかとは思うが。②③⑩あたりはまさにバックのGメロがキャッチーさを演出していて聴きやすい。⑥なんかは成長の跡が確実に見えるというか、イントロのG速弾きからザクザク刻まれるヘヴィなリフ、また複雑な曲展開をそれに絡ませるというように守備範囲が広がった感がある。

勿論前作から引き続く魅力も残っている。④はスラッシーに激しく進んでいくがサビではかなりメロディが盛り込まれており◎。さらにハイライトは⑧で、前作の超名曲"Zombie Autopilot"を引き継がんばかりに、イントロから泣きメロディ全開で、バックのハーモニーからツインのソロに至るまで、一貫して叙情性を貫くこれまた良曲に仕上がっていると思う。これが出来るのはUNEARTHの強みかなと。

前作とどちらがいいかははっきり言えないけれど、魅力は増えた部分が大きいのでやはり気に入った。やはりUNEARTHはイイ!

Stench of Redemption / DEICIDE

2006-08-26 | HM/HR
1 Stench of Redemption 2 Death to Jesus 3 Desecration
4 Crucified for the Innocence 5 Walk with the Devil In Dreams You Behold
6 Homage for Satan 7 Not of This Earth 8 Never to Be Seen Again
9 Lord's Sedition


グレン・ベントン率いるデスメタルバンドDEICIDEの10thアルバム。基本的にそこまでDEICIDEに興味があったわけではないんだが、今回ラルフ・サントーラが加わったということで興味をもち、さらに試聴段階でなかなかグッとキタので聴くに至った。

結果として想像以上の好感触であった。やはりメロディに気を遣っており、それは9曲全部で発揮されている。さらにミドルテンポを廃し全曲ブラストを伴って疾走する攻撃性も並存させており、そのコントラストが素晴らしい。個人的には90年代後半の初期メロデス/デスラッシュを聴いたときのような感覚があった。

やはりラルフ、そしてジャック・オーウェン(ex-CANNIBAL CORPSE)という二人のギタリストを加えた効果が大きい。どの曲でもソロが大フィーチュアされており、しかも構築美を誇っている。幕開け①からして泣き具合が半端ではなく、さらに④⑥や⑤のイントロなど、叙情性と疾走感を併せ持つこれらソロは、デスメタルというカテゴリーの持つ凶暴さを損なわず、逆に鮮やかな攻撃性として際立たせているとでもいおうか。

もちろんソロだけでなくリフも十分強力であり、ある種のキャッチーさを得られる面もあった。②④あたりかなり普遍的な魅力があるようにも感じた。これはグレンの表現力にもよるような気がする。デス声を高低使い分ける彼の歌唱はそれ自体楽器のような役割であり、各人の持ち味が遺憾なく発揮されていると思う。Dsのスティーブは前述の通りブラストをかまし安定したスピードを繰り出している。一方で今回作曲は全て彼であり、その才能もまた素晴らしいなと。

昔からのDEICIDEファンからすると多少違和感はあるようだが、自分としては今回のDEICIDEの新譜は素晴らしいと感じた。ラルフはやっぱりいい仕事してるし、納得の出来。

色々

2006-08-20 | 雑感
そう色々あったりなかったりで書いたこと書いてないことがわけわかめになってしまっている。

とりあえず夏に1回インターン参加がケテーイ。志望企業ではないが第一志望の業界だから絶対参考にはなるはず。2日だしまあ頑張りまつよ。あと夏は某外資の説明会にいったりといった予定しかないが、まあ就活の第一歩としてはいいかな。もう少し本は読んでおこうかしら。

それと関連してTOEICを受けるが、英会話習おうかなとも考え中。多分高確率で受講するはず。将来的に役に立たないことはないと思うしいいよな、なんて。

夏といえば甲子園、ということで駒苫派の私は今日の試合も熱く見守った。3年前ぐらい前に出場できた時から応援してるし思い入れもまあ深い。青森山田戦は甲子園のマモノ大暴れだったし、東洋大姫路戦の逆転も痛快だった。そんな乱打傾向の今大会をわりと体現する駒苫の決勝が痺れる程の投手戦になるとは、やはり野球は面白い。西東京大会から早実の斎藤が良いのは知っていたし、田中が尻上がりに調子を上げているのもわかっていたが…1対1、まさかの引き分け再試合。これは予想出来なかったですよ、ええ。智弁あたりと比べると守備力が両チーム高いし、凄まじく高レベルだった気がする。しかし両投手の疲労は心配。駒苫は岡田あたりが投げるのかしら。とにかく明日もじっくり見たいなぁ。

Christ Illusion / SLAYER

2006-08-18 | HM/HR
1 Flesh Storm 2 Catalyst 3 Eyes of the Insane 4 Jihad
5 Skeleton Christ 6 Consfearacy 7 Catatonic 8 Black Serenade 9 Cult
10 Supremist


スラッシュ帝王SLAYERが放つ2006年作品。巷ではデイブ・ロンバートが復帰したということで"Seasons in the Abyss"など初期との比較がなされ賞賛が多いようだ。

正直言ってSLAYERにはあまり興味がない。勿論"Reign in Blood"は聴いたし、"Diabolus in Musica"や"God Hates Us All"なんかも聴いてその攻撃性やヘヴィさなんかはわかっているんだが…リフはカッコいいけどここにはメロディがないと思うのである。「スラッシュなんだから当たり前」なんて言われそうだが、METALLICA、ANTHRAX、MEGADETH、TESTAMENT etc...私の好きなスラッシュ勢はそこに何かしらのメロディがあり、それゆえ私は心惹かれていたわけだが、SLAYERは攻撃一辺倒。これは決して悪いわけではなくファンにとってはたまらないんだろうが、特別な思い入れなく聴いているいちリスナーとしてはあまり惹かれなかったりする。

この作品もそれこそ"Reign in Blood"あたりのスピード感はあるし、90年代に得たヘヴィなグルーヴありで、まさに現在のSLAYERを描いており、その点「SLAYER is SLAYER」というAttitudeを得たいファンにとってはたまらないと思う。冷静に考えてデイブのみならず40代に足を突っ込んだオッサンたちが奏でる音楽にしては鋭角的すぎるし、それは単純にカッコいいと感じた。幕開けの①はやはりReign~あたりを思わせる暴走を見せるし、ドラムはじめ疾走感がカコイイ⑥⑨あたりは文句なくシビれる。だから「METAL」を求めるなら聴いて絶対損はない。多分そんなに捨て曲もない。

でもやっぱり個人的には感じる魅力に上限があるというか。それは多分歌メロに殆ど気を遣わないからだし、基本的にGソロに構築美がないからなんだろう。疾走に感じるカッコよさ以外にはあまり感じるものがないから、私はわりと不幸なリスナーなんだろう。むしろDiabolus~あたりの方が好きだったかもな。

今作を冷静に聴いていて感じたのはSLAYER自体の魅力というより、彼らが後続に与えた影響力である。SLAYERはSLAYERらしく演奏しているだけだが、そこには歴史を逆行するようではあるが、たとえばSLIPKNOTであったり近年活躍するエクストリームなバンド群の色をかなり感じた。ビルボード初登場5位らしいがそれも頷ける。20年近くエクストリームの最前線に存在し、今もなお尖ったままの彼らがカッコいいとは私も思う。


悶々

2006-08-16 | 雑感
ここ3日は普通にT大図書館に通ってお勉強なんかするふりをしている。なんだか統計ソフトで色々試すのが楽しくなってきた今日この頃。まあ修論にはSPSSが必須みたいだし今のうちに色々やっておかねば。

あとは英語力をアップさせたいということで近日中にはアクションを起こしたい。とりあえず人生初のTOEICが差し迫っている…ガンバラナイト。

ブラガなど買いたいCDも多い。出費がかさむ。バイトしないとな…

Loudspeaker / MARTY FRIEDMAN

2006-08-13 | HM/HR
1 Elixir 2 Street Demon(Santa Rosa Wrecking Crew Mix) 3 Black Orchid
4 Paradise Express 5 世界に一つだけの花 6 Glycerine Flesh
7 Stigmata★Addiction 8 Viper 9 Coloreas Mi Vida
10 Devil Take Tomorrow 11 雑音の雨(Static Rain) featuring Kirito


元MEGADETH…って説明はもういらないな。「ヘビメタさん」「ROCK FUJIYAMA」などの番組でおなじみの日本大好きギタリスト、マーティさんの久々のソロ。毎度のことながらインストのみではあるが、彩り豊かな作品になっている。

今回は相対的にヘヴィさが増しているようで、幕開け①にそれは表れている。この曲はメタル然とした名曲といえる。ブラッシングによる攻撃的なリフから鋭くもメロディックなコーラス、さらにふんだんに含まれた泣きのソロと、求められるものがかなり含まれた曲になっている。この泣きソロがカナーリ魅力的で、例えば⑦の後半なんかもそうであるが、演歌的ですらある臭いメロディはマイケル・アモットのそれと似た感動を覚える。ウリやシェンカーといった偉大な先人達の影響が出た結果なんだろうな。素晴らしい。

ポップにまるで歌うようにギターが流れる②、フュージョン的な流れの中で悲哀たっぷりのソロが入った⑥、疾走するキャッチーな⑧、壮大な世界観の中ほのかな泣きを感じさせる⑩などなど、良さをあげていくとキリがないくらいだが、各曲の色が明確で飽きさせない点が一番なんだろうな。そして何よりJ-POPカバーの⑤で、これはマーティさんらしいセレクトと言える。もしかしたらストラトの"Eagleheart"みたいになるんじゃないかなーなんて思っていたんだがそれは違い、元々のポップ味を生かしながら攻撃的なリフを織り込んだアレンジは興味深い。この曲は元から民謡的なメロディが含まれており、それを奏でるマーティさんのギターはここでも素晴らしい。

なんだか褒めすぎな気もするが(w、バラエティ豊かであるし、マーティさんの色を生かしつつあくまで"ヘヴィメタル"なアルバムである。番組だけじゃなくて本格的に日本の誰かとコラボしてくれないかなー、もっと人気出そうだ。

お出かけ

2006-08-07 | 雑感
山中湖に日曜日までいまして…久々にマラソンを走ってきてまあまあ楽しかった。なんだか部活OBの接待合宿のようになってしまったのが現役生にとっては可哀想だったなあ…しかしマラソンはまだまだ負けん。ナイスネイチャよろしく3年連続3位ということで、来年の失速に期待か。

今週また旅行に旅立つが、その前になんとか不眠症が治りそうでよかった。この2週くらい本当に夜寝られなかったんだが、それも土曜の宴会で強制的に矯正されたようだ。明後日は温泉へ。

拳闘

2006-08-03 | 雑感
ボクシング好きだから昨日のカメVSランに関して書くかね…

今回の試合の問題は亀田サイド、つまり媒体たるTBSとそれに協力するどっかがカメをプッシュしすぎたことがすべて。これ結論。

試合内容と言うか、「どちらが強かったか」と問われればダウンをとり終盤も効くパンチを放ったランであることは間違いない。だが現在のボクシングは10 Point Must System、つまり各ラウンド出来る限り10-9という採点をつけなければならない。それゆえ1Rかなり効いたパンチを放ったところで2Rガードの上からでもコツコツパンチを当てた方が点数的には有利になるわけである。となると「ボクシングで勝つ」選手と「ポイント差で勝つ」選手は当然違うわけである。

今回のケースは初めからジムサイドや媒体のパワーもあり判定はカメ寄りになることはわかっていた。日本で開催されるということはHome Decisionを対戦両者がある程度認めたと考えてよい。そう考えたとき、あくまでポイントだけを見つめればカメが勝ったことにはあまり違和感も怒りも覚えない。私もかなり甘めにつけた場合を考えると、カメが1ポイント勝ちなのはそこまで不可思議ではないだろうなと感じた。勿論ランが勝った場合はより異論がないのだが。はっきり言ってしまえば日本国内で試合をした時の西側の判定の方がひどい場合だってあるし、許容内の判定だなというのが終了直後の素直な感想である。

しかし問題は初心者、そして軽いファンが視聴者の大多数を占めていたということである。採点方式を取り除き、フィーリングだけで試合を見た場合ならラン圧勝は間違いないところ。1Rのダウンはかなり足にきていたし、終盤もフラフラしていた。細かく採点してカメ勝利もしぶしぶ納得できるというレベルの試合をそういった視聴者が見たら何を感じるか。「八百長」「出来レース」「不可解判定」「カネ」etc。そんな意見が世間を占める事態は免れない。個人的には一部ボクシング関係者からもそういった声が出ることには憤りを感じるが、世間で言われるのは仕方のないことである。

選手であるカメには責任はない。ビッグマウスもパフォーマンスも自己責任だし、これまでは相手のレベルはさておき世界2位に上がれるくらいには勝ち続けてきたわけだし、今回の試合だって手を抜いたシーンは一度もない。問題は新聞、TVをはじめとしてカメを持ち上げ利用し過ぎた面々である。夜が明ければおそらく(勝ったことで比率は下がるだろうが)判定への疑問を投げかけながら過去の実績に疑問視をする媒体が少なからず出てくるはずであるし、訳知り顔のコメンテーターは判定を振り返るでもなく世間に寄り添いカメ批判を行う。持ち上げすぎた弊害か当然アンチはいたのに、今回の結果さらにアンチは増えることになるがそれはカメ自身のせいではないことを世間には認識してほしい。叶わぬ願いだけれど。媒体は少なくとも、ボクシングという格闘技に指先ばかりでも愛情があるなら、カメが負けた時もフォローをしてほしいし、今回も「勝った」という事実だけを述べたり批判オンリーを載せたりするのではなく、一ボクサーとして彼を扱った記事を出して欲しい。

私はカメが好きではない。私の理想はリカルド・ロペスであり、技術、スピード、テクニックを駆使したボクサーを好むからだ。しかしどんな形であれボクシングというマイナーになりかかった競技を盛り上げる彼には感謝をするし、「カネを出せば世界チャンピオンになれるのか」と言った某元チャンプには「カネで世界王者が作れるって言うのなら、日本のためにどんどんカネとやらを出せよ」と思ってきた。彼が何をしようがどんな戦績だろうが、彼が悪さをしているわけではないんだから。ただし祭りの張本人であるところの媒体は最後までケツを持てよと言いたいだけである。今回は贔屓目を一切抜かせばランが勝った可能性が高いかもしれない内容の試合をしてしまったんだから、カメ自身にも技術の工夫が必要だけれども、それはカメ自身が一番わかってるでしょう。持ち上げるだけ持ち上げて叩き落すか放置することだけはボクシングのためにならない、それだけは許さないというのがマイオピニオン。

Almah / EDU FALASCHI (ALMAH)

2006-08-02 | HM/HR
1 King 2 Take Back Your Spell 3 Forgotten Land 4 Scary Zone
5 Children of lies 6 Break All the Welds 7 Golden Empire
8 Primitive Chaos 9 Breathe 10 Box of Illusion 11 Almah


ANGRAのVoであるEdu FalaschiがALMAHというバンド名義で出したソロ作。今回もANGRAを一段上のレベルに押し上げた歌唱が満喫できる。

ANGRAでやっていることと、独自の持ち味の両者が出た作風だと感じられる。Eduの声が時折Bruce Dickinsonっぽく聴こえたりするからIRON MAIDEN風味も感じられ、また曲展開を追っているとDREAM THEATER的な空気もある。参加者にMike StoneがいることからQUEENSRYCHE要素も仄かに感じられ…まあつまりプログレ要素が随所にあると。しかし曲は長くても5分以内とコンパクトであり、全体的にアグレッシブさを押し出している。その中でポップ要素とのバランスも考慮しているようで、結果的に統一感がある中で多様性を誇る作品になっていると思う。

ANGRAを想定すると①のデジタル風味な攻撃性にやられる。他にも中盤④⑤あたりはわりとヘヴィであり、前述のBruce的な雰囲気の歌唱が効果的である。また⑩は疾走しながらもメロディは臭すぎずという良曲であり、彼のANGRAに対する貢献もなんとなく透けて見えたり。対して③⑧などはわかりやすいバラードで、本来の歌の巧さが伝わってくる。とりわけアコースティックから始まり大仰に展開する⑧は聴き所である。

メロスピ/メロパワ的な臭くて壮大で速くて…ということを期待していたら完全に肩透かしな作品だと思う。実際もう少し泣きがあっても良かったかなとも思う。ただEduの色は存分に出ていると思うし、全体を短めにまとめたのも心象が良い。勿論歌唱に関して批判の余地はなく、その点での品質の高さは保証できる。要は聴き手が何を求めるかによるアルバムだと思う。