Take Ari's Time

to show you what's been going on

Liberation = Termination / MORS PRINCIPIUM EST

2007-03-15 | HM/HR
1.Orsus 2.The Oppressed Will Rise 3.The Animal Within 4.Finality
5.Cleansing Rain 6.Forgotten 7.Sinners Defeat 8.The Distance Between
9.It is Done 10.Terminal Liberation 11.Lost Beyond Retrieval


フィンランド産メロディックデスバンドの3rd。メタルコアやゴシック系が流行る現在では珍しく王道のキラキラメロデスをやっており、その点がまず好感触。

アグレッシブに疾走しながらも、ギター2人の奏でる流麗なメロディがとにかく美しく、そのコントラストが大きな魅力になっている。またキーボードに加え電子音なども導入し、きらびやかさとノリの良さをうまく演出しているとも感じた。

とりわけ②のギターの美しさが絶品であり、サビのバックに流れるGメロディの哀愁はかなりグッと来た。また④⑤といったあたりはドラムの主張も激しくかなりの疾走感がありつつもKeyによるキラメキとGの流麗さがGoodで、このバンドの良さがよく表れている気がする。電子音とピアノの絡みがメロディの美しさを引き立てる⑦あたりもかなり気に入った。

ギターの煽情力という点に関しては文句ないし、この方向性を是非続けて欲しいが、正直一部の曲を除くとメロディのパワーがそこまで強くないという印象もある。ゆえに気に入った部分も多いが不満も少なからずあるのが本音だったりする。メインソングライターが抜けたらしいし、今後どうなるか…

Black Stone Cherry / BLACK STONE CHERRY

2007-03-06 | HM/HR
1.Rain Wizard 2.Backwoods Gold 3.Lonely Train 4.Maybe Someday
5.When the Weight Comes Down 6.Crosstown Woman 7.Shooting Star
8.Hell & High Water 9.Shapes of Things 10.Violator Girl
11.Tired of the Rain 12.Drive 13.Rollin' on


米国ケンタッキー出身の4人組の1st。70年代由来の男臭く埃臭いハードロックを力一杯やっており、とにかくカッコいい。

漫画『NANA』にも登場するタバコBlack Stoneをバンド名に冠した彼らの音はZAKK WYLDEにも似たVoの影響もあって、サザンロック風味のあるヘヴィなR&Rであり、 そこにほんのり哀愁を帯びるというスタイル。

音は単純にカッコいい。ズシンと響くDsとそれに絡むBが作り出すリズムが安定感抜群かつこの上なくヘヴィでGood。ミドルテンポのチューン中心だが、スピードに関係なくグルーヴィなリズムで自然と体が動き出すカンジだ。それは序盤から発揮されていて、腹に響くDsと耳に残るVoメロが魅力な②、気だるさと力強さを備えた③、スピーディな④というたたみ掛けが強烈である。

リズム面だけでなく結構メロディにも気を遣っていて、個人的にはそれもツボにきた。特にポップとさえいえるメロウな⑧、切ないイントロのGやサビメロが魅力な⑪、メロディックなリフをバックにVoが力強く歌い上げる⑫、キャッチーとさえいえる⑬など、後半に印象的なメロディが多いのもこれまた大きなポイントである。

一気に13曲聴かせてしまうので飽きなどこない。シャガれたVo、メロディックなG、ヘヴィなリズム・・・ただただそのカッコよさに惹かれてしまう。あまり日本では流行らなさそうだが、これはかなりの逸材。

The Roaring of Dreams / PRIDE OF LIONS

2007-02-23 | HM/HR
1. Heaven of Earth 2. Book of Life 3. Love's Eternal Flame
4. Language of The Heart 5. Let Me Let You Go 6. Faithful Heart
7. Defying Gravity 8. Roaring of Dreams 9. Secret of the Way
10. Astonish You 11. Tall Ships 12. Turnaround 13.I am My Father


元SURVIVORのJim Peterik率いる産業ロックユニット、PRIDE OF LIONSの3rd。前作までも良質なロックを生み出してきたが、この3rdは本当に質が高い。演奏、歌、曲全てがハイクオリティであり、哀愁ロックファン必聴の作品と断言できる。

爽やかかつ壮大なロック曲に上手く哀愁メロディを混ぜ、それをToby Hitchcockが伸びやかに歌い上げるという基本路線に変更はないものの、今回は全てがレベルアップされており、中でも曲の良さが本当に素晴らしいのである。

幕開け①から爽快かつ壮大なメロディが魅力で、なおかついきなりTobyの力量が発揮されており掴みはOK。続く②はイントロからのGソロがガッツポーズものの泣きを放っており、力強いサビの曲調も含めてかなり良い出来。序盤からかなりの完成度の高さなのである。

中盤にいってもクオリティは落ちず、アダルトなムードを帯びつつもサビが非常に印象的な⑤やハードな側面を強調し弾きまくりGを聴かせつつこれまたサビがGoodな⑦など、1曲1曲の出来が良すぎる。今回Voメロディの哀愁、泣きという面では個人的には過去最高といえるかもしれない。

終盤もホーンを導入しプログレ的側面をみせつつメロディはやはり印象的な⑪、ギター&ピアノの切ない幕開けから強烈な悲壮感を帯びたメロディが泣かせるバラード⑫など、ボーナス含めても捨て曲などなく、とにかく美しいメロディが次から次へと展開される。

Jimはその作曲能力のみならず個々の曲できっちり泣きのソロを聴かせるし、それにからむTobyのVoは最後まで力強く相当な安定感を誇っている。個人的にそこまで産業ロックは好んでいなかったのだが、このアルバムには正直やられた。JOURNEY、BOSTON、KANSAS、PRAYING MANTISなどのバンドのメロディに魅力を感じる向きには必ず訴えかけるものがあると思う。素晴らしいアルバムである。

A Fever You Can't Sweat Out / PANIC! AT THE DISCO

2007-02-17 | Other Music
1.Introduction 2.Only Difference between Martyrdom and Suicide is Press Coverage
3.London Beckoned Songs about Money Written by Machines
4.Nails for Breakfast, Tacks for Snacks 5.Camisado 6.Time to Dance
7.Lying is the Most Fun a Girl Can Have without Taking Her Clothes off
8.Intermission 9.But It's Better If You Do 10.I Write Sins Not Tragedies
11.I Constantly Thank God for Esteban
12.There's a Good Reason These Tables are Numbered Honey, You Just Haven't
13.Build God, Then We'll Talk


ネバダ州産のエモ/メロコア系バンドの日本デビュー作。パンキッシュでキャッチーかつ哀愁たっぷりなメロディとともに、そこに絡むテクノ/ダンス系の電子音が演出するノリの良さが一つ彼らの特徴となっているが、個人的にはその相乗効果がかなり気に入った。

電子音が主張しすぎることなく、あくまでメロディを重視したロックであるという点がまず好印象である。そのメロディもアコギやホーンを効果的に導入しダイナミックさや哀しさを上手く表現できていると思う。

イントロに続く幕開け②からして上記の要素を全て含むノリの良い佳曲であり、まずこれだけで魅力にやられる。⑤の静と動のバランスとそこに絡むキャッチーなサビメロもまた優秀である。メロディという点では⑩なども気に入った。

楽曲の演出という点では中盤の攻撃的なアコギがカッコよく変調も多い⑨は面白いし、アコースティック主体で歌い上げ、ホーンも導入してロックを超えたダイナミックさを表現する⑫なども彼らの懐の深さを示していると思う。

インスト⑧含め全ての曲がキャッチーであり、目立った捨て曲はない。ノリを求める人にも、メロディを求める人にも新鮮に映る良作だと思った。ただ全体的な統一感が一つ特徴だとは思うが、今後これを続けるなら少しマンネリを感じるかもしれないなということも感じた。まあそれは細かいことで、個人的には凄く楽しめた作品である。

Mask of Sanity / SINNER

2007-02-13 | HM/HR
1. The Other Side 2. Diary of Evil 3. Badlands 4. Black
5. Thunder Roar 6. The Sign 7. Revenge 8. Under the Gun
9. Cant Stand the Heat 10. No Return 11. Last Man Standing
12. Baby Please Don't Go


ジャーマンハードロックの雄SINNERが久しぶりに放つ14thアルバム。PRIMAL FEARが好調ゆえ忙しかったマット・シナーだが、本家SINNERでも会心作を出した。

ヘヴィメタル道一直線のPRIMAL FEARとは異なり、哀愁満載のハードロックをシナーのハスキーな声で歌い上げる曲群がSINNERの魅力なわけだが、今回の作品ではその点が強調され、初期SINNERの雰囲気を帯びているといえる。

特に②⑦⑧といったハードさと哀愁メロディが際立つ曲が魅力的である。ロイZと共作した②はイントロからソロに至るギター及びサビのメロディが秀逸であり、⑦はリフのザクザク感と歌メロの叙情性のマッチが素晴らしい。⑧も同様だが、特にこの曲は初期SINNERに通じる曲であり、疾走する哀愁メロディが個人的には気に入った。

その他の曲もバラエティが豊かで優れている。RAGEっぽいヘヴィな④、スローな曲調でメロディアスなサビが映える⑥、ポップでかなりTHIN LIZZYっぽい⑨など、いずれの曲にも優れたメロディラインがある。本家THIN LIZZYのカバー⑫も含めて良い出来である。個人的にはかなり気に入った。

PRIMAL FEARの活動が精力的であるが、これだけの作品を発することが出来るならSINNERをもっと出していって欲しいなー。