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Christ Illusion / SLAYER

2006-08-18 | HM/HR
1 Flesh Storm 2 Catalyst 3 Eyes of the Insane 4 Jihad
5 Skeleton Christ 6 Consfearacy 7 Catatonic 8 Black Serenade 9 Cult
10 Supremist


スラッシュ帝王SLAYERが放つ2006年作品。巷ではデイブ・ロンバートが復帰したということで"Seasons in the Abyss"など初期との比較がなされ賞賛が多いようだ。

正直言ってSLAYERにはあまり興味がない。勿論"Reign in Blood"は聴いたし、"Diabolus in Musica"や"God Hates Us All"なんかも聴いてその攻撃性やヘヴィさなんかはわかっているんだが…リフはカッコいいけどここにはメロディがないと思うのである。「スラッシュなんだから当たり前」なんて言われそうだが、METALLICA、ANTHRAX、MEGADETH、TESTAMENT etc...私の好きなスラッシュ勢はそこに何かしらのメロディがあり、それゆえ私は心惹かれていたわけだが、SLAYERは攻撃一辺倒。これは決して悪いわけではなくファンにとってはたまらないんだろうが、特別な思い入れなく聴いているいちリスナーとしてはあまり惹かれなかったりする。

この作品もそれこそ"Reign in Blood"あたりのスピード感はあるし、90年代に得たヘヴィなグルーヴありで、まさに現在のSLAYERを描いており、その点「SLAYER is SLAYER」というAttitudeを得たいファンにとってはたまらないと思う。冷静に考えてデイブのみならず40代に足を突っ込んだオッサンたちが奏でる音楽にしては鋭角的すぎるし、それは単純にカッコいいと感じた。幕開けの①はやはりReign~あたりを思わせる暴走を見せるし、ドラムはじめ疾走感がカコイイ⑥⑨あたりは文句なくシビれる。だから「METAL」を求めるなら聴いて絶対損はない。多分そんなに捨て曲もない。

でもやっぱり個人的には感じる魅力に上限があるというか。それは多分歌メロに殆ど気を遣わないからだし、基本的にGソロに構築美がないからなんだろう。疾走に感じるカッコよさ以外にはあまり感じるものがないから、私はわりと不幸なリスナーなんだろう。むしろDiabolus~あたりの方が好きだったかもな。

今作を冷静に聴いていて感じたのはSLAYER自体の魅力というより、彼らが後続に与えた影響力である。SLAYERはSLAYERらしく演奏しているだけだが、そこには歴史を逆行するようではあるが、たとえばSLIPKNOTであったり近年活躍するエクストリームなバンド群の色をかなり感じた。ビルボード初登場5位らしいがそれも頷ける。20年近くエクストリームの最前線に存在し、今もなお尖ったままの彼らがカッコいいとは私も思う。


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