Take Ari's Time

to show you what's been going on

Almah / EDU FALASCHI (ALMAH)

2006-08-02 | HM/HR
1 King 2 Take Back Your Spell 3 Forgotten Land 4 Scary Zone
5 Children of lies 6 Break All the Welds 7 Golden Empire
8 Primitive Chaos 9 Breathe 10 Box of Illusion 11 Almah


ANGRAのVoであるEdu FalaschiがALMAHというバンド名義で出したソロ作。今回もANGRAを一段上のレベルに押し上げた歌唱が満喫できる。

ANGRAでやっていることと、独自の持ち味の両者が出た作風だと感じられる。Eduの声が時折Bruce Dickinsonっぽく聴こえたりするからIRON MAIDEN風味も感じられ、また曲展開を追っているとDREAM THEATER的な空気もある。参加者にMike StoneがいることからQUEENSRYCHE要素も仄かに感じられ…まあつまりプログレ要素が随所にあると。しかし曲は長くても5分以内とコンパクトであり、全体的にアグレッシブさを押し出している。その中でポップ要素とのバランスも考慮しているようで、結果的に統一感がある中で多様性を誇る作品になっていると思う。

ANGRAを想定すると①のデジタル風味な攻撃性にやられる。他にも中盤④⑤あたりはわりとヘヴィであり、前述のBruce的な雰囲気の歌唱が効果的である。また⑩は疾走しながらもメロディは臭すぎずという良曲であり、彼のANGRAに対する貢献もなんとなく透けて見えたり。対して③⑧などはわかりやすいバラードで、本来の歌の巧さが伝わってくる。とりわけアコースティックから始まり大仰に展開する⑧は聴き所である。

メロスピ/メロパワ的な臭くて壮大で速くて…ということを期待していたら完全に肩透かしな作品だと思う。実際もう少し泣きがあっても良かったかなとも思う。ただEduの色は存分に出ていると思うし、全体を短めにまとめたのも心象が良い。勿論歌唱に関して批判の余地はなく、その点での品質の高さは保証できる。要は聴き手が何を求めるかによるアルバムだと思う。