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Stench of Redemption / DEICIDE

2006-08-26 | HM/HR
1 Stench of Redemption 2 Death to Jesus 3 Desecration
4 Crucified for the Innocence 5 Walk with the Devil In Dreams You Behold
6 Homage for Satan 7 Not of This Earth 8 Never to Be Seen Again
9 Lord's Sedition


グレン・ベントン率いるデスメタルバンドDEICIDEの10thアルバム。基本的にそこまでDEICIDEに興味があったわけではないんだが、今回ラルフ・サントーラが加わったということで興味をもち、さらに試聴段階でなかなかグッとキタので聴くに至った。

結果として想像以上の好感触であった。やはりメロディに気を遣っており、それは9曲全部で発揮されている。さらにミドルテンポを廃し全曲ブラストを伴って疾走する攻撃性も並存させており、そのコントラストが素晴らしい。個人的には90年代後半の初期メロデス/デスラッシュを聴いたときのような感覚があった。

やはりラルフ、そしてジャック・オーウェン(ex-CANNIBAL CORPSE)という二人のギタリストを加えた効果が大きい。どの曲でもソロが大フィーチュアされており、しかも構築美を誇っている。幕開け①からして泣き具合が半端ではなく、さらに④⑥や⑤のイントロなど、叙情性と疾走感を併せ持つこれらソロは、デスメタルというカテゴリーの持つ凶暴さを損なわず、逆に鮮やかな攻撃性として際立たせているとでもいおうか。

もちろんソロだけでなくリフも十分強力であり、ある種のキャッチーさを得られる面もあった。②④あたりかなり普遍的な魅力があるようにも感じた。これはグレンの表現力にもよるような気がする。デス声を高低使い分ける彼の歌唱はそれ自体楽器のような役割であり、各人の持ち味が遺憾なく発揮されていると思う。Dsのスティーブは前述の通りブラストをかまし安定したスピードを繰り出している。一方で今回作曲は全て彼であり、その才能もまた素晴らしいなと。

昔からのDEICIDEファンからすると多少違和感はあるようだが、自分としては今回のDEICIDEの新譜は素晴らしいと感じた。ラルフはやっぱりいい仕事してるし、納得の出来。