ライコログ

メイクアップアーチスト「カワライカツヨシ」のブログ

藤原美智子論

2006-01-22 22:05:36 | Weblog
とあるブライダル雑誌に読者モデル対象の藤原美智子特集がやってました。

やっぱ人気ありますね、ワタシがメイク始めた時にはすでに人気アーチストでしたから最低でも15年近く同じ人気を保っているという事になりますね。本当に優れた技術者であり、人格者なんでしょう。メイクの技量って基準がさまざまなところにあるので一概には言えませんが、彼女に関しては堂々と”メイクがうまい人”と言ってしまっていいんじゃないでしょうか?まあ、ワタシが言うのもおこがましいですが・・・。

お見受けするに、藤原美智子さんと言うメイクアップアーチストは、モデルを見てそれに合わせてその場でメイク方法を考えるのではなく、自分なりのメイクパターンをいくつか持っていてそれをモデルに当てはめていくという方法を取っているように感じます。メイクの組み立て方がプレタポルテ的といいますか・・・。

「ワタシだけのためにデザインされたメイク」

というオートクチュール的なメイクは聞こえはいいですが、残念ながら通常のメイクアップの仕事はほとんどその日に会った人に施すいわばアドリブ的な仕事です。初めて会う顔を一からデザインしていくのはリズムが悪くなります。しかも読者モデルのように複数の方たちをメイクする場合、どうしてもイメージの湧きやすい顔と沸きにくい顔が出てきてしまうでしょう。その結果、苦手な顔に出会った時にいわゆる”テキトウ”なメイクをしてしまうアーチストは少なくありません。

藤原さんの場合はそこら辺がものすごく安定しています。おそらく本番ではあまりあれこれ考えず、自分のメイクパターン通りのメイクをしているのではないでしょうか。もちろんそのパターンを作り上げることが大変なんですけどね。

藤原美智子さんの広範囲かつ寿命の長い人気はここらへんにあるとワタシ自身感じています。ちなみに著書のほうは機会が無く一度も拝読していませんのでまったくの憶測です。トンチンカンなことを言っていたら申し訳ありません。

ベートーベンは自分が考えたフレーズをさまざまな曲の中で使いまわしをして数多くの名曲を作り出したそうです。メイクアップアーチストとベートーベンを並べてしまうのもどうかと思いますが、ワタシは藤原美智子さんにそんなイメージを抱いてしまうのです。


「そういうオマエはどうなんだ!」

と言われれば、

まあ「吊るし」って感じですかね。