「不可視の両刃」放射線に挑む~英国大学院博士課程留学~

英国に留学して放射線研究に取り組む日本人医師ブログ

International Men's Day 2018 国際男性デー

2018-11-19 | 2018年イベント
本日11月19日は「国際男性デー International Men's Day」と呼ばれており、私の所属する医学研究所でも関連イベントが開催されました。といっても、皆で騒いただけですが。うちの研究所内には男性特有の癌腫である前立腺がんなどを研究するグループもあり、もともと11月をモベンバー Momemberとして、男性の健康維持に関する啓蒙活動など展開する期間に充てているのです。
国際的には、「男性と女性のジェンダー・バランスを是正しよう」という動きは年を経るごとに活発化しており、近年ではMomemberなどの取り組みなど、このようなジェンダー・バランスに配慮しつつ、性への理解を深めるためのイベントも各国で行われるようになりました。私が英国に来て驚いたことの一つが、このMomemberの大々的なイベントでした。なかなか日本では見られない景色でしたから。

日本社会はいまだに全体的に男尊女卑、あるいは一部で過剰なフェミニズムがあるように思います。つまり、やや極端なきらいがあるというか、すこしバランスが悪いような気がしています。
ジェンダー Genderとは、社会的・心理的な性別のことであり、生物学的性別であるセックス Sexとは、意味が異なります。たしかに男性と女性は生物学的にはっきり異なる点がありますが、それらの差異をどう捉えて、社会的にどう受け入れるかというジェンダー的な観点や考え方は、私たちの努力によっていくらでも補正できることでしょう。そして、それぞれの個人の努力を通じて、社会全体としてジェンダー・バランスに深い理解を持つことが出来るようになるのでしょう。
私の知人の女医さんが、以前に「日本は働く女性にとってはちょっと息が詰まるようなところがあるから…」と仰っていました。たしかに職場における産休や育児休暇など、社会制度の運用において工夫できるところは多々ありますし、もっとはっきり言えば、多くの人たちの意識の中に(無自覚に)男尊女卑の傾向が有るようにも思います。まだまだ、日本の社会の中でもジェンダーをどう考えるべきかというのは、変化の余地が大きいように思われます。

International Men's Dayなどの機会を通して、私たちの社会の在り方をたまには省みるのもいいかもしれません。私たち医学者は男性の健康問題を考えさせられる日として好適であると思っていますが、もちろん、もっと大きな観点から「男性とは何か?」を考えてみるのもありでしょうね。


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。