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医学部入試不正の問題 ~昭和大学編

2018-10-15 | 2018年イベント
*読者の方からコメントがあり、赤字部分を後日追加しました。

15日に「6年前から得点操作をしていた」と、昭和大学とかいう大学の医学部が記者会見しました。

どうやら多浪生を入学させたくなかったみたいですが、当然、募集要項に堂々と「本学は2浪以上の方は入学させたくないので、2次試験の得点を操作します」と書いてあるはずもなく、彼らが行っていたのは実にアンフェアなことでした。東京医科大学と同様、受験生という立場の方々に対して、一方的にずいぶんと惨いことをしていたように感じます。
年齢が高い(といっても他と比べて数歳程度でしょうけれど)方を医学部にとりたくないのならば、いっそ防衛医科大学みたいに堂々と年齢制限すればいいのに。
私はアンフェアなことをする連中が大嫌いなので、この私立大学のことも好きにはなれません。

患者さんもさぞかし迷惑なことでしょう。

「先生はどちらの医学部の出身ですか?」
「昭和大学です」
「……(この医者は大丈夫なのかな?)」

という会話が今後出てくることになるのでしょうか…
不正に医学部に入学し、不正に医師になった人たちが今までにどれほど多くいらっしゃるのか存じませんが(当然そのような公開データは存在しないので)、患者さんがそういう医者に身を任せる気にはなれないというのは当たり前の気持ちでしょうね。

また、昭和大学と東京医科大学の行為は医師全般への信頼性を損なうものであったと思いますし、卒業生の先生方にとっても(不正に入学していない方々にとっては)無念なことであったでしょう。

少なくとも6年前から得点操作していたのが事実であるならば、現在、昭和大学医学部に在籍している医学生たちはアンフェアな選抜方式で入学したということになります。ほとんどの学生さんたちには罪がないことではありますが、すこし厳しいことを申し上げれば、そういう医学部の卒業生らに医師国家試験の受験資格が本当に与えられていいのかどうか、しかるべき場所でちゃんと議論されるべきなのかもしれません。
なぜならば、募集要項に書いていないようなアンフェアなことを平気でやっている医学部が、「ちゃんと学生に医学部6年間の正規課程の教育を行いました」と言ったところで、誰が信じるのでしょうか。「またどうせアンフェアなことをやって、ちゃんと正規課程の教育ができていないのではないですか?」と問われても仕方ないでしょう。そして、そのように医学部6年間の正規教育がちゃんと行われたかどうかが信頼できない医学部で学んだ方々には、本当に正規の医師国家試験を受験する資格はあるのかということです。

実際、一部の私立大学の医学部は留年生がとても多いですし、医師国家試験合格率もきわめて低調です。医学生の選抜や育成に問題がある可能性もあり、そのような私大医学部に対して、税金を国からの補助として投入することにどこまで正当性があるのか。私には時々よく判らなくなります。
いっそ、でたらめなことをやっている医学部は廃止したらどうでしょうか。最近、新しい私立医学部も2つ作ったことですし、逆に減らすことを考えてもいいのではないでしょうかね。

怖いのは、これが氷山の一角にしか過ぎず、さらに他の医学部の入試に不正があったいうことが今後続々と見つかるかもしれないということです。正直、まだまだありそうな気もします。


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