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2003年 アメリカ
原作 フィリップ・K・ディック
監督 ジョン・ウー 脚本 ディーン・ジョーガリス
製作 テレンス・チャン他
撮影 ジェフリー・L・キンボール
出演ベン・アフレック/ウマ・サーマン/アーロン・エッカート
ポール・ジアマッティ/コルム・フィオール






細木数子氏の占いによると、
私はいま大殺界にいるらしい。
来年の節分まで何をしても上手くいかないので
新しいことはやらないほうがいいらしい。
それを知ってしまってすごく後悔した。
知らないほうがよかった。
知ってしまってからは、
何をやるときでも「きっとまたうまくいかないんだろうな」
と、どっかで必ず思っちゃう。
何をやってもうまくいかなかったとしても
ただ単に、自分のやりかたが悪かったとか
タイミングがいまひとつだったとか、
そういうふうに思えたほうがずっと幸せ。
でも『大殺界』という言葉のインパクトがありすぎて、
忘れたくても忘れられないのだ!
私は『大殺界』に支配されてる。






でもマイケル(ベン・アフレックの役)だって未来を変えたし、
谷亮子選手だって予言を「愛」の恐るべき力で変えて
金メダルを取ったし。
ほんとうは未来は未知なんだと思う。
家系から、私はこんな病気にかかるだろうとか、
この人とはきっとうまくいかないだろうとか、
そんな自分で考えるちょっとした予測さえも
自分を支配して現実にする力を持っているんだと思う。
そう考えると、人の思考ってすごい威力で怖い。
「未来を見ると、ひとは未来に支配される」
このメッセージが描かれた瞬間、
フィリップ・K・ディックのスピリチュアルな世界の中に
グワーン!! と入り込んだような快感とともに
『大殺界』の支配が解けたような気がした。






この映画はすごくSFっぽい感じがした。
自分にとってのSFっぽさっていうのは、
ハイテクと、「愛のちから」っていう原始的だけど
ハイパーなものが合体されたものなんだなと
この映画をみてわかった。
『フェイス・オフ』以来、久しぶりに
ジョン・ウー監督の作品をみたけど、
ハイテンションですべてのカットに力がみなぎっていて
ステキな監督だと思う。
ジョン・ウー監督は最初、
ベンの役をマット・デイモンにオファーしたらしい。
でもベン・アフレックでとってもよかったと思う。
ベン・アフレックの正統派な顔はSFっぽいから。
ウマ・サーマンも久しぶりによかった!! 『キル・ビル』の
アクションシーンではなんだかトロくみえていたのに
この映画でのウマはすばやく動いてた。
アクションの王様ジョン・ウー監督の力技?!。
あと、アクションの部分(カーチェイスとか)も
SFだからといって、車が空を飛んだりワープしたりしなくて
ちゃんと地道に逃げたり追ったりしてくれてて、
なぜか「うれしい」と思ったのだった。
ペイチェック 消された記憶@映画生活