映画メモbox

ビデオで観た映画のメモ。直感的感想メモです。

DOGTOWN & Z-BOYS

2004-09-29 17:59:11 | ドキュメンタリー
DOGTOWN & Z-BOYS
アメリカ 2001年
監督 ステイシー・ぺラルタ
製作 アギ・オーシ
出演  Zephyr Skateboard Team
      JAY ADAMS/TONY ALVA/BOB BINIAK/
     CHRIS CAHILL/PAUL CONSTANTINEAU/          
     SHOGO KUBO/JIM MUIR/PEGGY OKI/
     STACY PERALTA/NATHAN PRATT/
      WENTZLE RUML/ALLEN SARLO
ナレーション ショーン・ペン


(スケートボードというスポーツの存在を
現在のクールでハードなスタイルにまで作り上げた
伝説のスケートボードチーム・Zephyr Skateboard Team
((Z-BOYS))についてののドキュメンタリー。)



サーフィンやスケートボードは
他のどんなスポーツよりも、
快感を求めるスポーツというかんじがする。
思春期にそんな遊びを死ぬほど(文字どおり)
やった人たちは最高に幸せなんじゃないかな?
と思ってこの映画を見た。

Z-BOYSのエッジのかかり方はすごくいい。
彼らにとっては「スタイルがすべて」。
スタイルがすべてっていうことは、
フォームにしろ技にしろ
常に斬新であり続け、
かつ完璧を求めていくっていうことだと思う。

Z-BOYSのメンバーへのインタビューのあとに
ミュージシャンとか他の人が画面に映ると
顔つきが違うのがわかる。
Z-BOYSの目は、みんな奥の奥まで冷めている。
いろいろな次元(これも文字どおり)に身体ごと入って
リスクと快感を同時に何度も
体験してきたせいなのかもしれない。

Z-BOYSのメンバーは、大人になって
みんなバラバラの人生をたどっている。
だけど誰一人として(本質として)、
過去をひきずっていないみたいだ。
思い出話はしても、思い出の中には生きていない。
スケートボードがいい思い出になった人も、
あるいは、若くしての成功のせいで遊びが単なる仕事となり、
何が楽しくてスケートボードをやっているのか
わからなくなるような複雑な思いをした人もいると思うけど、
(でもみんないまでもスケートボードをやっている)
みんなちゃんと現在を生きているように見えた。

死ぬほど遊んだ人は後悔なんてしないのかもしれない。
でも、どこかさびしそうに見えるときもある。
おいてきぼりをくらった子供たちみたいに。

普通のひとには行けないところまで行って
すばらしい何かを見てしまった人たちなんだと思う。


この映画を撮ったのは、
Z-BOYSのメンバーだったうちの1人、
ステイシー・ぺラルタ。

彼は70年代のチャンピオンでもあり、
その後もスケートボードチームの指揮官など
成功し続けているけど、
「裏方にまわってやっと満足できた」
というようなことを言っていたのが印象的だった。
彼はずーっと何かを支え続けてきた人のように見える。
たぶん、自分自身を。
自分自身のための自由を。






Photo:Craig Stecyk


DOGTOWN & Z-BOYS@映画生活
barrio bajo




School of Rock

2004-09-27 04:56:18 | 音楽
School of Rock             
アメリカ・ドイツ 2003年   
監督 リチャード・リンクレイター    
脚本 マイク・ホワイト    
音楽 クレイグ・ウォドレン
出演 ジャック・ブラック/マイク・ホワイト
   ジョーン・キューザック/ジョーイ・ゲイドス・Jr
   ケヴィン・クラーク/ミランダ・コスグローヴ 他


マイク・ホワイトはふざけたふりして
まじめな良い脚本を書く人だと思う。 
ギャグも主旋律上だし、
行き過ぎず、すっ飛ばしすぎず、
大事なところをちゃんと抜かずに書いてくれるから共感。
この間も、マイク・ホワイト脚本の『オレンジカウンティ』を
見たばっかり。
                     
(『オレンジカウンティ』は、
主人公ははずれ者っていうわけでもなく、
みんなと仲良くバカやって遊んでる男の子が
突然小説家を目指しだすっていう、
ギャグと本気の入りまじったストーリー。
だけど奥底には真面目な話が潜んでいるの。
そしてクライマックスはなぜか感動の涙がでちゃう。
名優・ケビン・クラインがなぜか出演しているよ!)

                       

『School of Rock』は、子供たちの人選もすごくいい。
今まで他の出演作で良さが発揮されてなかった子供が
すごく生き生きかわいく見えていたりして。
子供がいっぱい出てくるけど、
子供っぽい映画じゃないところがいいな。

これを見た日は、常識的なことをたくさん強要された一日だった。
自分て大人としてほんとにダメだなって憂鬱になったけど、
ジャック・ブラックを見てどうでもいいような気がしてきた。
一番自分らしく生きているときが
自分の使命を果たしているときなんだと思う。

    

DVDの特典で子供たちのコメンタリーがついてた。
子供たちはジャック・ブラックのことが大好きみたい。
彼のギャグの一つ一つまでちゃんと覚えてる。
しかも彼のこと、「いきいきしてる」って言ってた!
子供たちに「いきいきしてる」って言われるジャック・ブラックって
すごいなあ!
脚本家のマイク・ホワイトは、いつものように出演しているけど、
彼が画面に映っているシーンになると、
子供たちがなぜかみんな無言になるのが興味深い。

関係ないけど、マイク・ホワイトが製作にかかわっていたTV番組
『フリークス学園』、大好きだった!
突然打ち切りみたいに終わっちゃってショック。
                     


ABC(アメリカン・バカコメディ)振興会…『オレンジカウンティ』についていろいろ教えてくれます。毎日みている大好きなブログ。
NO MOVIE,NO LIFE…komexさんの『オレンジカウンティ』についてのlovelyな記事
スクール・オブ・ロック@映画生活 …いろいろな感想が読めます。 
Cinema AvantGarde BLOGyutakaさんの映画BLOG




CUBE2

2004-09-18 00:46:04 | スケルトンな世界

HYPERCUBE 2002年 アメリカ
監督 アンジェイ・セクラ
脚本 ショーン・フッド/アーニー・バーバラッシュ/
   ローレン・マクローリン
出演 ジェラント・ウィン・デイヴィス/カリ・マチェット/
   二ール・クローン 他

                   

知っている俳優が出てこなくて清々しい。 

前回の時も思ったけれど、
『CUBE』のテーマって何だろう?

前までは
「イノセント」ってことかと思っていたけど
これを見ると、
「良心」?
わからない。     
           

もし、ボーイフレンドと一緒にCUBEに入れられたら、
あのアルツハイマーのおばあさんのように
楽しく妄想を語って過ごしたい。
                 
それから、他の人も入ってきたりして
次の部屋に移らなきゃならなくなった時、
ボーイフレンドが先に出て
(次の部屋が安全かどうか見るために)
2番目に私が出ようとしたら、
すぐ後ろで知らない人が
梯子から足をすべらせて助けを求めてて、
でもCUBEの魔物が近寄ってきていて、
「あの人はもう手遅れだから、いいから早く登るんだ!!」
って、ボーイフレンドが私に叫んだとしたら、

私は、いけないと思いつつ、
後ろの人を置き去りにするかもな、
と思った。

きっと、そういうふうになってはいけない、
人生の意味は、人を置いて生き延びるより、
大切なことがあるっていう映画なんだ。
(ほんと?!)   




CUBE2@映画生活






ポロック 2人だけのアトリエ

2004-09-15 02:07:14 | 芸術家の人生
POLLOCK 2000年 アメリカ
監督 エド・ハリス
原作 スティーヴン・ネイファー/グレゴリー・ホワイト・スミス
撮影 リサ・リンズナー
出演 エド・ハリス/マルシア・ゲイ・ハーデン/
   エイミー・マディガン/ジェフリー・タンバー 他 



エド・ハリスは    
ジャクソン・ポロックの人生を生きることで
何かを見つけようとしているみたい

そして、この映画を撮ることで
ポロックの人生をやさしくなでてあげているみたい

                     
エド・ハリスの内部を探求しているような気分

ジャクソン・ポロックというよりも
                 
                

彼は映画「POLLOCK」を製作して
何を見つけたんだろう?

約10年間もジャクソン・ポロックという人物に
とりつかれていたというけれど

エド・ハリスの、どこかへ向かって強く伸びる
ピュアな欲求(または意思)を感じた。

その行き先を見つけたんだろうか?



この映画をひたむきに撮ったエド・ハリスが好き。
 
 

(絵を描くシーンでは、
 エド・ハリスが実際に描いている。
 絵を描いているシーンを
 こんなに長々と自信を持って見せてくれる映画は初めて。)

                 
ポロック 2人だけのアトリエ@映画生活




ぼくの妻はシャルロット・ゲンズブール

2004-09-10 00:11:26 | いろんな「愛」のかたち
MA FEMME EST UNE ACTRICE 
2001年 フランス
監督・脚本 イヴァン・アタル
撮影 レミ・シェブラン
出演 シャルロット・ゲンズブール/イヴァン・アタル/
テレンス・スタンプ 他


   


真っ暗な空の中の黄金の光       

やさしくてなつかしい ゆりかごのような光
                 
いつでもそこで待っていてくれる光       

大切な美しいものだけを輝かせる光




              

パリの友人、ポーリーからもらった絵葉書と同じパリだった。


パリの大人のあり方が本当にステキ。
少年少女の面影を、誰もがもっているところが。
大人らしい大人でいなくても良いところが。
なのに大人の時間を過ごしているところが。

この映画を見たら、きっとみんな
シャルロットとパリのファンになっちゃうんじゃないかな。

シャルロット・ゲンズブールが
史上最高に魅力的(に撮られてる)。 
彼女と並んでパリが美しく撮られているのは、
監督の中で、パリとシャルロットは
切り離せないものだからなのかもしれない。
イヴァン・アタル(シャルロットの実際の夫・監督)の愛を感じる。 



パリは世界中で一番美しい街なんだって。


           


ぼくの妻はシャルロット・ゲンズブール@映画生活












マッチスティック・メン

2004-09-08 12:21:04 | ここではないどこかへ
Matchstick Men 2003年 アメリカ
監督 リドリー・スコット /製作総指揮 ロバート・ゼメキス
脚本 ニコラス・グリフィン/テッド・グリフィン
撮影 ジョン・マシーソン/編集 ドディ・ドーン
出演 ニコラス・ケイジ/サム・ロックウェル/アリソン・ローマン 他



ニコラス・ケイジが執拗にお掃除をしている姿に憧れた。

あんなふうに何かにとらわれてみたいと思った。

うんうん うんうん

って言いながら。

そして、ぎりぎり残った精神力で詐欺をして

それをアートの粋まで持ち上げる努力さえして

あとは自分も含めて

すべてがバクハツするのを待っている。

ずっと待っていたんだと思う。

そのあとの開放感を。


この作品を見ている間、幸せだった。幸せだと思った。 
なんでこんなに気持ちよく見ることができるんだろう?!
こだわりなく楽しませてくれる。
リドリー・スコットにトラウマがないから?
だから気分よく見られるのかな?
人間的にバランスのとれた人が作った映画だと感じる。

トラウマがないリドリー・スコットは、
俳優のチョイスがいつも的確。
女優も男優も。
特に女優の選び方は、
女から見ても本当の意味でノーマルだし、
純粋に映画のためだけの配役をしてるみたい。

サム・ロックウェルは『コンフェッション』で
崩れていくところがよかったけど、
この映画ではぜんぶいい。
脇役で光る人もいるんだな。

『ブラック・ホーク・ダウン』を撮ったばかりのあとにこれを撮るなんて、
これもまた、トラウマがなくてカッコいい。リドリー・スコット!
                     

バンディッツ」を見たときのことを思い出した。
あの作品も、これほどじゃないけど
同じタイプの楽しさがあった。

                      
マッチスティック・メン@映画生活

ボーイズ・オン・ザ・サイド

2004-09-08 04:12:44 | ここではないどこかへ
BOYS ON THE SIDE 1995年 アメリカ
監督 ハーバート・ロス
脚本 ドン・ルース
撮影 ドナルド・E・ソーリン
音楽 デイヴィッド・ニューマン
出演 ウーピー・ゴールドバーグ/メアリー=ルイーズ・パーカー
ドリュー・バリモア/ビリー・ワース/マシュー・マコノヒー 他






乾いた空気の中で混ざり合いたい

私が誰かわからなくなるまで

私の願いがみんなの願いに

みんなの願いが私の願いに

混ざり合うまで

一人でいても




アリゾナの風景には
そんな秘密が隠されているような気がする。
そのための適した
空気と湿度と温度と風があるような気がする。

涙が出ても風ですぐに飛ばされちゃって
暖められて、でも風が吹いていて
泣いていたことも忘れるしかできないような

そんな感じがセクシーでいいな。

ティム・ロスの『恋愛の法則』も同じ理由で好きだった。

映画の中のアリゾナは、
いつでもみんなのやぶれかぶれの中間地点。
どの映画を見ても。
やさしくてさびしい場所。
守られているような 
いつでも恋をしているような。


マシュー・マコノヒーはいままで好きじゃなかったけど
今回は、普段彼に抱いてたイメージ(バカみたいっていう)
そのままで出てきて、それがすごくよかった。
彼ってバカにされてるんじゃないかな?ってかわいそうに思うほど。
かえって好きになりそう。
                       
ボーイズ・オン・ザ・サイド@映画生活

デブラ・ウィンガーを探して

2004-09-01 04:30:42 | ドキュメンタリー
デブラ・ウィンガーを探して              

2002年 アメリカ       
監督 ロザンナ・アークェット    
出演 たくさんの女優たち


デブラ・ウィンガーは、
もう映画制作から何のワクワク感も得られない
というようなことを言ってた。
それなら引退しても悔いがないだろうな。
この10年間、出たいと思った映画なんて1つもなかったって。

ジェーン・フォンダはちがう。
ジェーン・フォンダは悔いがあるって。
映画制作において、1シーンが完璧にうまくいくとき。
はりつめた空間で
すべての係わっている人たちの仕事が
ダンスをするようにひとつになって
調和するときの快感が忘れられないって。

この話がとってもすばらしかった。
いつか俳優からこんな話を聞いてみたいと
ずーっと思っていた。
このジェーン・フォンダのシーンだけでも充分に価値のある映画。
奇跡的な美しいインタビュー。

                           
                  
ロザンナ・アークェットは、小っちゃな女の子みたい。
多感で、傷つきやすそう。
この映画の中で、なんだか知らないけど
妹(パトリシア・アークェット)より不利な感じがするのは、
やはり年齢のせい?

「家と仕事の両立」、「年をとったら仕事がなくなる」の
2つのテーマでたくさんの女優に話を聞いてた。
ヨーロッパの女優たちは年をとっても仕事があるみたい。
でもアメリカでは深刻な問題。
こんな現代で、アメリカでさえいまだ男社会だなんて。
改めて考えてみると、信じられないような現実。
だからこそ、この映画が作られたことに
意味があるし、勇気があるし、
ロザンナ・アークェットは
歴史に残ってもいいような仕事をしたと思う。
             


デブラ・ウィンガーを探して@映画生活