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映画メモbox

ビデオで観た映画のメモ。直感的感想メモです。

トスカーナの休日

2005-05-15 06:54:04 | スピリチュアル
Under the Tuscan Sun
2003年 アメリカ
監督・脚本・原案 オードリー・ウェルズ 原作 フランシス・メイズ
撮影 ジェフリー・シンプソン 衣装 ニコレッタ・エルコーレ
編集 アーサー・コバーン/アンドリュー・マーカス
出演 ダイアン・レイン/サンドラ・オー/リンゼイ・ダンカン
ラウル・ボーヴァ/ヴィンセント・リオッタ

この作品を今日観てよかった。
今日はすごく神経がすり減った1日だった。
数日前のことなんかを考えていて。
この映画の中で
「過去は現在を殺す」というセリフがあった。
ホントにそうだと思う。

 

この映画の主人公フランシスは
夫に裏切られ、
傷心旅行で訪れたトスカーナで
家を買って住み着いてしまう。

「なぜか衝動的に」っていうふうに見えるけど
ちゃんとサインがあったのだ。
彼女は忠実にそれを追ってきただけ。
だから家を買った行為は
良かったんじゃないかと思うけど
すぐにハッピーになれるんじゃないかと思うけど
それでもまだクヨクヨしているところが
ふつうじゃなくておもしろい。

 

そんな彼女に
家を買うときの「サイン」の役目をしてくれた謎の女が
フェデリコ・フェリーニ(!)から教えられたという
格言を与えてくれる。
それがすごくいい!

    ↓

「多方面の可能性に生きろ」 
「サイン」を見逃すなってことだと思う。
それと、1つの可能性がダメになったとき
すべてがダメになったと思わずに
また次の「サイン」が確実にあることを
信じて楽しく待てばいいっていうことかな。


「どんなときも子供の無邪気さを忘れるな」 
今やってることに夢中になれって言ってた。
その瞬間の積み重ねの先に
「サイン」があるはず。(と思う。)


それから、
「過去は現在を殺す」
っていうのもそう。


謎の女は、これらすべてを体現している。
彼女は彼女自身の人生を生きているだけだけど
人の生きざまっていうのは、
他人にも影響を与えるものなのだとあらためて思う。
どんなアドバイスよりも効きそう。

 


ふだん映画を観るたび、「サイン」を探してる。
私にだけの個人的な「サイン」を。
はっきりわからないときもあるけど、
今回はすごくストレートだった。


 

ダイアン・レインはすごくすてきに年を重ねている女優さんで好きです。
いい感じの皺がちゃんとあるから、いろんな感情の表現を
深く見せてもらえるような気がします。
主人公の親友役のサンドラ・オーの演技も好き!
キャスティングにしても、内容にしても、
ちょっと変わった作品だなと思ったら
監督はオードリー・ウェルズさんという女性の方でした。


トスカーナの休日@映画生活






テープ

2005-05-14 00:54:42 | スピリチュアル
TAPE 
2001年 アメリカ
監督 リチャード・リンクレイター 
原作・脚本 スティーヴン・ベルバー
撮影 マリーズ・アルベルティ     
出演 イーサン・ホーク/ロバート・ショーン・レナード
ウマ・サーマン


ある状況の中で、
まっとうな(あるいは常識的と思われる)雰囲気を
壊してはいけないと思い
言いたいことをガマンしたことが最近あった。

でも、言ってもよかったのかもしれない
と、この映画を観て思った。
本当に奥にある真実(そこにいるみんなの気持ち)
が知りたいなら
純粋に疑問を投げかけてみても
よかったのかもしれない。

いや、そうするべきだったと思うけど
そのことによって
どんなふうに空間がねじれていくのかが
怖くてできなかった。
というよりも
自分を守っただけなんだと思う。

   

ひとは自分の知りたくない自分を
見てしまうのが怖くて
コミュニケーションを避ける。
場の雰囲気を壊そうとはしない。
でもそこにいる誰か1人が
無邪気に真実を知りたがっただけで
できあいの空間というものは
あっけなく崩れていってしまうものなんだな~…。
どんなに頭がいい人がその中にいたとしても。


   


イーサン(演じる役)が
その軸を狂わしているのだけど
計画的なようで
じつはそうでもなかったりして。
だからますます登場人物たちは
どこにたどり着くのか
だれもわからない渦の中に
グネグネと入り込んでいってしまうのだ。

87分のリアルタイムで進行していく物語。
せまい安モーテルの密室で、
人が1人から2人に
2人から3人になって
それぞれの会話と行動が
飛びはね、ぶつかりあっていくうちに
3人は87分前とは別次元に移動していた。

物語が終わったときの3人は、
大波にさらわれ
もみくちゃにされたあげく
砂浜に打ちあげられた人たちみたい。
疲労感と、
波に洗濯されてクリアになったみたいな姿。
ある意味うらやましい。
本当のコミュニケーションとは
こういうことを言うのだと思う。

   


それから
本当の謝罪っていうのは
逃げないことなんだとこの作品をみてわかった。
居心地が悪いから謝ったらすぐその場から
逃げ去りたくなっちゃうけどそれじゃダメなんだ。
コミュニケーションし続ける
意思があるかどうかの問題なのだ。




   

スティーヴン・ベルバーの戯曲の映画化。
イーサン・ホークがリチャード・リンクレイター監督に
この話を持ってきたらしいです。
リンクレイター監督作品の中の、イーサン・ホークが演じる役は
いつもとっても興味深い。

 
『GSELECT gaucho selected goods』さんの「リチャード・リンレイター」の記事。
…リンレイター監督作品について興味のある方はぜひ!
とっても詳しく教えてもらえます。

テープ@映画生活





ペイチェック 消された記憶

2005-01-26 07:00:30 | スピリチュアル

PAYCHECK
2003年 アメリカ
原作 フィリップ・K・ディック
監督 ジョン・ウー 脚本 ディーン・ジョーガリス
製作 テレンス・チャン他
撮影 ジェフリー・L・キンボール
出演ベン・アフレック/ウマ・サーマン/アーロン・エッカート
ポール・ジアマッティ/コルム・フィオール



細木数子氏の占いによると、
私はいま大殺界にいるらしい。
来年の節分まで何をしても上手くいかないので
新しいことはやらないほうがいいらしい。

それを知ってしまってすごく後悔した。
知らないほうがよかった。
知ってしまってからは、
何をやるときでも「きっとまたうまくいかないんだろうな」
と、どっかで必ず思っちゃう。
何をやってもうまくいかなかったとしても
ただ単に、自分のやりかたが悪かったとか
タイミングがいまひとつだったとか、
そういうふうに思えたほうがずっと幸せ。
でも『大殺界』という言葉のインパクトがありすぎて、
忘れたくても忘れられないのだ!
私は『大殺界』に支配されてる。



でもマイケル(ベン・アフレックの役)だって未来を変えたし、
谷亮子選手だって予言を「愛」の恐るべき力で変えて
金メダルを取ったし。
ほんとうは未来は未知なんだと思う。
家系から、私はこんな病気にかかるだろうとか、
この人とはきっとうまくいかないだろうとか、
そんな自分で考えるちょっとした予測さえも
自分を支配して現実にする力を持っているんだと思う。
そう考えると、人の思考ってすごい威力で怖い。

「未来を見ると、ひとは未来に支配される」
このメッセージが描かれた瞬間、
フィリップ・K・ディックのスピリチュアルな世界の中に
グワーン!! と入り込んだような快感とともに
『大殺界』の支配が解けたような気がした。





この映画はすごくSFっぽい感じがした。
自分にとってのSFっぽさっていうのは、
ハイテクと、「愛のちから」っていう原始的だけど
ハイパーなものが合体されたものなんだなと
この映画をみてわかった。

『フェイス・オフ』以来、久しぶりに
ジョン・ウー監督の作品をみたけど、
ハイテンションですべてのカットに力がみなぎっていて
ステキな監督だと思う。

ジョン・ウー監督は最初、
ベンの役をマット・デイモンにオファーしたらしい。
でもベン・アフレックでとってもよかったと思う。
ベン・アフレックの正統派な顔はSFっぽいから。
ウマ・サーマンも久しぶりによかった!! 『キル・ビル』の
アクションシーンではなんだかトロくみえていたのに
この映画でのウマはすばやく動いてた。
アクションの王様ジョン・ウー監督の力技?!。

あと、アクションの部分(カーチェイスとか)も
SFだからといって、車が空を飛んだりワープしたりしなくて
ちゃんと地道に逃げたり追ったりしてくれてて、
なぜか「うれしい」と思ったのだった。


ペイチェック 消された記憶@映画生活

 

ウェイキング・ライフ

2004-12-27 04:34:56 | スピリチュアル

Waking Life
2001年 アメリカ
脚本・監督 リチャード・リンクレイター
美術監督:ボブ・サビストン
出演 ワイリー・ウィギンズ/イーサン・ホーク/ジュリー・デルビー
スティーブン・ソダーバーグ/リチャード・リンクレイター 他たくさん




夢の中で生きている。
何度も何度もくりかえし。
目が覚めたと思ってもまだ夢の中。
そのくりかえしにウンザリすると
目覚めたいと思うようになる。
目覚めたいと思うなら、目覚めればいい
リンクレイター監督は言う。

それはきっと信じられないほどに簡単なことなんだろう。
勝手に人間が制限を作り出しているだけなんだろう。
空を飛ぶことやテレポーテイションだって
かんたんにできるに違いない。

目覚めるということは
今の瞬間を受け入れるということ。
「今」という瞬間を拒否して
「次」を延々と求めて
夢をみて生きるんじゃなくて。

そして
「今」の瞬間を受け入れるということは
すべてを受け入れるということ。
「いつか」のために生きるんじゃなくて
不満足だと思っている部分も含めて
「今」の全部を受け入れるということ。
一瞬一瞬の感覚の中で
喜びを感じるっていうことらしい。

「否定」からは自己探求は難しい
と、映画の中でおじいさんが言っていた。
たまにラッキーな出来事が起こって
喜びから「今」の瞬間を自然と受け入れることができて
素晴らしい出来事を連続で体験したとしても
誰かに腹を立てたり、うす黒い気分になると
その奇跡がウソだったみたいにぴたっと止まる。
だから、いままでのツキを
「奇跡」とか「幸運」だとしか呼べなくなる。
運命のいたずらとしか思えない。
そしてまた夢の中で生きる。
「今」を受け入れたときの素晴らしさを
思い出すこともできなくなって。

でも本当の意味で目覚めれば人間だって
マジカルな世界の中で生きることが
できるのかもしれない。
できるんだと思う。




そんなふうに考えさせてくれる
霊性と現実の結び付けかたを教えてくれる映画だった。
日々の生活の中で気づかなくなってしまっている大事なことを
いろんな面からたくさん情報として教えてくれる。
全部まじめに聞いていると疲れるけど、そのうちに
大量な情報の中から好きな部分だけ受け取ればいいんだ
ってことがわかってくる。

5分でぶっ飛ぶ快感ドラッグムーヴィーとかいう宣伝文句が
ついていたけど、全然そんなんじゃないまじめな作品だった。
この監督が前に撮った「恋人たちの距離」もおもしろかった。
それはリンレイター監督のベースの部分に
自分が共感しているからなんだと
この『ウェイキング・ライフ』をみて気がついた。




スピリチュアルなことが苦手な人も入りやすいように
表向きには「夢」をみているという設定にしてあるけど、
この作品の中でもどこかで言っているとおり
「夢」を扱った作品はほとんどが駄作だから
「夢」の映画だと勘違いされるリスクも背負って
リンクレイター監督はこの映画を撮ったんだと思う。
すごくまじめに、しかもおもいきり。

実写にデジタルペインティングを施してあるそうだ。
気が遠くなりそうな作業!!



   



ハリウッド的殺人事件

2004-11-19 18:52:08 | スピリチュアル

HOLLYWOOD HOMICIDE
2003年 アメリカ
監督 ロン・シェルトン
脚本 ロバート・スーザ/ロン・シェルトン
撮影 バリー・ピーターソン 編集 ポール・セイダー
音楽 アレックス・ワーマン
出演 ハリソン・フォード/ジョシュ・ハートネット
キース・デヴィッド/レナ・オリン/マスターP 他




こういうドライな空気が景色から(画面から)
伝わってくる映画がすきだ。
『ビッグ・リボウスキ』とか『スウィンガーズ』とか。
どんなふうに生き方を変えたとしても
不安がなさそうで。
ありそうでなさそう。乾いてる。
街もひとの感情もぜんぶ。

ジョシュ・ハートネットは刑事だけどヨガの先生、
そして俳優になることを目指してる。
ハリソン・フォードは刑事だけど不動産屋。

ジョシュ・ハートネットは
スピリチュアルなことを信じているがゆえに(?)
突っ走っちゃうところがあって、そこがおもしろい。
あと、髪型がおもしろい。
そして波に乗ってるみたいに
スルスル進んでいく。自然に。
興味のあること(演技の練習)をやっていて、
でも横入りしてくる刑事任務も
自動スイッチが入ったみたいに全力でこなしてて、
それをくりかえしていくうちに
進むべき道がみえてきたような…?

そのプロセスがとても自然でうらやましかった。
こんなふうに瞬間瞬間、集中してすごしていけたら
自分にとってふさわしい未来がみえてくるのかな?
もちろんポジティブな意味で。
どんな結果であっても全力でやってきたことなら
自然に受け入れられると思うから。

この映画をみていて、なぜか
「いらないものを整理しよう!」
「新しい未知の人生が入ってくるように」
などと、よくスピリチュアル本に書かれているような
2つのフレーズが言葉が頭の中に浮かんできた。
関係なさそうだけど、
この映画から受けた印象なんだと思う。

景色と同じくドライなままで終わってくれた。
血圧の低いひとはきっと心地よくみられる映画だと思う。
そんな作りのなか、突発的に笑えるシーンがあるところもすき。
幸せを約束してくれているようでなぜか嬉しい気持ちになる。



ハリソン・フォードとジョシュ・ハートネットは
私の中では大きく分けると同じ系統の俳優。
2人とも「犬系」(特に意味ない)というカテゴリーに入ってる。
他に「犬」のカテゴリーに入る俳優はリチャード・ギア。
細分化すると、ジョシュ・ハートネットは「ひたむき派」。





ハリウッド的殺人事件@映画生活