Fのぼやき

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『燃えよ剣』司馬遼太郎

2005-09-07 23:58:35 | 
司馬遼太郎の「竜馬が行く」が人生のバイブルだという人は年齢を問わず多いと思う。自分もその一人で司馬遼を読み、幕末の若者のごとく自分が日本を背負ってたちたいと本気で思い、がむしゃらに勉強していた時期がある(そして幕末の若者のごとく豪快に空回りして、すぐに終了する)。

そんな司馬遼好きだが今回函館の五稜郭に生まれて初めて行ってみた。そこで土方歳三像を見て、なんとなく司馬遼の『燃えよ剣』が読みたくなり八戸の本屋で購入した(ちなみに八戸~仙台間で上巻、仙台、松戸間で下巻読了)。

新撰組は去年の大河ドラマ以来かなりはまっている。今回の燃えよ剣の土方歳三像は恐らく大河ドラマに大きな影響を与えているように見える。その自分が正しいと思ったことに対する執着、組織を大きくするためにはどんなことも犠牲にするという冷徹さ、そしてなによりも百姓出身であることへのコンプレックスからくる侍への憧れが新撰組という強力な組織を作り上げた。歳三自体の性格はいかにも器が小さい気がして、従来の男は器がでかければよいという考えに反する。

今読んでいるジャックウェルチも組織を成長させた人だが、ウェルチ歳三と多くの共通点をもち、人間の器の面でみればあまり大きいとは思えない。

「組織においては人間の器の大きさはあまり関係ないのだ」、と器の小さい奴は勝手にぼやいてたりする。

『燃えよ剣』 ★★★(5点満点)