清き心の未知なるものの為に㊱・・・ダグ・ハマ-ショルドの日記より
成功がその空しさを、仕上げた業がその虚妄を、勤労がそのわびしさを、おまえの目から
離すことがけっしてないように、そうすれば、われわれをさらに遠く駆りたてる力は、すな
わち、われわれを押しやってわれわれ自身を越克せしめる魂のなかの痛みは、つねに疼きつ
づけるであろう。
どこへむかってか。そのことを、私は知らない。そして、知ろうと求めはしない。
小児が片足で横ざまにぴっんと二飛びし、ころばずにすむ。そして、われながら上手なも
のだと得意になる。見物人がいるので、二重に得意になる。われわれは、いつかは大人にな
るのであろうか。
我々の暮らし向きがよく、なにもかも思いのままに進んでゆくとき、われわれは自分が精
神的な自己規律や魂の気高さや高慢な人生観を会得したものと自認することができる。-----
これでは安直すぎる。これでは成功は美徳の報酬なりという考え方とはほとんど選ぶところ
がない。
いつでも立ち去る用意のできていない部屋では、埃が熱くたまり、空気はよどみ、光はか
げる。
われわれの愛は、その対し様を犠牲にする勇気がわれわれになければ、貧相なものとなる。
われわれの生きようとする意志は、生が自分のものかひとのものかを意に介せずに生きて
こうと思うようになって、はじめて確固たるものとなる。
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