「ついにやったぜ」
「次は悟様が節度使です」
「バカ殿一族ともお別れですな」
大将の劉悟が裏切って、平盧軍節度使李師道を殺して数日がたっていた。
五十年以上にわたって自立していた強大な平盧軍が平定されたわけである。
師道には何度も帰順する機会があった。
しかし彼の優柔不断と、取り巻きの諸将がそれをゆるさなかった。
実は悟もその取り巻きの一人であった。
ゆがて征討軍の大将魏博の田弘正からの使者がきた。
「ついに節度使ですぜ、俺には曹州を、奴には海州をお願いしますぜ」
諸将は期待にざわめいた。
「悟を郡王に封じ、義成軍節度使に転任させる」
「平盧は三分割し、薛平・馬總・王遂をそれぞれの使とする」
朝廷の命令は悟らが愕然とするものであった。
長い間の自立がこれからも保てるという甘い観測が打ち砕かれた。
「一刻も早く義成に移られよ、遅れれれば諸軍は君を討つ予定だ」
という弘正からの手紙に悟は震えた。
即日悟は取り巻きの幕僚のみをつれて滑州(義成)に走った。
「次は悟様が節度使です」
「バカ殿一族ともお別れですな」
大将の劉悟が裏切って、平盧軍節度使李師道を殺して数日がたっていた。
五十年以上にわたって自立していた強大な平盧軍が平定されたわけである。
師道には何度も帰順する機会があった。
しかし彼の優柔不断と、取り巻きの諸将がそれをゆるさなかった。
実は悟もその取り巻きの一人であった。
ゆがて征討軍の大将魏博の田弘正からの使者がきた。
「ついに節度使ですぜ、俺には曹州を、奴には海州をお願いしますぜ」
諸将は期待にざわめいた。
「悟を郡王に封じ、義成軍節度使に転任させる」
「平盧は三分割し、薛平・馬總・王遂をそれぞれの使とする」
朝廷の命令は悟らが愕然とするものであった。
長い間の自立がこれからも保てるという甘い観測が打ち砕かれた。
「一刻も早く義成に移られよ、遅れれれば諸軍は君を討つ予定だ」
という弘正からの手紙に悟は震えた。
即日悟は取り巻きの幕僚のみをつれて滑州(義成)に走った。
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