QAZのつれづれ日記

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腎石灰化と結石

2014年11月18日 | 健康

9月に今年も人間ドックを受診しましたが、腹部超音波(エコー)で今回新たに「左腎に腎石灰化、結石」とやらの所見、精密検査が必要とのことで先日改めて検査を受けてきました。

結石などとイヤな症状が加わってまた一つややこしい心配ごとが増えました。
しかも腎結石の痛みは胆石、すい炎と並んで「3大激痛」と言われ、あらゆる病気の中で最も痛くて再発もしやすいなんて書いてあるのを読みますと、痛いの大嫌い人間としてはまったくブルーな気分になります。
激痛は突然襲ってきますのでおちおち旅行にも行けなくなってしまいそうです。

とにかくどんな疾患なのか調べてみますと、石灰化とは軟部組織に「カルシウム塩」が沈着する現象で、組織中のカルシウム濃度が上昇した場合に正常な組織に石灰化が起こるとあります。

化学で塩(えん)とは、酸由来の陰イオンと塩基由来の陽イオンとがイオン結合した化合物のことで、カルシウム塩とは陽イオンがカルシウムで構成されるもの、腎結石の大部分を占めるシュウ酸カルシウムはカルシウムのシュウ酸塩との説明です。
化学嫌いだった私には「カルシウムのシュウ酸塩」が「シュウ酸のカルシウム塩」と同じなのか違うのかもよくわかりません。

まあここまではいいとして、わかりにくいことが二つあります。
一つ目はどんな説明も石灰化と結石、この二つが並べて書かれていて対等な扱いになっていることです。
一般には石灰化など「何々化」とは状態変化を表現する用語ですし、一方結石とは結晶の石のこと、外観形状を指していますから石灰化と結石ではそもそも言葉の使い方の次元が違います。

石灰化は結石の前段階状態などと、どちらも症状として捉えたような説明が多いですから頭が混乱してしまいます。
では石灰化とはどんな形をしているのか、結石は石灰ではないのかといった次元を揃えて理解しようとする疑問がすぐわいてきます。
どうして医学はこんな常識的な理解を妨げるような言葉の使い方をするのでしょう。

石灰化は結石の前段階状態などと言われると、石灰化を放っておくと石灰化したものが悪化して結石になるかのようなイメージを受けますが、どうもそうではなさそうです。
石灰化は腎実質(皮質、髄質)にカルシウム塩がへばりついた卵殻状の形をしており、一方結石は結晶化したカルシウム塩が腎杯や腎盂にできるのでまったく別物、生まれ(原料)は同じでもできる場所や形状ははじめから異なっているもののようです。

石灰化も結石も腎内に取り込まれたカルシウムが体外に排出しきれずだぶついてできるようなのですが、ではカルシウムの摂り過ぎが原因の一つかと思いきや、むしろ逆で摂取するカルシウムが少ないとなりやすく、石灰化や結石の予防にはカルシウムを十分摂る必要があるとのこと、ここがわかりにくいことの二つ目です。

これは「カルシウムパラドックス」と言われ、常識とは逆に作用するようです。
生命活動維持のため副甲状腺ホルモンの働きにより血中のカルシウム濃度が一定になる仕組みになっていてカルシウム摂取量が少ないと不足分を仕方なく大切な骨のカルシウムを溶かし出して補いますが、カルシウム摂取不足が続くと骨から過剰なカルシウムが溶かし出されてしまい、それが腎臓に入ってくると余剰分が排出しきれず石灰化や結石の原因になるとの説明です。

この説明ではカルシウム濃度が一定になる仕組みになっていながらカルシウム摂取量が少ないとなぜ骨から必要量以上の過剰なカルシウムが溶け出してしまうのか説明し切れていません。
副甲状腺ホルモンの異常でフィードバック機能が正常に働かないということなのでしょうか。

精密検査といっても結局腹部レントゲンを1枚撮っただけで、石灰化か結石かの区別も不明、これを明らかにするにはCT検査が必要ですがCTはX線被ばく量も大きく、石灰化か結石かの区別がわかったところで4~5mm程度の大きさでは、今のところこれ以上悪化しないよう食事療法をしながら経過観察でよいということになりました。
痛い元になるのは石灰化ではなく経路に詰まる可能性のある結石の方ですので区別がわかって石灰化なら少し安心できるということはあるかも知れません。

激痛に襲われたらその時必要なら来院しなさいという人ごとみたいな診断ですが、医者としては現在痛くも痒くもない患者に対してそれ以上やりようがないのでしょう。
結石の最大径が5mmの場合自然排石率は60%というデータもあります。
結石が成長して10mm以上になると排石率は27%に落ち、手術が考慮される可能性も出てくるようです。
また腎結石の再発率は5年間で45%、10年間で60%とされます。

腎石灰化、結石の原因の一つにカルシウム摂取不足があるとしてもカルシウム摂取不足の人がみんな罹病するわけでもないでしょうから原因について未だ解明されていない部分が多いのも事実でしょう。
痛いと言っても命に危険のある疾患ではなさそうですし、癌や糖尿病などのように薬を開発すれば大儲けできる病気ほどは注目されにくいのかも知れません。
腎結石の生涯罹患率は男性で100人中15.1人(2005年)だそうで、運悪くその中に当選してしまいました。

食事療法のポイントはカルシウム不足を補う食材と腎臓がカルシウムを分解する上で必要な水分を十分摂取することで、腎臓に負担をかけるリンを多く含む食材、シュウ酸を多く含む食材、動物性蛋白質、砂糖、塩分、脂肪、糖分、アルコールの摂取を控えることも大切だそうです。
やれやれ、血糖値も高いことですしますます食べ物の種類が制限され食の楽しみが奪われてゆきます。



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