QAZのつれづれ日記

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糖質制限食

2012年06月18日 | 健康

先月、日本糖尿病学会が糖尿病患者の食事療法として、従来からの一日の総カロリーを抑えるカロリー制限食に加えて、糖分の総量のみを制限する糖質制限食を治療の選択肢の一つとして初めて認めました。

欧米では10数年前から常識になっていたこの療法、日本では大変遅きに失した嫌いはありますが、療法の一つとして認められたことは画期的なことだと思います。
糖質制限食の一日の糖質量は130gを目安とすることで合意されたようです。

血糖値が高く定期検査と投薬を受け、カロリー制限食療法をしている私にとっても非常な朗報です。

カロリー制限食は慣れるまでカロリーの計算が面倒くさい上、たくさん食べられないのでお腹がすいてたまらない、大好きな甘いものがいっさい食べられない、アルコールもだめなどと、患者にとって制限が厳しく大変苦痛なため、長く続けることが困難で挫折していまうケースも多いようです。
せっかくの療法も守られなければ何の意味もありません。

それに比べて糖質制限食は、糖分の総量さえ守ればどんなものでも、かつどれだけ食べても原則構いません。
甘いものやアルコールも許されますので、患者にとってカロリー制限食に比べて格段に守りやすく、ストレスの少ない療法と言えます。

基本的にカロリーでは血糖値は上がりませんので糖質制限食はカロリー不問ですが、食べ過ぎて肥満になる可能性があります。
肥満症ではインスリン作用が低下し血糖の上昇を招く一つの原因につながる可能性が指摘されていますし、高脂血症や高血圧などの発症や進行を助長するとも言われます。
個人差がありますから太っているすべての人に該当するわけではありませんが、一応の注意は必要かと思われます。

糖質制限食は血糖値を上げる原因となる炭水化物の総量に注目した療法(カーボカウンティング療法)ですが、実は炭水化物の量が同じでも食品によって血糖値の上がり具合に差が大きいため、血糖値の上がりにくい低GI(Glycemic Index、血糖指数)食品が注目されています。

高GI値食品にはせんべい、白米、赤飯、もち、食パン、じゃがいも、にんじん、ぶどう、スイカ、蜂蜜など、反対に低GI値食品には玄米、麦ごはん、ライ麦パン、大豆、うどん、スパゲッティ、そば、きゅうり、トマト、バナナ、りんご、オレンジなどが該当するようです。

病院やレストラン、食品メーカーなどで糖質制限食、低GI食を採り入れる動きが広がってきたようで、今後多くの医療機関で採用されてゆくことでしょう。

従来のカロリー制限食療法は、糖質制限食療法に比べて摂取食品群のバランスや総カロリーまで考慮したより厳格な療法ですが、なかなか守るのが難しいため、あくまでこの療法を基本としながらも、カロリー制限食療法がうまくいかない患者のための次善の策として糖質制限食療法を採用するというのが今のところの医療機関の基本的スタンスのようです。

欧米のようにすでにカロリー制限といった考え方がなく、いきなり最初から糖質制限食を採用するということになるにはこれから実績を積み上げてゆく必要があり、日本ではまだ当分先のことになるのではないかと思われます。

糖尿病患者にとって食事療法は一生続けなければなりません。
食べることは人間の本能であり快楽ですから、食事療法がつらい修行でなく、誰もが続けやすいものであるに越したことはありません。
糖尿病治療薬については年々優れた新薬が開発されています。
新薬の出現と相まって食事療法についても効果的で取り組みやすい方法へと進化していってもらいたいものです。

その意味で今回日本でやっと認められたこの糖質制限食療法の行方に注目したいと思います。



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