第一次世界大戦から100年 どんな戦争だった?
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第一次大戦から新しい「世界史」が始まった?
大戦中は、両グループとも中立国を味方につけようと躍起でした。植民地に対しては、戦後の独立・自治という「利」をほのめかし、自陣営への協力を求めたのです。なかでもイギリスは、アラブ人に対しては「フサイン・マクマホン書簡」でトルコからの独立を約束する一方、ユダヤ人に対しては「バルフォア宣言」でユダヤ国家建設の支援を約束するという「二枚舌」で、双方から協力を取りつけようとしました。この後、中東のパレスチナは、アラブ人とユダヤ人の争いの舞台となります。今日までつづく新しい「世界史」の始まりです。
もう一つの大きな影響。大戦末期、ドイツは皇帝が退位し、共和制に移行しました。戦勝国のロシアも、大戦中の17年に皇帝が追い出され、帝政が崩壊しています。レーニン主導によるロシア革命で、5年後には史上初の社会主義国ソビエト連邦が誕生しました。「あと出しじゃんけん」で戦勝国となったアメリカも、体力を消耗することなく、日本以上の経済的な「利」と、国際社会での強い「影響力」を獲得しました。大戦後の世界は、この米ソ両大国の「利」と「害」を軸に回るようになります。これも、第二次大戦後の冷戦につながる新しい「世界史」の始まりです。
なお、ある歴史学者によると、第一次大戦をはじめて「世界戦争」「世界大戦」と名づけたのは日本人とのことです。この戦争の向かう先や本質を見抜いていたのかもしれません。ただし一般には、30年代まで「欧州戦争」「欧州大乱」などと呼ばれていたようです。どちらにしても、まだ「第一次」はついていませんでした。
(教材編集者・大迫秀樹)(動画制作:TOMOニュース)(http://jp.tomonews.net/116582)