☆あしたも笑顔で☆

膵臓がんの手術から11年。

今日も元気に生きています。

2005.1.27 +++ 運命の日

2005-10-04 16:40:21 | 発病~
CTの結果を聞きに行く日がやってきた。

なぜか なんの不安もなく、実に普通に病院へ向かった。
予定されてなかった採血があったので、検査室で採血してもらう。

内科外来で待っていると、以前一緒に働いていた医療事務さんが来て
「ひさしぶり~」と話す。

もう呼ばれるかなと思うのに呼ばれない。
次かなって思うのにまだ。
ちょっとイヤな予感。
段々不安になり、心細い。
気軽に一人で来てしまったことを後悔する。

やっとのことで呼ばれると、まず最近の体調を聞かれた。
もう痛みがないこと、調子がいいことを話すのに、先生は浮かない顔してる。
私が話してるのに、イマイチ反応が悪い。

モニターに血液検査の結果が表示される。
前回同様、アミラーゼが高いという話があり、
他にもモニターに赤字で示されてる数値を見せてくれた。
そこには CA-19-1 とあった。
まさか・・・と思った。
医療事務として働いていたから、それが腫瘍マーカーであり、それがどういうことかということくらい知っている。
頭の中は真っ白になった。

標準では37以下であるのに対し、100を越えていること、100を超えているというのはどういうことが疑われるかと医師は話し始めた。

そしてCTのフィルムの説明に入った。
膵臓だという場所に赤く囲まれてるところがあり、そこが腫瘍と思われると説明される。
この腫瘍が良性か悪性であるか検査する必要があるから、入院して検査しなければいけない。いつから入院できるか?
突然医師の口調が速くなり、あっと言う間に入院日を決めだした。
「2月は確定申告しなきゃならないし、3月は娘の卒業式なんですよねぇ。」
なんてとぼけた返答をした私に
「じゃあ、確定申告前にしちゃいましょう。卒業式の後まで待ってられませんから。明日にでも入院してください。」
と あれよあれよと言う間に、2月1日に入院することに決まった。

「もし、悪性だった場合なんですけど、手術は可能ですか?」
と聞いてみた。
「それほど大きくないと思いますから、大丈夫ですよ。」
と言ってくれたから安心した。

このとき、診察室にはこの若い医師のほかに、さっき話したばかりの
昔の同僚の事務員がいた。
彼女に私の情けないところは見せたくなかったし、
もしここで私が暗く落ち込んだら彼女がショックなんじゃないかとか
色々考えると涙流すなんてできっこなかった。

軽く冗談言って、笑顔で診察室を出た。
我ながら私って強い女だなぁ~なんて思いながら。

別室で看護師さんから入院の説明を受けた。
昔からいる年配の看護師さんだ。
看護師さんはカルテを見ないとどうして入院するかはわからない。
「検査入院ですね。どこが悪いって言われたのかな?」
とカルテを開きながら聞いてきた。
「・・・。膵臓ガンかもしれないんですって。」
と答えた途端に涙があふれてしまった。私としたことが。
看護師さんのほうがあわてた。まさかそんなこと思わなかったんだろうな。
さっき診察室で気持ちを押し殺していた分の感情が溢れ出た。
子供が3人いて、下は2歳だというと、看護師さんも目を赤くし
「まだ、癌って決まったわけじゃないんだから、大丈夫よ。」
と励ましたくれた。
短い時間だったが、ベテラン看護師さんの暖かさに救われたような気がする。

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