亢進症な生活

甲状腺機能亢進症(バセドウ病あらため甲状腺ホルモン不応症)と膠原病(SLE&シェーグレン)を併発した働き者。のんびりと♪

よりよい治療と研究~稀少病・難病の対策

2013-02-21 | 甲状腺&膠原病
いやはや、いつまでも寒いですね!

このあいだ、稀少病・難病の対策のあり方が見直されようとしている話を書きました。
難病対策が、1975年に「難病対策要綱」が出てから約40年。臨床調査研究対象や公費負担対象の疾患の見直しなど少しずつ改定されてきたわけですが、40年も経てば、社会の状況も病気の考え方も大きく変わっているところが出てきています。だから今回は、かなり抜本的な改訂の提言がなされています。

1月25日に提示された提言では、3つの柱が出ていました。
ひとつは、効果的な治療方法の開発と医療の質の向上、もうひとつが、公平・安定的な医療費助成の仕組みの構築、そして、国民の理解の促進と社会参加のための施策の充実。

今日は、効果的な治療方法の開発と医療の質の向上のところ、言ってみると、よりよい治療と研究について少し書いてみます。
ごめんなさい、今日はちょっと長いと思います~♪

まずは、研究の区分けについて。
今は、130の疾患が「臨床調査研究分野」、それ以外の稀少疾患の研究は「研究奨励分野」などと区分けされていますが、この区分けの根拠がわかりにくいという指摘もありました。今度は4つの分け方になろうとしています。

1)診断基準がまだ確率していない病気は、確立に向けて、疾患概念の確立・実態把握(疫学調査)・診断基準作成など基盤研究をする。
2)診断基準が確立しているものは、より臨床に近い病因・病態や治療方針の開度ライン策定など臨床研究をする。
3)創薬など医師主導治験を重点的に治療法の開発・実用化を目指す実用化研究をする。
4)ゲノム解析、タンパク質解析、疫学、患者主体の研究支援体制に関わる研究や政策関連研究など横断研究をする。

1)2)の、診断基準が確率しているものとしていないもの、という分け方はわかりやすいですね!

それから、甲状腺ホルモン不応症もそうですが、診断などに遺伝子検査が必要な場合、それを応援しようということも提言されています。これはすごくいいですね!
診断が確定される前であっても、こうした高額の検査が受けられる支援というのは重要です。それから、このブログでも何度か書いてきましたが、遺伝子の検査は、自分ひとりの問題でなくて親族全体の不安を呼んだり、妊娠・出産でも不安を呼んだりということがあって、しっかりとしたケアが必要だろうと思います。小さな病院でも、情報の保護がしっかりできるような支援も必要なのだろうと思います。無邪気に、わーいって情報を集めるばっかりじゃなくて、そういう「守る」サポートがあるといいな。

創薬ということは、新しいお薬を作ること。日本が苦手にしている「臨床試験」とも関わっていきます。
完成した薬の承認を早くするということも大切ですが、やはりみんなで薬や治療法を作っていこうというムーブメントは、これから必要なのだろうなと思います。もちろん、医薬業界の国際競争力を強化するという経済的な理由も大いにあると思いますが、身近な研究機関で研究が進むということは心強いことではないでしょうか。
iPS細胞だとかゲノムだとかのお話も、これから実際の治療に応用できるか、大事なところに来ていますものね!

そんなわけで、意外と患者さんも知らないことが多い治験の情報なども、きちんとお知らせしましょう、ということが打ち出されています。
難病センターでも治験の情報が紹介されています。全身性エリテマトーデス(SLE)の治験が国内でこんなにあったんだ!?という感じがしませんか?

患者にも、病気のこと、治療のこと、今、進んでいる研究のことをもっとわかりやすい発信をしていきましょう、ということも打ち出されました。もっと患者力をつけていくチャンスかもしれません。

オーファンドラッグといって、稀少病のためのお薬の研究開発は、市場が小さいだけに、なかなか採算が取れないのですが、そういう研究を支援する仕組みがあります。こうしたところももっと活用されるようにしようとされています。
加えて、たとえば、古い薬が効くとわかった場合にはその治験を行う会社が、ある一定期間、特許に準ずるような保護が受けられるようなこともあるといいなと思います。


それから、難病医療の拠点病院・基幹病院・指定医のようなもの作っていこうということが提言されていました。
診断のデータを一元管理するセンターのようになるようです。その病気のスペシャリストのところで、新たなスペシャリストを育てていくことにもつながるでしょうし、集まるデータを有効利用されていくことが期待されます。
患者にとっても、どこに行けば、その病気の専門家に会えるか、はっきりして、的確な治療を求めていけるのは大きなメリットになりそうです。
こうしたところには、「難病医療コーディネーター(仮)」という人たちがいて、こういうところと連携したらいいとか、こういう施設が必要とか、そういうことを組み立ててくれるらしいです。実際に整備するとなると簡単ではないと思うけれど、つなぎ役が必要っていうのは本当だと思います。

集められる情報は、これまでの診断基準に関係する情報だけではなくて、家族歴や遺伝子情報なども加えていこうとしています。
今のデータは、入力が追いついていなかったり、患者IDがついているわけではないので経過を参照することはできなかったり、内容があれ?というものも含まれていたりという課題があります。これからは、この指導医のような先生のいるセンターに情報を集めて、継続的な情報が集められるようにしていきたいようです。
指導医の先生のところは事務仕事で忙しくなるなぁ…と思うのですが、場合によって保健所などでサポートすることになるとか。それはそれで、情報の安全性は大丈夫なのかしら、と心配です。データの受け渡しで漏洩しちゃったとか、入力が追いつかないので家でやろうとして電車に忘れてなくなりましたとか、そんなことが起きてしまうのではないかしら、と想像するのですが、対策はいかに!?
ともかく、貴重な稀少病がわかる先生は大事にしていただけるとありがたいです。

つづきの情報を聞きたいときには、主治医や患者さんに同意を取って連絡が取れるようなことも考えられているようです。甲状腺ホルモン不応症のようなマイナーな病気ではこういうやり方は助かるんじゃないでしょうか。

国際連携(pdf)ということも考えられていました。日本での研究もちゃんと海外にむけて発信するし、海外の情報も日本でどんどん紹介しよう!という流れ。患者数が限られているからこそ、すてきです♪

こうした施策、よい形で実現されていくといいですね。
いきなり完成系にならなくても、できるところから実現されていけば、とってもうれしいです。先生方の負担も重くならないといいけれど…。

そして研究が進んで、「この病気は昔は難病って言っていたんだって」という日がくるといいなぁ。

医療費助成とか、理解促進・社会参加のサポートについては、また改めて書きますね~!


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2 Comments

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お久しぶりです! (りかりん)
2013-02-25 21:39:34
ぷろぱさん、お元気でいらっしゃいますか?
ブログ更新されてるってことはお元気かな^0^。

色々、研究が進められてるのですよね・・・
私もね、この冬は新しく飲み始めた薬のおかげで5?6?年振りに動ける冬を過ごしてます!
今年の冬は晩ごはんも食べれるようになりました!
薬ってすごいなぁ、って思います。

でも、年のせいなのか?病気のせいなのか?はたまた、手術したせいなのか?漢方が効いたのか?何がよくて悪くてがはっきり分からない中の努力ですが・・・
でも、少しでも普通に近い状態で過ごしたいなぁ、と・・・。
がんばらなくっちゃね(^0^)
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おひさしぶり♪ (ぷろぱ)
2013-02-26 09:55:45
りかりんさん、こんにちはー。
わたしも、あいさつはいつもご無沙汰です、でごめんなさい^0^

そうなのね、この冬は調子よかったんだぁ。
すごいね、よかった♪

わたしも、いろいろ関節がへんだったり気になることはあるのだけれど、全身のどうしようもない疲労感とか高熱とか、そういう全部をとめちゃうような症状はあんまりでなくなってきました。
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