亢進症な生活

甲状腺機能亢進症(バセドウ病あらため甲状腺ホルモン不応症)と膠原病(SLE&シェーグレン)を併発した働き者。のんびりと♪

甲状腺アイソトープ療法のリスク?

2007-12-02 | 甲状腺機能亢進症/バセドウ・不応症
一応、アイソトープの可能性が残っているので、甲状腺機能亢進症でアイソトープをすると、どんなことが起きるのか、いろいろ調べてみました♪
投薬なら、わりと先生にお任せ~で簡単にお勉強する、という気分なのですが、手術のような「元に戻せない治療」(不可逆治療)はちょっとだけ慎重になります…。

アイソトープのことをざっと調べると、「投薬と違って、副作用がおきることはありません」「放射能による汚染の心配はありません」「手術のように声が出なくなるような問題(半回神経麻痺)や傷あともありません」と、きっぱり書いています。

アイソトープには、その放射能の量によっていろんなカプセルがありますが、1998年6月に厚生省からの通達でアイソトープ治療が500MBq(13.3mCi)までなら、外来で治療しても良いことになりました。
その分、症例も増えて、より安心な治療となっています。
何と言っても、在任中のブッシュ大統領(今の大統領のお父さん)がアイソトープ治療を受けたくらいですから、安全なんでしょう。(もっと早くアイソトープしてくれてたら、湾岸戦争は起きなかったなんてことだったら、ほんとに悲しい…。)

しかし…、わたくし、しつこく調べてみました。(また、携帯で読むには長文でゴメンなさい!!)
報告しているお医者さんは、臨床で処置が必要な場合は少ないとよく書いていますが、患者としてはちょっとつらいかなということがいくつかあります。

低下症のつらさ
副作用やリスクと呼ぶべきか、治療効果と呼ぶべきか、わかりませんが、「10年後には50%の人が甲状腺機能低下症になります」と言われます。長年、亢進症でバリバリやってきた人にとっては、意外と受け入れがたいということもあるようです。
アイソトープ治療後3~4ヶ月経った頃、治療の効果が一番出て、甲状腺ホルモンが低下するそうなので、この時期に主治医とよく相談して、量をこまめに調整できるとすごしやすいのかもしれません。この低下状態は、半年くらいで収まるそうです。

それから、T3甲状腺ホルモン剤(チロナミン)は、吸収も排出もスムースすぎて、調整が難しいので、T4甲状腺ホルモン剤(チラーヂン)の量を調整しながら、飲んでいくのが主な治療ですが、T4からT3へ変換する酵素も甲状腺でできるので、アイソトープ後うまく変換できなくなる人もいるようで、T3とT4を両方飲むようになって落ち着いた人が、けっこう見つかりました。
99年にT3投与で患者さんの満足度が改善したことを報告した例もあって、専門医のなかでは、徐々に定着しているようですが、専門医でないと、チラーヂンだけで調整して、多少、患者さんがつらくても、患者さんに頑張ってもらう、というお医者さんもいるようです。
手術代が高いから、アイソトープが標準治療になっているアメリカでも、「投薬を含めた治療の選択肢をよく検討してください。勧められるままに、アイソトープを選択して後悔してはいけません」という主張している人もいます。(『バセドウ病-実践ガイド(Graves' Disease, A Practical Guide』)

低下症の薬の副作用
もともと体にない抗甲状腺薬(メルカゾール、プロパジールなど)より、甲状腺薬の方がカラダへの負担は少ないようです。量の調整はともかく、副作用の例もほとんどないとか。
薬疹は、薬の添加物へのアレルギーの場合が多いので、ジェネリック薬(後発薬)に変えれば大丈夫。
もともと狭心症がある方は、チラーヂンで甲状腺を活性化させることで、症状が進むこともあるようですので、先生とよく相談するのが大切かも。

一過性の亢進症状
アイソトープ治療の前には、抗甲状腺薬(メルカゾール、プロパジールなど)をやめるのですが、その間に亢進症の症状がつらくなることもあるようです。そういうときは、ベータブロッカー(インデラルなど)を処方してもらうように先生に相談するのがいいみたい。

味覚障害、唾液腺炎
アイソトープで使う131Iという放射線は、生理的に唾液腺に集まりやすいのだそうです。
耳下腺や顎下腺に起こる唾液腺炎は、放射性ヨード治療を受けた患者の33%くらいに起こると聞いて、ちょっとびっくり。アイソトープのあと、味覚障害がありました~というのが多いのは、そのせい。唾液腺がつまっていて、食事とともに圧力で唾液が一気に出てくるなんてこともあるようです。
数ヶ月から1年で、たいていは消えるそうですが、慢性になる人もいて、シェーグレンで唾液腺が減っているらしいわたしにとっては、なけなしの唾液腺を壊したくないかも(涙)

眼病
もともとバセドウ眼病が進んでいる場合は、アイソトープ後に低下状態になっても、眼病が出ることがあるようです。プリズム眼鏡を使うような場合もあるとか。これも、先生とよく相談する必要がありそうです。

不妊
妊娠については、心配ないというのが一般的です。通常の妊娠のリスクと同じくらいのリスク%のようです。
繰り返したアイソトープでも、合計300mCi未満の放射性ヨードを投与された女性が不妊症になるという報告はみつかりませんでした。
量が極端に増えると、やっぱりリスクはあがるそうです。合計800mCiの放射性ヨードを投与された女性の60%に不妊の報告があって、100mCi以上の放射性ヨードを服用した年にも流産の頻度が2倍になるとか。年令があがると、そのリスクがあがっているような。
もっともバセドウ病のアイソトープ治療で、これだけの量を使うことはなくて、甲状腺がんの治療の場合が多いようでした。

精子は卵子よりデリケート。
50~100mCiの放射性ヨードで一過性の精巣機能不全が起きるそうです。
合計300mCiの場合10%未満で、合計800mCiの放射性ヨードでは90%以上で永久性不妊症になるという報告もあるので、精子を冷凍保存しますか?とお医者さんも聞いてくれるといいのかも。
外来で治療できるくらいの量なら、問題なさそうですけど。

吐き気、むくみ
治療の直後、数日間、吐き気で食欲がなくなったという人、すごく浮腫みがでたという人の記事は、いろいろ出てきましたが、医療での報告は、まだ見つけられてなくて、原因もよくわかりません…。

いろいろ書いたけれど、バセドウ病の治療でアイソトープをする場合の放射線量では、ほとんど副作用がないみたいというのが、わたしが受けた印象でした。
個人的に、気になるのは、チラーヂンの副作用と唾液腺炎。
主治医にチラーヂンの相談はしたから、今度は、唾液腺の炎症について聞いてみよっ♪

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昔・・・ (りょう)
2007-12-03 08:20:39
バセドウの治療の選択肢にアイトソープもありました。でも年齢23歳でしたので妊娠する確立を考え(赤ちゃんへの影響)も考えやらない方向で。手術は低下症の可能性も考え当分は無しで。で、投薬治療でした。でも当時はハイリスク出産という事もあり、断念してしまいましたが・・・。30歳で投薬完了で32歳で2人目と思いましたが、不妊???になっていました。作ればすぐに妊娠してしまう私には???という感じでした。手術を私は選ぶべきだったかな・・・。そしたら腫瘍できなかったよな・・・。とか考えてしまいました。低下症になっても薬があるので今だったら手術を選んだかもしれません。先生に腫瘍の診察の時に、今後は低下症の確立が高い事を告げられました。今現在は数値的にはギリギリです。
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そうですね・・・ (ぷろぱ)
2007-12-03 16:51:18
りょうさん、赤ちゃんのこと、考えると、ほんとにいろんなこと考えると思います。。。

わたしたちが甲状腺の治療をはじめた頃は、まだアイソトープは海の向こうの新しい治療法という感じがありませんでした? 医療のことに素人が首をつっこんじゃいけない雰囲気もあって、本やネットの情報も今みたいに充実してなかったし。
わたしも、アイソトープは論外、若いうちから首に傷の残る手術にも抵抗があって、投薬で、今にいたるという感じです。

あのとき、こう選択したらって、いろいろ考えてしまいますが、これから後悔しない選択をしていくことと、今、同じような状況の人に多少でもブログが参考になれば、それでいいかな、と最近、思うようになりました。
いろいろあっても、これから元気に暮らせたら、過去の選択も「よかった」にしていけるかなと思って。
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Unknown (ポット)
2015-08-18 18:46:41
アイソトープ 受けましたよ 6年前です
私は メルカゾールの副作用で白血球が下がり 高熱が続き入院に 本当に辛かったです 亢進症と比べたら 低下症の方が症状はましですし、ホルモン補充療法 チラーヂン服用で年2回の検査と診察でチラーヂンの量も減りました 私はアイソトープ受けて良かったです 参考になれば
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Re:Unknown (ぷろぱ)
2015-08-18 22:01:52
ポットさん、こんにちは。
情報をありがとうございます!
アイソトープされたんですね。経過もよいようで何よりです♪
チラーヂンは抑える薬(メルカゾールなど)より負担が少ないといいますしね。

日本では手術の費用が安いので、外科手術することが多いようですね。そういえば、水泳の星選手も手術したとか。
http://www.nikkansports.com/m/sports/news/1519239_m.html

私の場合は、甲状腺ホルモン不応症で、アイソトープへの反応もチラーヂンの効果も未知数で、ちょっと不安がありました。結局、手術もアイソトープもしないまま、低下の症状がどんどん強くなっている印象です。
これから、どうなることやら~。ボチボチいきます♪
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