日曜日に「ハマのおじさん」が3度目の登板。ちょっと目を離した1回の裏、7点とられて2番手の吉見が12人目のバッターにタマを放っていた・・・ってどういうことだ!
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もとい。
DVD-BOXを購入しよう・・・とまで思う大河ドラマはひさしぶりです。『風林火山』はおもしろい。
なにが、といったら山本勘助(内野聖陽)がかわいいヤツだ、というところです。こんなにかわいい男はそういない。
身体の不自由ゆえに、兵(つわもの)としてなにも期待されず、認められなかった勘助が「わが主(あるじ)」に仕えるまでの過程は迫力満点。いてもいなくても同じ、という扱いをされた人は、生き延びるために他人の真意を読み、危地を脱する具体策を体で学ぶもの。
こういう人は激しいですよ、選り好みが。
いったん心に受け入れれば全知全能を傾けて尽くしますが、どうでもいい相手は空気と同じかもしれません。
かわいいといえば、小山田信有(田辺誠一)も。
小山田氏(※01)が治めていた桂川流域は「郡内(ぐんない)」と呼ばれ、「国中(くになか)」に対して異なる文化圏、という意識があるようです。
山梨県に滞在中、天気予報が甲府盆地と峡東(JR中央本線が走る狭隘な土地)で分かれているのをTVで見たことも。
信有もまた智謀に長けた武将という設定で、裏があるのやらないのやら。でも、頭がいいから切り替えが早い。たぶん、冗談もわかる。
※01:小山田氏の家紋はたまたまなぎらの父方のそれと同じで、塩山の温泉宿もそうでした。
兵は詭道なり。
勘助と信有が武田家に仕えるのは、詭道を必要とする晴信(市川亀治郎)が正道を追求しているからだと思います。
正道は時として塞がれる。だから詭道(兵)が用いられ、詭道(兵)は正道によって活かされる。
では、正道とはなにか。
それも『風林火山』のテーマだといいですね。
俳優の演技もいちいちキマっているし、骨太な物語と各話に織り込まれた心理、物理的描写を“わかりやすく”表す、という質の高さにハマりました。