活性酸素と固体マイナス水素イオン

生活習慣病の原因は活性酸素です。活性酸素と固体マイナス水素イオンと生活習慣病の関わりについて記載します。

熱中症(暑熱障害) - Heat Stroke

2008年07月26日 | Weblog

概要 概説 / 症状 一般的な治療法 病後の経過 / 生活上の注意 関連情報




概説



 暑熱環境において生じる身体の適応障害を熱中症(暑熱障害)といいます。地球温暖化に都市部でのヒートアイランド現象が加わって、その発生の増加が社会的注目を集めています。従来、学校スポーツにおける死亡事故が問題となり、スポーツ医学において最も取り上げられてきましたが、最近の統計により、労働災害としての熱中症、あるいは高齢者での熱中症発生が多いことが認識されています。重症型熱中症は30%以上の死亡率です。
 熱中症においては早期診断・早期治療が最も重要なのです。

症状



1)熱中症の病態生理
 人間の体温は視床下部にある体温の中枢によって一定に保たれるようにコントロールされていますが、高温・多湿の環境の中で水分の補給を行わず、長時間活動を続けると体温の上昇と脱水・循環不全を生じます。重症型では脳神経の障害、肝臓・腎臓等内臓の障害、血液凝固機能の障害、筋肉の融解が起こります。これは死亡率の高い極めて危険な病態です。

2)熱中症I~III度分類による早期発見・早期治療(表1:I~III度分類、別記:熱中症I~III度の症状)
 早期発見・早期治療のためには熱中症の分類とその症状・救急処置を熟知しておく必要があります。I~III度の症状は次の通りです。

I度(軽症)
 こむら返り(ふくらはぎや足の裏の筋肉などが突然けいれんを起こし、強い痛みを伴うこと)、または立ちくらみだけ

・こむら返り、または立ちくらみをスポーツ現場で軽視し、学生が死亡に至った裁判事例があります。この段階でも軽視することなく早急に対処しましょう。

II度(中等症)
 強い疲労感、めまい、頭痛、嘔気(おうき)、嘔吐(おうと)、下痢、体温の軽度上昇の組み合わせ

・次のIII度の準備状態です。決して軽視せず救急処置(「生活上の注意」参照)を行って下さい。

 注意:こむら返り・立ちくらみ+II度の症状の症例はI度ではなく、II度とします。

III度(重症
 38℃以上(腋窩〈えきか:腋の下〉で)の高熱+脳神経症状(意識消失・せん妄状態・小脳症状・けいれん)+II度の症状

・III度(表2:III度(重症)の診断基準、表3:III度熱中症診断のプロセス)の主な症状は、38℃以上の高熱に加えて、[1]突然意識を失う、[2]せん妄状態、[3]小脳症状、[4]けいれんなどの脳神経症状です。しかも、III度の段階では脳機能障害だけでなく、体内では肝臓・腎臓などの臓器障害と血液凝固系の障害が生じていることが多く、死亡の確率もとても高くなります。このためI度あるいはII度の段階での早期発見・早期治療がとても重要なのです。

 III度でも突然の意識喪失の前に、うわごとや訳のわからないことをいったり(せん妄状態)、歩行・ランニング中にふらふらする(小脳症状)ことがあります。意識喪失の前に現れるせん妄状態と小脳症状を見落とさず、できるだけ早く救急の医療機関へ運び治療を開始することも生死を分けることにつながります。

3)鑑別すべき主な疾患
 [1]頭部外傷・脳血管障害、[2]髄膜炎・敗血症など各種感染症、[3]過呼吸症候群、[4]てんかん重積、[5]悪性症候群、[6]甲状腺クリーゼ、[7]糖尿病性昏睡、[8]振戦(しんせん)せん妄、[9]薬物中毒、など。

(執筆者:安岡正蔵 )