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株式会社プランシードのブログ

株式会社プランシードの社長と社員によるブログです。
会社のこと、仕事のこと、プライベートのこと、あれこれ書いています。

その398.お供します、最後まで②

2018-12-06 05:08:25 | 制作会社社長の憂い漫遊記
ロケ初日。
6時半の朝食だったが、5時に目が覚めた。
恐る恐るカーテンを開けると真っ暗。まだ夜が明けていない。
9階の部屋から目線を道路に落とすと
路面に街頭の明かりがキラキラと反射している。
雨か?
小窓から手を出してみる。間違いなく雨。
テレビをつけて天気予報を確認する。
テレビ画面左上に天気予報か出ている。
ロケ先の最高気温19度、降水確率50/50。
現状回復を祈り、カーテンを閉めて朝風呂タイム。
手には台本。座浴しながら予習タイム。香盤表の組替えが必要だ。
曇りでもいいので昼までもってほしい。

6時半。レストラン前にはすでにスタッフが揃っている。
みな雨に声が暗い。
まずは腹が減っては戦はできぬ。
しかし昨夜あんなにカロリーオーバーしたのに、腹が減るから不思議だ。
お供します、最期まで。
いただきま~す!!

7時。ホテル出発。
フロントガラスを雨が打つ。高速を飛ばして現場入り。
第1作目は前夜から雪。しかし撮影を始めると
雲間から日が覗くという幸運に支えられ無事クランクアップした。
第2作目は晴れのち曇り。
そして今回第3作目は雨。
しかし今回も雨に備えて倉庫や外屋のある建物をロケ地に選んでいる。
ファーストカットも外屋下で撮影が始まった。
新人・川村監督の声で本番が始まる。
「ヨーイ、どうぞ」
ズッコケたのは私だけではない。
おそらくスタッフ全員がズッコケたはずだ。
通常「ヨーイ」に続くのは「アクション」か「スタート」。
私の場合は腹に響くような低音で「ハイ」と声を掛ける。
その夜の夕食時に、大学を出てすぐに弊社に入社しPR畑を歩んできた
新人・川村監督に「なぜ『ヨーイ、どうぞ』なの?」と聞くと、
「ファーストカットにはスポンサーが出演していたので
つい『どうぞ』と言ってしまった」。
チョー受けるんですけど。
しかし育ちがヨーイの掛け声にまで反映するとは。

10時。雨が止む。
予定を変更してエンディングを撮影する。
このエンディングは私の台本の核となる。
予告通り私が監督代行として打席に立った。
約15分、6カットのハイスピード撮影(スローモーション)を撮り終えた。
再び小雨になったので外屋下や倉庫内の撮影に切り替える。
こうして雨に併せて、オープン戦とドーム戦を繰り返し、
昼前には外撮り全カットを予定通り撮影完了。
山の稜線に低く垂れ込める雲バックという想定外のシーンも収めた。

昼食後は、室内シーン。もはや天候は関係ない。
川村監督もペースをつかんだが、「カット」の声が
相変わらず小さく、間が空く。
OKかリテークか一瞬に判断するには、
まだまだ経験が浅い(初監督だから当たり前か)。
しかしPR映画畑から育った長谷川カメラマン、照明の森川技師、
録音の増田技師ががっちりとタッグを組んでくれている。
実は今回のドラマのテーマは「チームセリング」。
チームセリングとは1人のセールスが1人のお客さまにあたるのではなく
営業部門全員がチームであたることをいう。
今回の撮影チームもまた新人・川村監督のチームセリング物語となった。
お供します、最後まで。

15時にはスポンサーにお手伝いいただき明日のロケ現場に備品を運び込み
17時にはこの地での予定すべてを撮り終えた。
このあとホテルに移動して一人語りのボイス撮りをする。
通常は、後日俳優陣を録音スタジオに召集してボイス撮りを行なうが
予算を効率的に使うVP制作では
撮影当日にホテルの部屋でボイス撮りとなる。
俳優陣を集めたり、スタジオを借りるお金があるなら、
その分、作品クオリティーを上げる手だてに投入する。
広い部屋のホテルをチョイスするのも然り。
朝飯が6時半のホテルチョイスも然り。
部屋の広さはスタッフの安眠を確保し、
6時半朝飯は生産性を向上させる。
加えて早めの予約で宿泊予算も維持させる。
これがVP制作の常識であり、スポンサーに取ってもメリットがある。

△今回私のオーダに快く応えてくれたアークイン福知山(満足星5つ!)

18時半全てを撮り終えたオールスタッフ&キャストで夕食を取る。
弊社ではいまだに全員揃っての食事を常としている。
せめて私が社長の間は続けたい。
お供してください、最後まで。

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