株式会社プランシードのブログ

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その399.お供します、最後まで③

2018-12-07 06:26:27 | 制作会社社長の憂い漫遊記
ロケ2日目。
といっても今日で終わり。
天気は曇り。
香盤では午前中は外撮りになっている。
香盤適中!
午前の「曇り」は命拾いだ。

P兼監督代行兼脚本担当の私は、前作に引き続き役者もしている。
その私と役者に扮するスポンサー氏との掛け合いシーンは、
この地での最後に組まれていた。
しかし、まだ時間はある。トイレにいきたいスポンサー数人と
出待ちの俳優陣を車に乗せて、ロケ地近くの道の駅に向かった。
トイレを済ませて、私は「みかん」を買い再び現場に戻る。
本当は途中休憩をしたいが、大抵の現場は昼食タイム以外
全員揃っての休憩はない。
みかんを全員に配布し「もぐもぐタイム入れま~す」と一声すると
休憩の取れるパートごとに随時休憩を取る。
あちらこちらから文脈がない「そだねー」の声が上がる。
前夜に発表された流行語大賞が「そだねー」だったからだろう。
お供ください、最後まで。

ようやく私の出番だ。
川村監督の絵コンテでは数カットに割ってあったが、
やや押し気味だったので、ワンシーンワンカットに切り替えて撮影。
カメラ位置まで決めていたが、押し気味に気づいたのか、
長谷川カメラマンの「多田Pも相当きてるな」
の声が聞こえて来るようだ。
無事、川村監督から「OK」をいただき、片付けをして
約10キロ離れた次の現場に移動、
案の定、到着まもなく雨が降ってきた。

ここではオープンがワンカットあったので、
小雨の中、先に撮り終えて昼食となる。
撮影現場では昼食が唯一の休憩タイム。
約40分の休憩で息を吹き返す。
ただし出だしは、重い腹のせいでエンジンのかかりが悪い。
こういう時は、社内スタッフが率先して動かなければならない。

△森川照明技師、長谷川カメラマン、増田録音技師、川村監督

14時半再開。
ここからは室内シーンばかりなので天気は関係ない。
窓にあたる雨が強くなってきた。
この辺りになると私の疲れもマックスになり
茶々入れも少なくなり、川村監督が仕切っている。
ヨーイ、スタートの声も少し大きくなってきた。
スタッフ&キャストも川村監督をもりたてている。
劇映画では人物設定で監督と俳優陣が議論となり、
しばしば撮影がストップすることがあるが、
ドラマ風VPでは人物の性格は基本「いい人」だ。
悪人や殺人者が間違っても出ることはないし、
暗に性格の人物や、鬱の人が出ることもない。
せいぜい新人とベテランというキャリアの差でしかなく、
皆いい人である。
よって監督の裁量を発揮したとて
人物の性格の差は微々たるものである。
VP監督に求められるのは、適度なバランス感覚だ。
視聴者は一般ピープルではなく、
社内限定だから出演者は全員いい人でいいのだ。
今回の登場人物も皆いい人だ。
香盤通りカットを積み重ね、本日も最後はボイス録りのみだ。
本日初出演者の心の声、OFFコメを録る。
昨日も最後にOFFコメを録ったのだが、昨夜収録の俳優さんから
「録りこぼしでは」と声があがった。
おっしゃる通り!その通り!録ってましぇん!
ありがとね。
この辺りもチームセリング。
いいスタッフ、キャストが揃ったという事だし、
川村監督に対する信頼関係も生まれた証だ。
お供します、最後まで。と行動が言っている。

クランクアップを前に
録りこぼしがないか再確認し、撤収!
18時、帰還の徒についた。
福知山道を抜けて中国道、最後の阪神高速でも雨は続く。
道路に水たまりが出来てブレーキがかかったようになる。
速度規制もでている。
本当に最悪な天気だったが、
最悪なりに撮り終えたのはチョーラッキーだった。
新人監督としては思うところはあったろうが、撮れただけ幸せ者だ。
己の技量についての反省会は己でしていただき、まずはお疲れさまでした。
第4作目となるかはこの作品の編集待ちとなる。
ただ台本担当者としては書き終えた時点で名作は予見できている。
あとは俳優陣がピタリとハマるかが問題だったが、今回は問題なし。
スタッフについてはシリーズを支えてくれている最強メンバーだから問題なし。
川村監督、あとはヨロシク。
お供します、最後まで。

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