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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
私と下ピーは、その様があまりにも真剣なので、笑いを堪えるのに苦労した。イモンガーには悪いが、これが一番てっとり早いと思ったのだ。下ピーは、生神様の正体を知っているので、ありがたみを全然感じていない。この私は、半無神仏論者なので、これまたありがたみに乏しい。
そういう二人から見ると、いくら観音様の頭とは言え、鰯の頭も同様なのだ。イモンガーが、真剣になればなるほど、滑稽に見えた。宗教が違えば、お互い、とんでもないものを信じている違いに驚き、その馬鹿さ加減に呆れるのだろうが、平成の今の時代でもそれほど世界の交流はないので、その違いがよく分かっていない。世界の人々の交流が進めば、宗教も今よりは、もっともっと進化するだろう、と思っているのだが。
観音頭が、ボロ家から出てきたので、私たちは腹を抱えながら、サヤカの所へと走り戻った。人の人生が掛かっているというのに、この態度。いつか誰かに同じ仕打ちを受けたとしても甘んじることにしよう。それが礼儀というものだ。その日は、下ピーを生駒で降ろし、センティの所へ顔を返しに寄った。
つづく
仮想はてな物語 お小説・ストーリィ 1/4 (005-2)
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* 開店「京の芋粥」店(005-2)
イモンガーには、2~3日後と言ってあるので奴も心待ちにして待っていることだろう。平日に、サヤカに乗るのは、最近では極力止している。40も半ばになると、平日に会社から帰って、バイクに乗り回すには、ご近所の手前、気が引ける。購入後、間もない頃は練習のため毎日乗っていたのだが、ずっと昔のことである。
しかし、用事があれば話は別だ。Oさんに言い訳するのに、四苦八苦する。私の顔つきで嘘はわかっているのだが、内職の途中なので深く追求はしてこない。N先生に会って聞くことがあるとか何とかゴマカして飛び出す。
「電話で済むでしょ!」
少しトゲがあった。
「電話では、失礼にあたるので」と言いながら、冷汗いっぱいで飛びだした。今夜は、生駒に寄るだけで済む。主役は、下ピーが務める。
イモンガーは、やはり首を長くして待っていた。
つづく
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