幻想小説周辺の 覚書

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実況読書レビュー 騎士団長殺し

2022-08-26 21:11:00 | 書評 読書忘備録
実況中継2 騎士団長殺し
第一部がもうすぐ読了です。

タイトルの意味が判明したけど 
ちょっと肩透かしな印象です え?これ?
このあと更なる意味が附与されるのかもしれません

女性についてはあんまり村上さんは好きじゃないのか?
と感じました。いろんなエピソードが。。。
女性について書くのが好きじゃないのか?
考えを巡らすのが面倒なのか?
それともセックスが好きじゃないのか?

いろんなキャラが登場します
登場キャラのなかには村上世界に馴染んでる方もいますが
違和感出まくりの不思議な方もいます
う~ん、免色さんのイメージが結びづらいなあ
どうしてもカズレーサーさんになってしまって
脳内キャスティングに緊張感が出ない( ̄∇ ̄*)ゞ

主人公の絵を描くシーンはリアルで新鮮でした。
村上さんのアートについての見識が現れているようです
モデルの見方から絵の具を載せて仕上げてゆく経緯が
リアルで勉強になりました
村上さん自身も油絵を描いたら面白いものになるかも
主人公の描く絵は鴨居さんの作品を何となくイメージして
読んでます
でも問題の作品は全然凄さが想像できません(笑)
なんだかコントの紙芝居の絵みたいにしか考え付かない。






短歌本 春は曙比較夏は短夜

2022-08-26 21:09:00 | 書評 読書忘備録
「春は曙光、夏は短夜」  岩佐義樹   262頁

///季節のうつろう言葉たち
手紙やメールに使いたい美しすぎる日本語////
これが帯と広告のつかみ文です。

見開き1頁に一語の用例、出典、誤用されやすい使われ方、
読者のこの語の正当率、この語の使われる美しい光景などが記されている本です。

でも僕は知ってます。この本はあのテレビの辛口採点番組
プレバト!!の俳句コーナーのネタ本だと。
知られてなくてちょっと通な気分になれる夏の季語
「半夏生」「端居」「日向水」などなど、テレビで役者さん達が得意気に折り込んでいた季語の数々が、出てくる‥出てくる‥  

悪いとか、批判とかいう意味ではないし、岩佐さんが悪い訳ではないのですが、こんな事を見つけてしまうと世の中の、特にTVのカラクリを知ってしまったような残念な気になります。

逆に言うとそれだけ、知ってたり、ちょっと使う事ができるとそれだけで感心されるインスタ映えする言葉。
とまあ。。そんなミーハーな見方だけでは可哀想なので手に取ってこの言葉たちをじっくり味わって下さいね。
まだまだ取り沙汰されていないシブくて可愛い言葉達が沢山この本には納められていますから。

鵲の橋、月は世々の形見、夜気、素読、一献、温州蜜柑。。。
どこか分かったようで、実はよく理解してないこれらの言葉にも使って良い季節、月や旬がキチンと決まっているのでした。
今後、僕の文章がちょっと高尚で雅になったように感じられたら多分にこの本の影響を受けたせいなのだと思います。






ぜんぶ本の話 池澤夏樹 春奈

2022-08-26 20:54:00 | 書評 読書忘備録
ぜんぶ本の話 池澤夏樹 池澤春菜(語り下ろし対談)

この本の出版は某ラジオ番組でこの二人の出版記念対談(番宣)で知った。
その番組のほうが、語り下ろしのこの本書よりも二人の距離感とか興味とかのライブな呼吸がつかめて面白かったと思い返す。
なんたって 娘が「ザリガニの鳴くところ」を意気揚々とプレゼンしてると横から父親が、もっとその本とか背景について深い蘊蓄とか評価をする始末。
場をさらってしまう父親に、娘から「わたしの プレゼン本を 盗らないでよッ!!(怒)」と ブチ切れられる場面など、なかなかこの二人ならではの場面だった。

実際のこの本では、さすがに親子ゲンカは収録されず、しっとりと、親和的に対談が進められる。
最初読んだ児童書の話、からSF、翻訳もの、自分たちの書いた本、と順序たてて語り合われる。
その都度、膨大な量の本の名前や作者の情報が出てくるが、この対談はきっと彼らの本棚がいっぱいの自宅で行われたからだろう、本を採り上げてはその本と周辺の関連本を棚から一掴み手に抱えてきて、また対談に戻る・・といった光景が目に浮かぶ。

このような親子、家族の関係、実にうらやましい。
そして買わなくても勝手に本が届き、増えてゆく、そのような環境も実にうらやましい。笑
垂涎の的であります。

【もくじ】
まえがき
Ⅰ 読書のめざめ 児童文学1
Ⅱ 外国に夢中! 児童文学2
Ⅲ 大人になること 少年小説
Ⅳ すべてSFになった SF1
Ⅴ 翻訳書のたのしみ SF2
Ⅵ 謎解きはいかが? ミステリー
Ⅶ 読書家三代 父たちの本
エッセイ〈父の三冊〉
「福永武彦について」「ぜんぶ父の話」
あとがき

【登場する作家と作品(一部)】
E・ファージョン『ムギと王さま』、E・ケストナー『エーミールと探偵たち』、サンテグジュペリ『星の王子さま』、
R・アームストロング『海に育つ』、K・ヴォネガット・ジュニア『スローターハウス5』、
W・ギブスン『ニューロマンサー』、A・マキャフリー『歌う船』、松本清張『点と線』、
C・オコンネル『ゴーストライター』、J・ル・カレ『スマイリーと仲間たち』、福永武彦『死の島』、
『マチネ・ポエティク詩集』......

騎士団長殺し レビュー1 村上春樹

2022-08-25 06:38:00 | 書評 読書忘備録
実況中継1 356/507頁 第一部「騎士団長殺し」 
ネタばれ御免 注意(>ω<。)

本来なら読了してアレコレと書き連ねるところなんだけど
どうも違った試みをしたくなってしまいました
名付けて実況風読書レビュー

これからこの本を読もうという人
読み終えてこの本素晴らしかったと賛辞を惜しまない人
そんな人にはすごく失礼でルール違反な行為ですので
ここから先は無視されるか無いものと扱って下さい

出版界のボジョレー・ヌーボーとでも言うべき村上春樹新刊
本家のボジョレー・ヌーボーがイベントの旬を過ぎて一部の
ファンの空騒ぎに凋落しているように、こっちのイベントも
微妙な秋風が吹いているのは気のせいか?

何となくレビューや書評を見るとポジション的に地味。
安定のファンによる身内的な好評価、
南京虐殺四十万人の一文に激する意識高い方たちのバッシング、
それと多くの積ん読リーダーと図書館の順番待ちしてる読書予備軍。
そして書店の棚の占拠率は新刊書店からBOOK・OFFへ。
というのが外から見たこの本の現状のようです。

とここまで書いて 実況第一部は修了、次回に続く。

映画レビュー ミラジョボビッチ ウルトラバイオレット

2022-08-24 09:27:00 | 書評 読書忘備録
「ウルトラヴァイオレット」ミラ-ジョボヴィッチ

今観るとCGがイカにも!という感じが気になるが
あの時期のバブリーな雰囲気がよく出ていてイイ味
になってる映画ではないだろうか?
CGみたいに古臭い部分と殺陣や役者の出すキメ絵の
ヴィジュアルなど古臭くならない部分が混在してる
これと同時期に出されていたイーオンフラックスを併せて
観るのがオススメだと思う

世界観がブレードランナーほどではないが現代に
実体化し始めている。住民がみんなマスクして歩いてたり
VR技術を実用化して戦ったりしているのは興味深い

残念なのは役者の格が主役のミラだけに偏ってしまっていて
敵ボスもキーとなる子役も今ひとつ迫力にも魅力にも欠ける
鼻栓した無敵の敵ボスなんてコントみたいにしか見えない
ところですね。この作品以降マーベル映画系の方向性が
固まってきたように感じるが、この頃はまだ制作メソッドが
確定する前のカオス的な熱量の高さが煮立っているのだ。
とにかく厨2病的カッコよさ愛にあふれている映画なのです