幻想小説周辺の 覚書

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映画レビュー アンダルシアの夏

2022-08-04 21:53:00 | 映画レビュー
@夏の映画 @
[茄子 アンダルシアの夏]  監督 高坂希太郎
ジブリ作品ではありませんが宮崎監督の片腕作画監督、高坂さんのサイクル愛が爆発してます。ルパン顔のロードレーサー、ペペの声に大泉洋が意外に上手に役にハマっています。

スペインの灼熱の路上をバイクでもない、レーシングカーでもない、自転車の一群が駆け抜ける感覚。
暑い❗ 熱い❗ 眩しい❗
でも気持ちいい❗ 
アアッ、もうゴール前だ❗ もう、ワケわかんない❗ 
いっけえええええっ  @#%&@#%&  !!!!
 
レースの前後は当然ですが、レース中も意外と静かな緊張感のなかで登場人物の胸中の色んな想いが、あの細っこいタイヤがロードの上を滑るように、すっ飛んで行きます🎵

ラストはあの名作カリオストロを想起させずにはいられない高坂さんの作画の腕が光ります。
レース後の夜の道をペペと兄の自転車と、結婚式を終えた兄嫁が乗るオープンカーが並走するシーン。 
忘れられない、そして、僕もやってみたいぞ。と思わせる名場面です🎵










読書レビュー 罪と罰を読まない 三浦しおん

2022-08-04 21:49:00 | 書評 読書忘備録
「罪と罰」を読まない ;
岸本佐知子三浦しをん吉田篤弘吉田浩美 291頁

もう既に結構な本スキのレビューに上がっているだけあって、この手があったか!と日々増殖する積読之山に負い目を持ち続けている諸兄には救済と喝采を浴びる一冊です
(ちゃんと韻をふんでるし・・・)

本を読ま(reading)ずして読む(detective) というコロンブス的転回に挑む4人の勇者たち 勿論パーティーを率いるのは妄想女王三浦しをんである(笑)

ちなみにこれを読む前にラジオのセッション22でほぼ同じ面子で「車輪の下」を読まない、を拝聴してしまったので感激は最高潮とは言えなかったが
逆に、この手法はどんな本にも使える、番組レギュラー化も夢じゃない!って思わせる効用があったのでチャラである
(しをんさんの中では車輪の下はギムナジウムでジルベールな妄想炸裂しとりました)

最終的にはドストの罪と罰もしっかり読了されラスコもドストも散々に扱き下ろされるのでありますが、其れもまた愛情の裏返しというものでしっかり本スキの四人に面白い本として認定されたのでした

自分もすっかり読んだ気になって満足してしまい、本体の「罪と罰」を読むのはかなり先送りになってしまって申し訳ないが でも「罪と罰」がガラスの本棚の扉の中の金押装丁の飾り物ではなくなって、せいぜい京極夏彦さんの鈍器本程度のハードルの低さとなって手軽に読むことができそうな気分にさせてくれたことは何よりめっけものであります






映画レビュー オデッセイ

2022-08-04 21:47:00 | 映画レビュー
『オデッセイ』 テレビでやってましたね〜
マッドディモンを始めとして極限環境でもサバイバルできる
能力というものは知性とユーモアだと言う原作者のメッセージがよく伝わりました。
宇宙船のメンバーも地球のサポートスタッフもナイスな人選でした。
それにしてもリドリー・スコットはこれとは別にエイリアンシリーズであまりにも迂闊でボンクラなクルーを撮っているのも好対照で面白い。
エイリアン次回作では是非クレバーでユーモラスな怪物退治をやってくださいませ(^^)












読書レビュー 震度7の生存確率

2022-08-04 21:41:00 | 書評 読書忘備録
「震度7の生存確率」仲西宏之 佐藤和彦 293頁

これは読んでおいたほうがいい。。。。
50年に一度の大雨とか、100年間未経験の猛暑とか、
とにかくヤバい出来事がここ10年に立て続けに起きてる
ことを思えば、大地震だってゴジラだって、いつ来ても
おかしく無いってことだ。
ちなみに震度7は立ってられない揺れ、逃げようとしても
必ず転倒し床の割れた硝子で致命的な裂傷を被る揺れ、
なんだそうだ。そして75%の人間は体験したことの無い揺れ
に思考停止し、身体は竦んで動けなくなることが明確に想定
されている。
この本の最も重要な第一章は震度7の地震の「発生の瞬間」その時にあなたがとる行動について三択の選択枝を選び、それぞれあなたが選んだ選択での生き延びる確率を提示し解説している。

設問1。雑居ビル地下の居酒屋で飲んでる時に
    震度7の地震発生。
①机の下に隠れる、生存確率10% 。
②柱のそばで頭を抱えてしゃがみ込む、生存確率30% 。
③地上を目指し階段を登る、生存確率10% 。

このショッキングでシビアな答こそ、この本の肝なのだ。
雑居ビルの地下で飲むこと自体が地震時にはどんなに正しく
行動しても最も高い生存確率が30%というハイリスクなことを自覚せよっ、て警鐘なのだ。
そして、この後も同様の設問が続く。

満員電車の中でなら? →両手で吊り革をしっかり握る
車の運転中なら? →車を停めて外に出て車の陰にしゃがむ
ホテルで寝ていたら? →ふとんを頭からかぶり丸くなる

如何だろうか? 最後に集計すると、デンジャー、ボーダー、
サバイバー、エバンジェリスト、と自分をランク分けしてくれる。ニュースや予想発表では来たるべき震度7の大地震の膨大な死亡者数が予想されているが誰もが自分はその数にカウントされるとは思っていません。しかし巨大地震はいつかは発生し残念ながら誰かが確実にその数にカウントされる。それは自分かもしれないし大切な家族や友人、同僚かもしれない。
この第一章を読むだけでも、その確率を嵩上げし、生存ランクをアップできるかもしれない。
「発生の瞬間」を生き延びねば、間違った選択をしないようにしなければ、そこであなたの人生はお終いなのである。
是非一読、立ち読み、図書館借り、で構わないので読んで
いただけないだろうか? たったそれだけでカウントの数字が2桁以上減るのでは?と切に願う。
どーでもいいニュースやバラエティ番組ばっかりのメディアや、相変わらず机の下に隠れなさい、と教えこむ学校に自分や家族の生存確率をオマカセするこたあ無い。
早速うちの子どもたちに読ませたら、喜んで答えて、父親よりも良い点数を叩き出してドヤ顔をされてしまった。というのは余談である。(笑)

夏の漫画 小夜の縫うゆかた 萩尾望都

2022-08-04 21:35:00 | 書評 読書忘備録
#夏の漫画 ①
「小夜の縫うゆかた」(トーマの心臓3に収録)萩尾望都

望都サンの傑作と言えばトーマの心臓、でありますが、
昔のコミック本にはこっそりと本の後ろにページ数の都合でしょうか
数作の短編が収録されていることがありました。 
この作品と僕とはそんな出会いでトーマの心臓の3巻で読みました。

本編ももちろん素晴らしいのですが、最近なぜかこの16ページほどの
短編作品がふとした折に思い浮かびます。
ためしに検索してみると意外に多くの方がこの作品を愛していることが
わかりました。

数年前に母親を亡くした14歳の少女が、この夏は自分でゆかたを縫う
ことを決心して、ゆかたを縫いながら母親に想い出を語りかけるといった
お話しです。
この頃の望都サンのやや太目のペン先で漫画的でありながら
少女の瑞々しい美しさを表現する画面はとても忘れがたいものがあります。

初読時にはとんぼ柄のゆかたって、なにも考えずに赤トンボかあ・・と
思い込んでいたのですが、調べてみるとゆかた柄ではいろいろな色があることが
わかりました。
初夏にゆかたを仕立てるこの設定だと、紺や蒼のこのような生地なんだ、なるほど
これなら良いゆかたになるだろうなあ・・・と今更気付くに至りました。
今年の夏はどこかのお祭りでトンボ柄のゆかたの少女に出会えるでしょうか・・・?
楽しみがまた一つ増えました。