[山猫の夏] 船戸与一
#大人の夏休み課題図書 その2。
「伝えろ、お招きによってたった今、山猫(オセロット)がやって来たとな。」
灼熱のブラジルの町。百年の抗争を続けてきた二つのファミリーの片方に雇われた凄腕のプロフェッショナル、山猫の通り名を持つ日本人弓削一徳。しかし物語の語り手はしがない場末のバーテンのオレ。山猫に振り回され、ダシに使われ、魅了され、自分も舞い上がって演者の一人になって行く。
行間から容赦無い日射しと血と硝煙の混じった熱風が吹き付けます。クロサワの用心棒とシェークスピアが燃え盛る焚き火の鉄鍋の中で煮詰められ、最後のカタストロフィ(大破局)まで汗を拭くことも忘れ一直線です。
オトコならば読め!! オンナならば魅了されろ!! 山猫がやって来たとな!!