フランスの風景、樹をめぐる物語
新宿損保ジャパン日本興亜美術館 を観ました ★★★★
お友達に招待券をいただいたので新宿のビル上美術館へ参ります。今回のテーマは樹をめぐる物語、ということで主に印象派前後のフランスの近代風景画の展開を観てみようというもの。
この頃だと絵画も宗教の束縛を離れ風景は風景、樹木は樹木。と近代的に観られるようになりました。テーマも戦争や裸婦とは異なり実にこころ落ち着いて安らかに見ることが出来ます。出品も個人藏のものが割りと多く、成る程個人オーナーが自分の楽しみのために所蔵して日々眺めては慈しんだのだろうなあと思いました。
とはいえ画家というものは恐ろしいもの、技巧についても迫力についてもちょっと異常なパワーを持った絵が時々唐突に紛れ込んでいて、ややッ!て目を見張ってしまいました。
超絶技巧で嵐の後の山々の木々や葉の濡れて光乱反射する一大パノラマをCG並みに再現してしまう「ドレ、嵐の後スコットランドの急流」
樹なのに風景なのに何故か奇妙で影が今にも動き出しそうな、ジョジョ第4部に出てきそうなヴァロットン、オンフルールからの眺め」
樹なのに風景なのに何故か奇妙で影が今にも動き出しそうな、ジョジョ第4部に出てきそうなヴァロットン、オンフルールからの眺め」
怖い、怖いです。こんな絵を寝室に飾ったら怖くてねむれましぇん。地面も背景も真っ赤です。「ポールセリュジェ、森の中の焚き火」
やっぱり良いわあ🎵この絵の前だけマハワールドが広がってます。印象派ってのが何となくお行儀の良い美術商御用達の絵ってイメージ先行して損してるけど、この絵を見ると印象派が映画で言うとレオンみたいな硬派の武闘系だってことがわかるという「モネ、ヴェトイユ川岸からの眺め」
他の安らかな樹の絵の中に思いもよらないパッションに満ちた原色の樹「ロールフス、春の樹」どこが春じゃ?
中でもイチオシは、あの神曲の挿絵でお馴染みのドレの油絵です。あの天使と悪魔を描き出したあの指先が原色の絵の具で雲間から照射する光や木々の反射、激流の煌めきなどをキャンバスに再現してしまいます。スゴいです(>ω<。)
ああこの感想で万一、観たいと思った方、ごめんなさい。
今日までなのでした。(/≧◇≦\)