らってくんのお手入れ中にも関わらずセルフケアに夢中になってしまったちーのくん。
そして、ちーのくんにお手入れされていい気分だったのに、突然の放置でムムムんと怒っているらってくん。
それからどうなったのでしょう?
『ちーのくん、まだ終わっていませんにゃん。
ちゃんと最後までサービスを完了させてくださいにゃん』
「
と、らってくんは要求するのですが…
セルフケアに夢中になってしまったちーのくんは聞いちゃいません。
グシグシと念入りに念入りにあし先をケア。
続きましては
片足をアップして
大事なオマタもケア。
没頭するちーのくん。
ねえねえ、
らってくん、じーっと待っていますよ。
『はっ
そうでしたにゃ。
ちのきち、らっちゃんのお手入れをしている途中でしたにゃ~。
ついつい気になって…
自分の事にかまけてしまいましたにゃ~よ。
はんせいはんせい
シャシゃシャッと掻いて気分をリフレッシュしたら
さて、らっちゃんのお世話を再開しますかにゃ』
流石はイクメンパパ…、と絶賛したい所ですが…
…
…
キミ、何かが間違ってる気がするよ
キミの片足は…
何ゆえに上がったままなのか?
何だかアレみたいね。
ほらほらほら
ゆーふぉ!!
するとちーのくん、
ノーマルモードに戻ってしまいました。
『オバちゃんの話は意味が解りませんにゃ』
って、おい
『ちのきち、忙しいんですにゃ~よ。こうやってらっちゃんのおみみを
ベロンベロンと…
丁寧に丁寧に…
しつこくしつこく…
いつまでもいつまでも…
お手入れし続けるのですにゃ~』
そうそう、ちーのくんのおみみ掃除、しつこいの
だからほら、案の定らってくんが…
『もうイヤですにゃ~』
我慢の限界に達し…
実に独特なフォームで
脱出
この脱出方法は想定外で
ちーのくんもビックリですね。
『ホントにもう
ちーのくんたら、おみみだけに執着しすぎですにゃ~よ。
大体じゅるじゅる煩いったらありゃしないですにゃ』
あらあら、らってくんすっかりご機嫌斜めですね。
と云う訳で、わるいおかおに始まりわるいおかおに終わる
らってくんでありました。
ねこけんさんのおはなし
りんちゃんとらってくんは保護団体「ねこけん」さんからうちのこになりました。
日々熱心に活動されているねこけんさん。
この頃はテレビで見かける事も多くなりました。
先日放映された番組では、野良の子ねこを保護して譲渡するまでと云う内容でした。
すると後日
「納得できない、どうしておかあさんと引き離すのか」
と、お怒りの電話が入ったのだそうです。
「おかあさんと一緒に居るのに、どうして引き離すのか」
子ねこのちーのくんがウチに来たばかりの頃、わたしも同じことを言われた事がありました。
公園で生まれたちーのくんはおかあさんや兄弟と暮らしていたのです。
そして2ヵ月の時、子ねこたちだけが保護されました。
おとうさん、おかあさんは何年もこの公園で暮らしている生粋の野良ネコ。
今から人間と暮らす事は残念ながらムリです。
ちーのくんたちがあのままおかあさんと一緒に居たら、
おかあさんは必死に野良ネコとして英才教育に励むことでしょう。
もちろん大人になってからでもおうちの暮らしに馴染めるネコさんもいます。
室内飼にも直ぐに順応出来て、おトイレも覚えそそうもしない、
そういうおりこうな大人ねこさんもいるんです。
でも、
なんたってちーのくんは、それはそれは気性の荒いボス猫の息子ですもの。
人間に懐くことの出来ない、保護する事が出来ない野良ネコとして育ってしまいます。
子ねこだからこそ、ちーのくんはわたしたちの家族になれたのです。
そして、やっぱり大人ねこの譲渡は難しいのです。
子ねこは比較的貰い手が付きやすいのですが、
大人は希望者が少ないのが現状です。
その頃、ちーのくんのおとうさんは7歳くらい、
しばらくしてから聞いてみたら、急激に体が弱ってきたとの事。
それでもその公園で7歳は長生きです。
ほとんどのねこさん達は5歳まで生きられず、死んでしまいます。
いわゆる「ねこ」は決して野生動物ではないのです。
人と共に暮らすように改良された愛玩動物です。
野良ネコは本来の姿ではありません。
「おかあさんと…」
怒りのこもった言葉をわたしに投げかけた人、
それは引き離された親子を可哀想に思った優しい人です。
わたしはその時にきちんと説明できなかった事を後悔しています。
その人が野良ネコについて誤解を解いてくれていたら
別の誰かに話したかもしれない。
そうやって不幸なねこが居なくなる小さな一歩になったかも知れない。
ささいな、でも大事なきっかけを、わたしは見逃してしまいました。
ねこけんさんは苦情の電話が入っても、
「伝え方をもっと工夫して、たくさんの方に理解して頂けるように頑張ろう」
とおっしゃっています。
本当に頭が下がります。
それにひきかえわたしったら未熟なんですよ。
「そのひと」は我が家にちーのくんが来るより前に仔犬を購入しておりまして
「掌に乗るくらい小さいの~」
って自慢していたんです。
実はね、
「犬は良くて、どうしてねこはダメなんかい」って
今でも納得いかないんですものね