Haru S.の部屋

都内のピアノ教室です。ピアノレッスンのことを綴った真面目なことしか書いていない、でも少し役立つかもしれないブログ。

ノンレガートで弾こう① 3つの黒鍵

2024年03月26日 | レッスン

 

 

 

できれば、音の読み方を習い始める前に、

ピアノを弾く体づくりを済ませておきたいものです。

 

体づくりを済ますと言っても、これまで書いてきた

・腕を肩から大きくおろす

・指先で重さを支える

・柔軟な手首で弾く

 

この3つを習慣づけるということです。

 

手に癖が全くない人は少ないものです。

何らかの癖が出るものですが、

それは音の読みを習いながら修正していきます。

 

癖を直すためには、

正しい手の使い方を知る必要があります。

 

鍵盤の端に指を引っかけて、

とりあえず音を出すことだけは避けて下さい。

たとえ一音弾く時でも、良い音で弾く習慣を付けて下さい。

 

このメソッドの特長のひとつに、

導入期に聴いて覚えて弾くということがあります。

 

読める音符だけでレッスンを進めると

いつまで経っても限られた音域の音を

弾くだけになってしまいます。

 

ピアノを弾く体づくりは、

ピアノを実際に弾いて練習することでしか作れません。

両手を同時に育て、右手でしたことは左手でもします。

 

真ん中だけではなく、高い音も低い音も使い

広い音域を弾くことによって

体の使い方を覚えるだけではなく、耳も同時に育てます。

 

曲は何でも良いですが、シンプルで覚えやすいものが良いです。

童謡などのメロディーの一部を右手で弾いたら左手も弾く。

できそうでしたら両手でそれを弾く。

別の音からも弾くと1曲で何通りも弾けます。

それで十分です。

 

上の動画は3つの黒鍵で弾けるように作成しました。

最初から最後まで全て弾くのではなく、

曲の一部を弾くだけにしました。

 

少しテンポが速いかもしれません。

音声をダウンロードして、

スピードチェンジャーのアプリを使うと

音程を変えることなくテンポだけ変えることが出来ます。

 

音楽スピードチェンジャー - Google Play のアプリ

 

 


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なぜ3の指?

2024年03月25日 | レッスン

 

 

 
指は5本ありますが、
ピアノはどの指から習い始めると思いますか?
 

多くのピアノ経験者のかたは

親指(1の指)からだったと思います。

 

では、1の指は弾き易かったですか?

 

初めてのピアノだから慣れていないし

こんなものだろうと思っていませんでしたか?

 

実は、付き方が1本だけ違う親指より

一番長い真ん中の中指(3の指)から習い始めた方が

無理なくピアノの正しい奏法を身に付けることが出来ます。

 

素晴らしいピアニストを多く輩出している

ロシアや東欧はその方法で習い始めます。

 

 

さて、ピアノを弾く人の多くが憧れる作曲家ショパン。

 

ピアノの詩人と言われているショパンは

美しい曲を書いただけではなく、

ピアノの腕前も見事でした。

 

ショパンのピアノ技法が

ピアノ曲を大改革したと言っても過言ではありません。

 

 

ショパンは言っています。

ハ長調のスケールは一番難しいから

長い指が黒鍵に来る調から練習をした方が良いと。

 

調号が3つ以上のものということです。

 

 

ショパンの曲にシャープやフラットが

3つも4つも5つも6つもと

たくさんついているのはそのような理由からです。

 

手の形に合っている調で書いてくれているのです。

 

 

ショパンは上流階級のアマチュアにピアノを教えていたので

このピアノ奏法の秘密が専門家の間に広まりませんでした。

 

しかし、この秘密を正しく理解した作曲家がいました。

 

ドビュッシーです。

 

ドビュッシーはショパンの弟子と言われている

モテ夫人からピアノを習いました。

 

ショパンの教えがモテ夫人からドビュッシーに

受け継がれたのだと思います。

 

ドビュッシーは晩年

ショパンのエチュードを校訂しました。

そして、それをきっかけに自分もエチュードを作曲。

À la mémoire de Chopin(ショパンの追憶に)

献呈されています。

 

実際、ドビュッシーも調号の多い作曲家で、

手の形に合った曲が多く作られています。

 

 

やっと本題ですが、

3の指で黒鍵を弾く所から習い始めることは

実は理にかなっているのです。

 

最初に長い3本の指

234の指から習い始めた方が

力みのない手で弾くことが可能になります。

 

さらに黒鍵で弾くと

ピアノを弾く大前提でもある

腕を少し持ち上げた状態で弾くことが出来ます。

 

ショパン発信ともいえるメソッドの教本のひとつが

「不思議な音の国」です。

このメソッドで作られた教本は

私の知る限り日本にはまだ3冊しかありません。

 

この3冊が数巻シリーズ化されています。

 

 


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深く弾くとは

2024年03月24日 | レッスン

 

 

 
昔、ヨーゼフ・ホフマンというピアニストがいました。
ラフマニノフと親交があり、
ピアノ協奏曲第3番を献呈されています。
 
 
ラフマニノフは自分よりホフマンの方が
上手いと言っています。
ラフマニノフは現代のピアニストも憧れる
大ピアニストであり大作曲家です。
 
 
 
ホフマンは次のように言っています。
「熟れた苺を潰さないようピアノを弾くと
美しく深い音が出せる」
 
 
この意味は、
やわらかい苺をつぶさないようゆっくりと鍵盤を下ろす、
ということです。
 
 
ゆっくり下ろすためには腕の力みがあっては出来ません。
腕の重みで指を沈めていく感覚です。
 

 

ピアノの鍵盤は簡単に動きます。

 

そのためか、表面だけ触って出た音が
ピアノの音と思われがちですが、
腕をリラックスさせて指をゆっくりと沈みこませると
深い音が出ます。
 
 
この感覚をつかむのに大変便利なものがあります。
 
スライムです。
100均で売っているおもちゃです。
 
 
上の動画にもその場面があります。
私自身もスライムを使って深く弾く感覚をつかみました。
 
 
深く弾く感覚がつかめると、音楽表現の幅が広がります。
音のニュアンスを作り出せるようになります。
 
 
力むことが減りますので
跳躍した音、速いパッセージも弾きやすくなります。
 
 
ぜひ、お試しください。
 
 
 

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重さを支える指先

2024年03月23日 | レッスン

 

 

 

 
上の写真は消しゴムのついた鉛筆です。
 
 
これがピアノレッスンにどう関係するのかと言うと、
生徒さんの指の下から消しゴム部分を軽く当てるのです。
 
 
これはこのメソッドを考えた
ピアノ教育者たちが考えたものです。
 
 
 
ピアノを弾く時の指はどのようになるのが良いか、
この消しゴムを使って知ることが出来ます。
 
 
指が内側に引っ込むと(反り返ると)
ピアノはとても弾きにくくなります。
 
 
第1,2,3関節が見えるように
生徒さんにはしてもらいます。
 
 
その指のまま鍵盤を下げられるようにすることが
第一歩。
 
 
小さなお子様は、腕の重みに指が耐えられないので、
指先がつぶれたり、伸びたり、
第2関節が内側に引っ込んだりしてしまいます。
 
 
それを講師が下から腕を支えたり、指を支えたりして、
良くない癖がつかないように、レッスンを進めて行きます。
 
 
ご自宅の練習でも、親御さんが
手首の下あたりを支えてあげて下さい。
 
 
 
 

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腕の重さを感じる

2024年03月22日 | レッスン

 

 

 
 
こちらの動画は、
私が使っている導入教本を作った先生のレッスンです。
 
教本の原題はTales of a Musical Journey
日本語版は「不思議な音の国」と言います。
 
 
レッスンを受けている生徒さんは、
ピアノを始めたばかりの4歳の生徒さん。
 
この中で、手をブラブラと交差させながら
体を前に倒していく場面があります。
 
 
同じようにされてみると分かりますが、
体を前に倒していくほど腕の重みを感じます。
 
これはこのメソッドではよく知られたものです。
 
 
 
力が抜けた腕は小さなお子さんでも
けっこう重いものです。
離れた音を腕を目一杯伸ばし、上からポンと弾くと、
小さなお子さんの方が案外良い音が出ます。
 
 
ピアノは腕を使って弾く楽器だとまずは知ることが
レッスンのスタートです。

 

 


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