Haru S.の部屋

都内のピアノ教室です。ピアノレッスンのことを綴った真面目なことしか書いていない、でも少し役立つかもしれないブログ。

何歳から始める?

2024年05月06日 | レッスン

 

 

 

ピアノは何歳から始めると良いのでしょうか。

 

個人差はあると思いますが

あまり小さい内から始めない方が良いと

長年教えていて思います。

 

 

ピアノは大きな楽器です。

ヴァイオリンと違い子どもサイズのピアノはありません。

 

鍵盤の幅が大人が弾くのと同じなのです。

 

まず、それを日本で昔から教えられている方法で

教え始めてしまうと身体的に無理が生じます。

 

だから、よく子どもが力んだ指で弾きにくそうに弾いているのです。

こうなってしまうと、ちょっとやそっとではもう直せません。

 

 

私が今教えている方法は

旧ソ連のピアノ教育者たちが考案した方法です。

 

現在でもロシアや東欧はピアニストの宝庫です。

それ以外の国のピアニストでも

それらの国出身のピアニストや指導者に

師事した人が少なくなく、現代のピアニストの系譜の多くが

ロシア、東欧に由来していると言っても

言い過ぎではないと思います。

 

旧ソ連のピアノ教育者が考案した方法は

身体に無理を生じさせることはありませんが、

身体の使い方を覚える必要があります。

 

また、音符を読むことは

抽象的なことを理解できる能力が必要です。

 

抽象的なことが音楽に結び付くには

これまた訓練が必要です。

 

少なくとも小さなお子様が

全く一人の力でこれらを身に付けることはできません。

 

必ずご自宅での練習時に

正しい奏法ができるよう見て下さる保護者の方のお力が必要です。

 

ピアノを弾くこと以外でしたら

歌を歌う、音楽を聴く、塗り絵をする、絵を描く

など、それだけで十分です。

 

なので、大手楽器店のグループレッスンで

音楽を始めることは悪くないと思います。

但し、2年程度にしておいた方が良いと思っています。

 

 

そこまで出来ない場合は

小学校に入学してからでも遅くありません。

 

早くからピアノを習い始めたからと言って

進みが速いわけではありません。

 

逆に、体も理解力もある程度成長した年齢で習い始めた方が

順調に進む場合が多いです。

 

だからと言って、習い始めから

お子様に任せきりでは上手く行きません。

 

自立できるためには初めは手伝いが必要です。

ピアノ経験がないから教えられないと放置してしまうのは

最も良くありません。

 

ご家庭でお子様がしていることへの興味を持ち続けることが

習い事を長続きさせる秘訣です。

 

一番良いのは一緒に音楽鑑賞をする事。

親御さんが音楽に興味がないのに

お子様が音楽に興味を持ち、自ら練習をする

などということは、まずありません。

 

環境を作ることは親御さんの仕事です。

 

 

色々と書いてきましたが、何歳から始めるかについては

小さくとも5歳からというのが私の考えです。

 

身体も動かせるようになり、

図形の理解もできるようになる年齢だからです。

また、集中力もついてくる頃です。

 

ヨーロッパのピアニストを見ても

多くの人が5~7歳でピアノを始めています。

3~4歳で始めるお子様はご家族に音楽家がいて

毎日正しい奏法で教えてくれる人がいる場合です。

 

3カ月でも間違った奏法で弾いてしまうと

それを直すのに3年はかかります。

 

楽器というのはそういうものです。

好きで始めることが一番大事です。

そして、音楽に興味を持ち続ける環境を親御さんは整えてあげること。

 

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする