ピアノ調律師(滋賀県、京都市)の独り言

http://piano-tune440.com
(077)576-2236大石ピアノ

石川セリ 「Sexy セクシー」

2012-04-16 23:48:36 | Weblog

石川セリ Sexy セクシー "Video Clips"

誰もがみな思い出すものがあるんじゃないだろうか?

石川セリさんの名曲の「セクシー」

♪子供みたいに笑う貴方が急に黙ってセクシー♪

すごく空間がこの言葉で広がって

でも決して大きな空間でなく、6畳程度の一室での

恋人の2人の姿が浮かびます

 

今はもうこんな歌詞の歌が歌われる事はなく

ちょっと前なら「羞恥心」だの「恋のダンスサイト」だの

いえ、上地くんは好きだし、歌う人を批判するわけでなく

歌詞の種類が変わってしまったという事です念のため

 

60年後半から70年代半ばまでなのかな~

僕は直接知らない年代だけど

聴くところによると、安保闘争で疲れた若者が

ただ刹那に、日々を2人称の世界に身を置き

ゴールなき末は崩れ逝く時間を感じながら

何に正直に、何を裏切り生きるのだろうと悶絶していたこの頃を

ミュージシャン達は写し取っていた、そんな代表的な一曲

 

ジャストな本質は、その時代と違っているけど

恋愛の一場面で同じように

崩れ逝く何かを感じながら、いつくしむように愛し

そんな時間をみんな記憶のどこかに持っていて

それが時代を超えて訴えかける

この曲を聴いて涙したなんてコメントを書いてる人がいる

そういう理由だと思う

 

自分も思い出の一場面があって今でもふと、その頃の香りを思い出す事がある

それはでも、どこか息苦しく心地よく、まるで水の中におぼれているような

そんな瞬間に出会う事が25年以上経っているにも関わらず

今でもあるのです

 

辛かったけど、苦しかったけど、別れた頃でも良いんです

あの頃の感覚にもう一度、落ち入ってしまいたい

なぜなら、その苦しい時でも

あの忘れがたい時間に少しでも近づけるのだから

 

あれから自分もまた別の恋愛もし、別れもし

その他も色んな事があって

怒りも、素直さも、やさしさも、今では形を変えてしまって

でも、本当の自分ってあの頃が自分だったような気がする

それがまたどうにも、自分にナイフを突き刺してくる

 

そんな心の傷を覆った「かさ蓋」を、はじから剥くような

石川セリさんの名曲でした

 

石川セリ/ダンスはうまく踊れない (尾崎亜美、小原礼)